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醤油樽のタガを腰で回す、タガフープ世界選手権大会!


~国内外の有志が、直径2m、重さ13kgの竹の輪でフラフープに挑戦~

 

5月22日(日)、小豆島町坂手港を発着点とする「第39回小豆島オリーブマラソン全国大会」の開会式会場で、小豆島の木桶造りの醤油を後世に伝え続けようと昨年から始まった「タガフープ世界選手権大会」の第2回大会が開催されました。タガとは、お醤油を作る大きな木桶を締める竹製の輪のことで、直径2m、重さ13kgもあります。

そのタガをフラフープにして、腰で回す数を競うこの大会。今年は、前日と当日の予選に90名が出場し、世界選手権というだけにタイや南アフリカからも1名ずつの参加がありました。

タガの重さは13kg。左が大会を発案した山本康夫さんです。 昨年の優勝者は、この大きな輪を225回も回しました。はたして今年は・・・

タガの重さは13kg。左が大会を発案した山本康夫さんです。
昨年の優勝者は、この大きな輪を225回も回しました。はたして今年は・・・

伝統の灯を消したくない!

小豆島では、いまでも昔ながらの木桶で醤油造りが行われています。

そのため、全国に2,000本ほどあると言われている醬油造りに使う木桶の、1,000本以上が島内で活躍しています。

現在、木桶を作ることができる業者は、大阪府堺市に「藤井製樽所」が一軒残っているだけで、職人が高齢のため、あと2~3年で廃業の予定です。そこで、小豆島町安田のヤマロク醤油5代目の山本康夫さんが友人の大工2人を誘い、「このままだと小豆島の木桶造りの醤油が途絶えてしまう」と「木桶職人 復活プロジェクト」を立ち上げ、3年前に大阪まで修行に行って木桶造りを学んできました。

木桶にタガを巻いて締めていく作業。伝統技術は後世に伝えていきたいものです

木桶にタガを巻いて締めていく作業。伝統技術は後世に伝えていきたいものです

完成した木桶。これから醤油樽として使われます(矢印がタガです)

完成した木桶。これから醤油樽として使われます(矢印がタガです)

目指すは、日本一馬鹿げた世界選手権大会!

木桶をつくる際、外板がばらけないように竹で編んだ輪で桶の周囲を縛りますが、これを「タガ」(箍)と言います。そんなタガをフラフープにして回せば面白いなと思った山本さん。遊び心で直径約2m、重さ13kgの大きなタガを使った「日本一馬鹿げた世界選手権大会」を思いつき、試しに2014年の小豆島町商工まつりの中でプレ大会を開催したところ、約50名が参加して盛り上がりました。

タガを編む山本さん(右)と大工の坂口町会議員。 山本さんは、この大きな輪をフラフープにすることを思いつきました

タガを編む山本さん(右)と大工の坂口町会議員。
山本さんは、この大きな輪をフラフープにすることを思いつきました

そこで、翌2015年には小豆島町坂手港の町民広場を発着点とする、「第38回小豆島オリーブマラソン全国大会」の開会式会場で「第1回タガフープ世界選手権大会」を開催する運びとなりました。

例年、このマラソン大会には5,000名以上のランナーが参加しており、海外の選手も多数出場しているので、同じ会場で行えば外国人の参加も見込まれて「世界選手権大会」になると考えたのでした。

小豆島町商工まつりのイベント会場で開催されたプレ大会の様子。 50名ほどの参加者を集めて盛り上がりました

小豆島町商工まつりのイベント会場で開催されたプレ大会の様子。
50名ほどの参加者を集めて盛り上がりました

90名がハイレベルな戦いを展開

「第1回タガフープ世界選手権大会」には、狙い通り外国選手の参加も得てプレ大会を大きく上回る80名が参加。前日と当日に行われた予選を経て12名が決勝戦に挑み、高松市在住の大山康平選手が225回の記録を出して優勝に輝きました。

続く今年の第2回大会では、前年を上回る90名が参加。予選を勝ち抜いた10名に、招待選手の埼玉予選チャンピオン、針塚さんと前回王者の大山さんを加えた計12名が決勝戦に進みました。

12名のなかにはB&G池田海洋クラブの佐倉指導員の姿もありましたが、500名以上の観客が見守る中、見事優勝に輝いたのは前回王者の大山さんで、2連覇達成となりました。

今回の大会は世界記録更新が2回も出て全体的にハイレベルな戦いとなりましたが、大山さんが叩きだした世界記録は・・・何と352回! 昨年の記録を100回以上も更新する素晴らしいワールドレコードの誕生に、会場は大いに盛り上がりました。来年は大山さんの3連覇がかかります。

 

参加者は、大会ロゴが入ったツナギ服を着て競技に挑みます

参加者は、大会ロゴが入ったツナギ服を着て競技に挑みます

2連覇を達成した大山康平選手。今年は、昨年の記録を100回以上も更新しました

2連覇を達成した大山康平選手。今年は、昨年の記録を100回以上も更新しました

名物イベントとして定着させたい!

直径2mもあって重さも13kgある大きなタガフープを回すコツは、最初は腰より少し高い位置で背中に当て、タガフープを手に持って水平に3~4回勢いをつけながら体と一緒に回します。いかに最初にうまく回すかがカギで、回り始めてからは腰を大きく回しながらタガフープに勢いをつけていきます。

今回、予選を通過して決勝にコマを進め、世界ランキング10位に入ったB&G池田海洋クラブの佐倉 亮指導員は、「タガは思ったよりしっかりしていて、重かった。チャンピオンは島外の方が続いたので、来年は体幹を鍛え、上位3位までには入りたい」と、次回に向けて気を吐きました。

また、大会の発案者&主催者で、タガの製作も手掛けたヤマロク醤油5代目の山本康夫さんは、「小豆島の名物イベントとして定着させ、木桶で作る醤油の大切さを全国に発信していきたい」と今後に向けた意欲を語りました。

世界選手権ゆえ外国の選手も参戦! 地元のメディアから注目されました

世界選手権ゆえ外国の選手も参戦! 地元のメディアから注目されました

大会終了後には世界ランキングも発表! B&G池田海洋クラブの佐倉 亮指導員は、堂々と世界10位にランクインしました

大会終了後には世界ランキングも発表! B&G池田海洋クラブの佐倉 亮指導員は、堂々と世界10位にランクインしました

1本のタガに秘められた竹の物語

タガが竹でできていることはお分かりいただけたと思いますが、これは実はとても貴重なものなのです。と言うのも、このサイズの桶のタガを作るは、長さ15m以上の竹が必要で、しかも節間が広い竹でなければ編むのが難しくなります。節間が広くて15m以上の真竹となると、そうそうありません。小豆島にも竹やぶはたくさんありますが、タガに使用できる竹はほぼないそうです。ちゃんと整備された竹林があって初めて手に入るものなのです。

レポート:B&G池田海洋クラブ 陶山 哲夫

小さなタガも準備され、子供たちも楽しんでいました。 こうして竹に馴染むことで、貴重な伝統工芸が継承されていくのではないでしょうか

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こうして竹に馴染むことで、貴重な伝統工芸が継承されていくのではないでしょうか


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