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震災後10年に向けて子どもたちと海の距離を近づける 亘理町B&G海洋センターの取り組み


亘理町B&G海洋センター(宮城県)

 

コロナ禍にありながら、8月度の来館者数を前年比145%と大幅に増加させた亘理町B&G海洋センター。さらに今年度は、毎月2~3回のペースで各種メディアからの取材を受けています。同センターの取り組みや目標、震災10年目への思いなど、艇庫の指定管理者である (株)海族DMCの太見洋介代表に伺いました。

 

中学生の「1日職場体験」受入れ準備の様子

中学生の「1日職場体験」受入れ準備の様子

 

――コロナ禍にあって来館者数を順調に伸ばされる秘訣はどこにあるのでしょうか。

 

太見:SNS運用とプレスリリースを積極的に進めています。とくにSNS運用についてはサラリーマン時代に培ってきたノウハウを活かし、FacebookやTwitter、Instagramを中心に活用しています。

 

 

――具体的にどのようなことを実践されているのでしょうか。

 

太見:例えば9月にはFacebookへの投稿をきっかけとした、バンコクからの団体客が訪れる予定でした。これはタイ語と英語でLGBTの受け入れを宣言した内容で投稿し、3,000近い「いいね」をいただいたのがきっかけとなっています。タイはアジアのなかでもLGBTに寛容な国であり、我々の取り組みを知ってもらうために発信しました。残念ながら、新型コロナウイルスの影響で見送りになってしまいましたが。

 

 

――TwitterやInstagramを活用するコツなどはありますか。

 

太見:基本は「いいね」やフォロワーを増やし、拡散してもらうことです。そのために、例えば主婦層の方々に見てもらいたいときは、夕食を作るまで手が空く15時ころを狙って投稿するといった工夫があります。また、一週間の天気予報は必ず確認し、風の具合や潮の満ち引きなども計算して、来館者の皆さんが最大限楽しんでもらえるタイミングでご案内できるように投稿していますね。

 

ニッポン観光連盟団体の視察受入れの様子

ニッポン観光連盟団体の視察受入れの様子

 

――投稿時間だけでなく天気予報なども意識されるとは、非常に戦略的な取り組みです。

 

太見:ほかにもInstagramを利用するときは、写真の選定に気を配っています。当センターではSUP利用者の80%が若い女性なのですが、これはInstagramの効果が大きいです。一度来館された方がお友だちを連れて再訪され、そのお友達が別のグループを誘って……という良い循環が出来上がっています。他にもLINEを活用して、「LINE経由で来館された方はカヌー体験無料」といった取り組みもしていますね。

 

 

――メディア露出を増やす取り組みについては。

 

太見:亘理町のグルメやアクティビティを一括で楽しめるプランを作成し、テレビ局へ企画書として送るといった取り組みがあります。また、宮城県内だけでなく、山形県や福島県の県庁に入っている記者クラブにもプレスリリースを送っています。実際にこの取り組みで、県外の学校からも体験学習に訪れていただくといった成果につながっています。


 

――修学旅行の受け入れも盛んのようですね。

 

太見:コロナの影響で修学旅行を県外から県内へ変更する学校も多く、積極的に受け入れています。9月に受け入れた秋保中学校の皆さんにはマリンスポーツだけでなく、数名の生徒さんにラジオ出演もお願いしました。

 

 

――子どもたちからしても、ラジオに出演するというのは得がたい経験となりますね。

 

太見:とくに今回出演していただいた女の子は「ラジオパーソナリティーになるのが夢」ということで、涙を流して喜ばれていました。放送部が盛んな高校に進学されるそうで、夢の実現のお手伝いができたかなと嬉しく思います。

 

 

――SNSやテレビ以外に、ラジオも活用されている。

 

太見:農業や漁業に従事される方は作業をしながらラジオを聴くので、ラジオの聴取習慣をもつ方が多いのです。そうした地域に根差した仕事をされている方からすると、「修学旅行で亘理町に来た。B&Gってどんなところだ」と大きな関心事となるわけです。

 

 

――来館者全体の割合からみても、子どもたちを積極的に受け入れているそうですね。

 

太見:コロナ禍に見舞われる子どもたちのストレス解消に役立ちたいという思いもあるのですが、復興支援の一環として「海への恐怖心を解消してほしい」という思いがあります。実は県内のある学校を受け入れた際、9割近くの生徒が「海を見たことがなかった」と言っていて。

 

 

――県内には津波への恐怖が根強く残っている。

 

太見:来年で震災から10年。沿岸部のにぎわいを取り戻すためには、子どもたちの海への恐怖感を和らげることが欠かせません。コロナ禍によって海へ来るチャンスが訪れたと前向きに捉え、しっかりと感染防止対策をしたうえで子どもたちを受け入れています。

 

 

――最後に、秋季・冬季に向けた取り組みについて。

 

太見:あえて冬季であってもマリンスポーツを提案しており、「極寒サップ」を予定しています。実は運動機会を作ることや精神鍛錬を目的として、冬季でもマリンスポーツの需要がありまして。すでに地域のスポーツクラブや大学の部活動などから合宿のご予約をいただいています。そのほかにも釣りのイベントを多数計画中です。センター近くの民宿やお食事処など地域の皆さんと連携して、積極的にイベントを展開し続けていきます。

 

 


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