体験格差解消事業 児童養護施設の中高生を対象に「B&Gキャリア教育セミナー」を開催(神奈川県)

体験格差解消事業 児童養護施設の中高生を対象に「B&Gキャリア教育セミナー」を開催(神奈川県)

ノエビアグリーン財団

B&G財団は、ノエビアグリーン財団の助成をいただき、東京都と神奈川県の児童養護施設に入所する中・高生を招待し、8月2日~4日(2泊3日)神奈川県の海事関連施設を巡り、海・船の魅力や海事産業の重要性を体験から学ぶ「B&Gキャリア教育セミナー」を開催しました。
 児童養護施設に入所する子どもは、全国で約2万4千人(令和2年現在)いますが、通常 高校卒業と同時に施設を退所し、自立することが求められます。また、学校と児童養護施設が主な生活圏となってしまうため進路や職業に関する知識が乏しくなり、自分に合う仕事かどうか充分に検討する間もなく、「どこでもいいからとりあえず就職してしまう」ことも問題となっています。
 そこで、児童養護施設で生活する中・高生に、職業選択肢の一つとして海事産業に興味をもってもらうことを目的に、神奈川県内の多くの海事関係企業・団体の協力をいただき、本事業を開催しました。

スケジュール

8/2  1日目 8/3  2日目 8/4  3日目
東京駅、横浜駅に集合、バス移動 住友重機マリンエンジニアリング 日本海洋事業
横浜港 マリンスポーツ(三浦海の学校) 横浜八景島シーパラダイス
海上保安庁横浜防災基地 海技教育機構(出張講義) バス移動、東京駅、横浜駅で解散
宿泊:三浦海の学校

1日目

8月2日、東京都と神奈川県の児童養護施設4か所から参加した中1~高1の男女10名は、それぞれ東京駅、横浜駅から貸切バスに乗り横浜港で合流しました。

ガイドに案内される子供たち

(1)横浜港(本牧ふ頭・大黒ふ頭)海運業・港の役割
 ガイドから、コンテナ船、自動車専用船など船の違いや港の役割などの説明をうけた参加者は、たくさんの車やコンテナに圧倒された様子でした。

海上保安庁横浜防災基地

(2)海上保安庁横浜防災基地
 ほとんどの参加者が海保の業務を知らなかったが、「海の警察」と聞いて納得した様子でした。潜水プール等の訓訓練施設や停泊中の巡視艇を見学し、空気ボンベを担ぐなどの体験をしました。

2日目

住友重機マリンエンジニアリング

(3)住友重機マリンエンジニアリング  来月引き渡し予定のタンカーを見学。最新鋭の操舵システムや機関室、居住区域などを見せてもらいました。PCを使った船の設計体験と、実際の溶接を見学後に映像モニターを使った練習用シミュレーターで溶接体験をしました。

マリンスポーツ体験

(4)マリンスポーツ体験 (三浦海の学校)
 B&G財団と三浦海の学校の指導で、カヌー・SUP・スノーケリングを行い、海の楽しさを実感しました。

海技教育機構 出張講義

(5)海技教育機構 出張講義
 海事産業重要性、船員の仕事、船員養成学校や奨学金などを説明いただきました。

3日目

日本海洋事業

(6)日本海洋事業㈱   遠隔操作水中ロボット(ROV)を実際に海に沈め、モニターを見ながら操縦しました。 停泊中の大島海洋国際高校実習船「大島丸」に乗船し、船長から学校生活や乗船実習などの説明をうけました。

横浜八景島シーパラダイス

(7)横浜八景島シーパラダイス  アクアミュージアム(水族館)見学後、エサを作る給餌場やイルカがいるプールなど、バックヤードを見せてもらい、飼育員やイルカトレーナーの仕事について説明を受けました。

参加者からは「海の仕事に興味がなかったが、セミナーに参加して興味を持った」、「港や船を自分の眼で見ることによって、実際のスケールの大きさがわかった」などと話してくれました。
 このセミナーを通じて参加者が、海事産業はもとより様々な“仕事”に興味を持って、自身のキャリア形成に役立ててくれることを願っています。

集合写真

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