スペシャル 夢をつなげ!B&Gアスリート

No.011:阪本 祐也選手(世界ジュニア水泳大会日本代表メンバー) 地域の協力を力に世界を目指す!
2017.08.29 UP

プロフィール 阪本 祐也(さかもと ゆうや)
1999年生まれ、三重県大紀町出身。小学2年生のときに大内山B&G海洋センターを拠点に活動している町のスポーツ少年団で水泳を始めた。小学4年生でB&G全国ジュニア水泳競技大会2種目(自由形・バタフライ)を制覇。中学1年生では、全国JOCジュニアオリンピックカップ水泳競技大会の、50mバタフライ11-12歳の部で優勝。現在高校3年生、世界ジュニア水泳大会日本代表メンバー。

後編:地域の皆さんに恩返ししたい

大紀町のB&G海洋センターで子供の頃から水泳を習い、有力アスリート候補として期待される、阪本祐也さんは、来年からは大学に進学をし、水泳の技にさらに磨きをかける。現在、東京オリンピックを目指しており、そうした彼の活躍をサポートしてきたのは、言うまでもなく家族や地域全体で支えるなにより「温かい応援」だった。

地域全体のサポートに深謝、意欲向上へ

- 高校時代の大会で経験した苦い思い出について聞かせてください -

 私の通っている高校の水泳部は、三重県内でも3、4位を争う強い部で、全体の所属15人のうち、3年生が3人います。7月に開催された東海総体の100mバタフライでは、2位でした。前年度は優勝できたのですが、今年は、コンマ何秒で負けてしまい、コーチからも、「少し気持ちが弱かった部分もあるのでは」と、少し厳しい言葉をいただきました。信頼おけるコーチからの言葉なので、身に沁みたことを覚えています。

第38回全国JOCジュニアオリンピック春季水泳競技大会では、100m、200mバタフライで優勝!


- もし水泳をしていなかったとしたら、他のスポーツで何か関心はありますか? -

 水泳を始める以前の小さい頃は、サッカーをしていましたが、やはり自分に合ってないな、と思い、祖母と母に勧められて水泳を始めました。もし、水泳を勧められていなければ、走ることが好きなため、陸上競技の中長距離の種目に挑戦してみたかったです。野球、バスケットボール、バレーボールなどの球技は、全般的に少し苦手な関係で、学校の体育の成績は普通です。

- 好きなアイドルや大学生活への期待などお聞かせください -

 学校の友達と話している時によく話題に出るのは、人気アイドルグループの「欅坂」や「乃木坂」です。私個人としては、乃木坂の歌を電車の中でよく聞いています。その他には、『ちはやふる』という映画に出演した女優の松岡茉優さんのファンです。

 また大学では、初めて寮生活を経験します。昨年から合宿などで長期間家を空けることが多かったので、一人暮らしには少しは慣れているつもりですが、来年からの寮生活を楽しみにしています。また、大学を見学させていただいたところ、練習環境等、の雰囲気がとても良く、この環境で練習できたら自分も楽しく、なにより一番に「頑張れる」と思い大学を決めました。

兄弟の活躍も見守って

- ご兄弟も水泳をされているのですか? -

 私には弟が2人いますが、彼らも現在、水泳をしています。すぐ下の弟は、現在高校1年生で、東海総体に出場できるくらい順調にタイムを伸ばしていますし、一番下の中1の弟は、7月の県選手権で全国ジュニアオリンピック(JO)の標準記録を突破し、8月の末の全国JOに出る予定です。B&Gの全国ジュニア水泳大会にも出場して、辰巳国際水泳場の雰囲気を味わえるのでは、と思います。

- 地域でのサポート体制はいかがですか? -

 私の住む、大紀町の谷口友見町長は、B&G海洋センターについて大変理解があり、スポーツ振興に力をいれてくださっています。昨年度の海洋センターで開催された水泳大会の時には、谷口町長がご挨拶に来場され、プールでの練習や大会を見学する保護者の方がプールサイドで立見している姿を見て、谷口町長が「(保護者方々に)立たせて見せたらあかん」という一言を発せられ、結果、観覧席を作る予算を認めていただきました。また、通常の海洋センターの営業期間は、4月から12月まででしたが、スイミングクラブの子供たちが全国で活躍していることを聞き、スイミングクラブの子供たちの練習のために特別に1月から3月までの夜間の時間帯を、練習のために施設を開放していただいています。施設のある場所は、山間部のため冬場はとても冷え込みますが、練習が終わると、みんなで少しでもボイラー代を安くするために冬場の間はブルーシートをプールにかけて保温するなど工夫をし、そのおかげで水温を維持できている状況です。地域の方の理解や協力があってこその大紀スイミングクラブなので、大きな大会に出場するたびに、一番きれいな色のメダルを持って帰れるように日々、感謝の気持ちを忘れないように練習をしています。


- 普段の食事や練習、愛読書などは? -

 昔から、食事は1日4食とる生活をしています。「朝食べて、昼食べて、練習前軽く食べて、帰ってから食べる」という感じです。この生活習慣には、かなり慣れました。水泳の1日の練習量は、2時間に5キロから6キロ泳ぎます。冬場になると泳ぎこみをするので、7キロから8キロにも及び、こうした練習を、大会期間以外は毎日こなしています。また練習前後のストレッチも毎日欠かさず行っています。これには、毎回15分ほど時間をかけていますが、私は、前屈だけはかなり固いので、大学では柔軟体操にも留意しトレーニングを継続していくつもりです。

 また愛読書として、水泳の月刊誌『スイミングマガジン』を定期購読していますね。

- 最後に中井監督と「座右の銘」についてお聞かせください -

 中井監督は、昭和57年の第9期センター育成士です。あれから随分月日が経ち、現在59歳になったそうです。今まで監督の様々な活動やスイミングクラブ員の活躍で、プールの観客席設置や、冬場の練習のために夜間も施設開放も提供していただき、練習環境が徐々に整ってきました。自分の中で水泳以外にも、(人生)全体の中で大切にしている言葉があります。それは、「己に勝つ」です。その為にはいろいろ努力を惜しみなく行い、納得するまで辞めないということを常に考えて行動しています。

※完

(文:宮嵜 秀一

前編:目指すは、東京オリンピックで金メダル!

海洋センターの近くには、有名な頭之宮四方神社や、最近リニューアルした大内山動物園、更には酪農の乳製品を扱うお店ミルクランドがあります。それぞれ受験期や週末には観光客でにぎわいます。又、日本一の清流宮川の支流「大内山川」では春にはあまご、夏にはあゆ釣りが楽しめ、季節にはたくさんの大公望たちが訪れます。