水辺を学ぶ カヌー講座

持田雅誠のカヌー講座 11年連続カヌー日本代表 アトランタンオリンピック日本代表

Lesson2 カヌーに乗る前にすることは?

Chapter4 天気や水面を確認しよう!

 カヌーは基本的に自然の中で行うスポーツです。
 天気や気温、風の具合などを確認したり、これからカヌーに乗る水面の状況をよく見て、安全にカヌーを楽しめるようにしましょう。

 水面は天気と風で常に変化します。「午前中は大丈夫だったから」とか、「昨日は暖かかったから」というのは通用しません。
 大事なことは、「今このとき大丈夫か?」「これからどんな天気になるのか?」です。まずは、インストラクターなど、その水面を良く知っている人に聞いてみましょう。

Chapter5 カヌーとパドルの点検をしよう!

 カヌーの装備品は、乗る人の安全を守るためについています。また、水の上でパドルが壊れてしまったら、ただ浮いていることしかできません。カヌーを水面に持っていく前に、道具を出したらまずは確認しましょう。

浮力体

浮力体は転覆したときに、水が入ってしまったカヌーを浮かせてくれるものです。これがないと、カヌーは水の底に沈んでしまいます。
装着されていない場合は、ビーチボールでもOKです。

※「浮力体」がバウとスターンにきちんと装着されているか点検しましょう。

浮力体

安全ロープ(グラブループ)

2人で持ち運びするときに持ったり、レスキューの時に使います。

※安全ロープ(グラブループ)がきちんと装着されているか点検しましょう。

安全ロープ

コックピット

コックピットは私たちが座る場所です。コックピットの周りが割れていると、手をけがするので注意してください。割れている場合、修理が必要です。

コックピット

カップリング

「B&Gカヌー」には、デッキとボトムのつなぎ目である「カップリング」があります。
右の写真では、色のついている面(デッキ)と白い面(ボトム)の間がつなぎ目です。
ここが割れていると、水がカヌーの中にどんどん入ってきてしまいます。

※カップリングが割れていないか点検しましょう。

カップリング

パドル

カヌーはパドルで漕(こ)ぐことで前に進みます。壊れているとうまく漕げません。

※シャフトが曲がっていないか、ブレードが割れていないか点検しましょう。

パドル

Chapter6 カヌーの運び方!

 カヌーは思ったより長くて重いものです。持ち方に気をつけて、水面と艇庫の間を安全に運びましょう。
 また、カヌーは地面で乗るものではありません。傷をつけないように置き場所にも気をつけましょう。

一人で運ぶ場合

1

コクピットの横に座り、両手でコーミングを持つ。

2

コーミングを片側の肩に担ぐようにして持ち上げる。

3

端が左右に揺れないように、真っ直ぐ歩く。

二人で運ぶ場合

1

カヌーの前後にひとりずつつき、安全ロープを握って運ぶか、先端と後端を脇に抱えるようにして運ぶ。

※置く場所は、カヌーが傷つかないように、砂や土の上か、マットや古タイヤなどやわらかいものの上に置きましょう。
また、じゃり・岩・コンクリートの上でカヌーに乗らないようにしましょう!

Chapter7 陸上でパドリングの練習をしよう!

 カヌーは「パドル」というものを両手で持ち、漕(こ)いで前に進みます。パドルは固定されていないので、使い方にはちょっとしたコツがいります。水面に漕ぎ出す前に、まずは練習してみましょう。

パドルの持ち方

1

両手を順手(手の甲を上)にし、親指と他の指で輪を作るようにシャフトを握る。
右手はしっかりと握り、左手はシャフトが自由に回転するよう軽く握る。

2

右手側のブレードは、カーブしている内側が後ろを向き、左手側のブレードは、上を向くようにする。

3

シャフトを頭の上に乗せた状態で、両ヒジの角度が90度になるような握り幅をとる。

シャフトの握り幅は、せまくなってもOKです。自分がリラックスして漕げる幅を探しましょう。
ただし、ネックから握る場所までの距離は、左右同じ長さで!

パドリング

1

「キャッチ」
1.右側のブレードを右側前方へ。
2.右ひじは伸びきらない。
3.左手は目線の高さ。手の甲が自分から見えるように。
4.左ひじは肩の高さ。

2

「ミドル」
1.右手を引きながら、左手をまっすぐ前に押し出す。
2.引き手(この場合は右手)だけでなく、押し手(この場合は左手)も意識して押す。

3

「フィニッシュ」
1.引き手を水面と平行に引く。
2.押し手をまっすぐに押す。ひじは伸ばしきらないこと。

4

「フェザリング」
1.右手の甲が自分の方へ向くように右手首を返し、左側のブレードを左側前方へ。
2.左右を繰り返す。

右手をしっかり、左手はスカスカにシャフトを握ろう。 ブレードの角度を変えるのは、右手の手首とひじの動きで行います。左手で変えようとしないように!

※「フェザリング」ができると、パドリングがぐ~んと楽になります。よく練習してしっかり身につけましょう。