スペシャル 夢をつなげ!B&Gアスリート

No.011:阪本 祐也選手(世界ジュニア水泳大会日本代表メンバー) 地域の協力を力に世界を目指す!
2017.08.22 UP

プロフィール 阪本 祐也(さかもと ゆうや)
1999年生まれ、三重県大紀町出身。小学2年生のときに大内山B&G海洋センターを拠点に活動している町のスポーツ少年団で水泳を始めた。小学4年生でB&G全国ジュニア水泳競技大会2種目(自由形・バタフライ)を制覇。中学1年生では、全国JOCジュニアオリンピックカップ水泳競技大会の、50mバタフライ11-12歳の部で優勝。現在高校3年生、世界ジュニア水泳大会日本代表メンバー。

前編:目指すは、東京オリンピックで金メダル!

三重県大紀町出身の高校3年生の阪本祐也さんは、地域のB&G海洋センターで小学生の頃から水泳の練習を重ね、来る2020年の東京オリンピック出場に期待がかかるB&G海洋センター出身の有力水泳競技アスリートだ。ほぼ同環境でトレーニングをしてきた松田丈志選手を目標に、志高く、日々練習を重ねている。
良き父のようなコーチや、地域全体でのサポートを受けながら、得意のバタフライで国内戦を勝ち抜き、世界制覇を狙う。
また来年は大学に進学し、さらに技に磨きをかけるとのこと。ハードな練習の毎日を送る阪本さんですが、そのような中でも人気アイドルグループの話や、愛読書、余暇の過ごし方など、阪本さんのマルチな魅力にせまります。

目指す選手は、松田丈志選手!

- 第6回世界ジュニア水泳選手権大会に向けた意気込みをお聞かせください -

 第6回世界ジュニア水泳選手権が、アメリカのインディアナポリスで、8月23日から28日の期間で開催されますが、私にとって今回の大会は、ジュニアの日本代表として5回目の海外遠征になります。初めて海外の大会に参戦したときは、かなり緊張したのを覚えております。最近は海外の大会の雰囲気等にも、ある程度慣れてきてきたため、大会前の不安もほとんどなく、平常心で戦えると思っています。ですので、今回の世界大会では、目標タイムとして、200メートルで、1分56秒台、また100メートルでは52秒台を目指し、しっかり自己ベストを狙えるよう頑張ります。

2016年のジュニアパンパシフィック 200mバタフライで2位入賞!


- 得意のバタフライをどう活かしたいですか -

 今回の世界ジュニア選手権で、しっかりとした結果が出せれば、当然、東京オリンピック出場が視野に入ってきます。その場合、日本のバタフライのレベルはかなり高く、国内戦で勝ち進まなければ、世界では通用しないと考えています。

 次のステージとして、大学に進学し水泳に専念する中で、自分の弱点を克服し、さらなるレベル強化を図っていくことを考えています。

- 目標とする選手はいますか? -

 私自身が目標にしている選手は、松田丈志選手です。トレーニングが、松田丈志選手が練習していた環境に似ていることもあり、尊敬している選手です。特にB&G海洋センターのプールと同様の環境の下で、松田選手は久世由美子コーチと二人三脚で練習をされていましたので、私自身と中井求監督との関係に似ているなと感じています。最近では、中井監督のご子息(中井克樹コーチ)に指導をしていただき、大会中の修正点のアドバイスや、練習メニューについて指導していただいています。私にとっては、良き兄、父のような存在です。

- 水泳を続けていて良かったなと思えるところは? -

 水泳を通して地域の人たちから、たくさんの温かい声援や応援をいただいているのを感じます。その力が大会での良い結果につながっていると自負しています。

- 普段の生活についておきかせください -

 私は現在、毎朝6時に起床、6時30分には家を出て電車で1時間ほどかけて高校まで通っています。テスト期間中は、電車の中で試験勉強をしていますが、普段の通学の時は毎朝出発が早いため、車内で寝ています。また、学校の授業が終わるとすぐ帰宅し、海洋センターで水泳の練習に参加しています。中学生までは、中井求監督に言われ、毎朝30分間のランニングをしていました。高校生からは、ちょっと朝が早過ぎて毎朝のランニングは出来ていませんが、中学生の弟は行っています。

スイミングクラブの活動費確保のための地道な努力も

- 活動費を確保するために、どんな活動をしていますか? -

 大紀スイミングクラブの活動費確保のために、畑で野菜を栽培し、販売をしています。この時期は、ちょうどトウモロコシの収穫が終わった頃で、それを主に販売しています。栽培から販売までクラブ員全員で作業を行うことは、今も昔も変わらず、良い習慣であると思います。年間の売り上げ金額は、約80万円にも上り、スイミングクラブの活動費確保に役立っています。また、野菜の販売を通じて、地域の方とつながりを強く感じます。水泳を通じ、それ以外の事も、幅広く学べるので、大紀スイミングクラブは素晴らしいクラブだと感じています。

- 練習環境や練習上の工夫についてお聞かせください -

 今の練習環境は、高校3年生は僕1人で、高1の弟が1人、中学2年生が1人、中学1年生が3人、あとは小学生と幅広く、今も昔も環境そのものは変わっていません。また試合前のルーティンについては、ちょっとした工夫をしています。例えば、練習や試合前の気分転換に、音楽を聞いたり歌ったりしています。最近では、家でスピーカー使って音楽流したりしてリフレッシュしたり、学校の友達と一緒に遊びにいくことで、気分転換をします。音楽で、今一番好きな曲は、GReeeeN の曲全般で、大会前には必ず『扉』、『道』、『ビリーヴ』など聞いてリラックスしています。

- 大会に向けた「勝負アイテム」などは? -

 俗にいわれる「大会前の勝負飯」といったものはありませんが、大会が近くなると、いつも母が、油を控えた食事メニューを考えてくれるなど、健康に配慮をしてくれています。こうした家族の支えもあり、大会に向けたコンディションは次第に整ってきています。私にも水泳の大会時に必ず行うでルーティンがあります。スタート台に登ったときにちょっとリラックスするっていう意味でも、一回大きく息を吐いて肩の力を抜くことです。その仕草をすることで、とてもリラックスするんです。

- コーチからの印象に残るアドバイスなどは? -

 今お世話になっている中井克樹コーチは、大学の水泳部でマネージャーをされていたので、大会の時でも、すごく的確なアドバイスをくれます。予選が終わった後などに、一緒にビデオを見ながら「「足のキックがあまり入ってない」とか「バタフライのキックの強弱がなく、足がふわふわしているので、もっとキックの強弱に意識して」などと、的確なアドバイスをしてくれます。そうしたアドバイスを頭に入れて決勝前のアップ時に意識するため、決勝では泳ぎを修正できるので、すごく助かっていますね。またアドバイスを聞くと、向上意識も高まり、より良い結果を出すことができます。

※後編に続きます

(文:宮嵜 秀一

後編:地域の皆さんに恩返ししたい

海洋センターの近くには、有名な頭之宮四方神社や、最近リニューアルした大内山動物園、更には酪農の乳製品を扱うお店ミルクランドがあります。それぞれ受験期や週末には観光客でにぎわいます。又、日本一の清流宮川の支流「大内山川」では春にはあまご、夏にはあゆ釣りが楽しめ、季節にはたくさんの大公望たちが訪れます。