水辺を学ぶ カヌー講座
持田雅誠のカヌー講座 11年連続カヌー日本代表 アトランタンオリンピック日本代表
Lesson1 カヌーってどんな乗り物なの?
はじめまして、B&G財団の持田雅誠(もちだまさなり)です。これから私が「カヌー講座」を10回にわたって進めていきます。
いきなり質問です!
水ってやわらかいと思う?硬いと思う?
もう一つ、水ってやさしいと思う?怖いと思う?
私ならこんなふうに答えます。
水はやわらかくて、硬くて・・・、やさしくて、怖いもの。
冗談言うなって?
別に冗談ではなくて、そうやって毎回違う表情や性格を見せてくれるもの。それが水なんだ。
池や湖、川や海にカヌーで乗り出してみよう。水は温かかったり、冷たかったり。やさしかったり、強かったり。いつも違った手触りがする。カヌーは小さく て頼りないけど、ふわふわと波を受けて気持ちがいい。空だって陸から見るより広く見える。
色々な表情や性格の水と遊ぶこの楽しさ。
みんなもこの感じをぜひ体験してほしいな!
Chapter1 カヌーってどんなもの?
カヌーは1人~4人乗りの小さな舟で、乗る人の正面へ進みます。パドル(ボートのオールに当たるもの)はカヌーに固定せず、両手で動かします。舟は小さく低いので、まるで水の上に座っているかのように感じるはずです。 日本では一般的にこのような舟を全てカヌーと呼んでいますが、国際的にはカヌーというものを大きく2種類に分けています。それがカヤックとカナディアン・カヌーです。 この2つの区別のほか、カヌーに乗る場所(海・川・湖・プールなど)や遊び方によって、たくさんの種類のカヤックやカナディアン・カヌーがあります。
カヤック(Kayak)
ダブルブレード(両端にブレード)のパドルを使い、足を前に伸ばして座って漕ぎます。
元は北極圏のエスキモー達が、アザラシの骨を組んで革を張って作った舟です。
カナディアン・カヌー(Canadian Canoe)
シングルブレードのパドルを使い、イスに座ったり、船底に膝をついて漕ぎます。
元は北米のインディアンが、木をくりぬいて作った丸木舟です。手漕ぎボートのような形をしていますが、前も後ろもとがっています。
Chapter2 どんな服を着たらいいの?
カヌーに乗るときは、水に濡れても良い服装に着替えましょう。真夏でも水に濡れたままだと体が冷えるし、急に雨が降ってくると、かなり寒い思いをします。体を冷やさないように保温に気をつけましょう。
また、岩などの障害物のある海岸や川でカヌーに乗るときは、ケガを防ぐために長袖・長ズボンを着て、ヘルメットをかぶるとより安全です。その他、日差しの強い季節は頭を守るために帽子をかぶるのも良い方法です。
最後に、自然の中で行うスポーツですから、足のけが防止のためにマリンシューズやスニーカーなど脱げにくく、底のしっかりした靴を履きましょう。
薄着(暑い時)
半袖ラッシュガードに短パン
長袖ラッシュガードに短パン
半袖ウェットシャツにウェットショートパンツ
厚着(寒い時)
長袖ウェットシャツにウェットロングパンツ
ドライジャケットにウェットロングパンツ
靴
マリンシューズなどつま先とかかとを覆っているもの
このような服がなくても、ウィンドブレーカーのような風を通さないウェアを着たり、寒い時には化学繊維のセーターを着るのもいいと思います。
※どんなに暑くても、綿のTシャツはやめましょう!濡れっぱなしで体が冷えてしまいます。
Chapter3 ライフジャケットは大切!
カヌーをするときにとても大切なのがライフジャケットです。
これを着ることで、もし沈(転覆)をして水に投げ出されても、首から上が水面に出るのでちゃんと息ができます。ですから、「泳げない=カヌーなどのウォータースポーツができない」ではないのです。
カヌーをする時は、必ずライフジャケットを着ましょうね!
良い例
体に合ったサイズのものを着て、ベルトをしっかり締めましょう。もしものときのために笛も確認しましょう。
悪い例
ベルトが外れている
全部留めていない
緩んでいる