「おかえり」「ただいま」充実した新たな居場所で普段できない体験満載
わくわく体験冬休みBG塾
由利本荘市由利B&G海洋センター(秋田県)
子育て支援などに取り組む秋田県の由利本荘市由利B&G海洋センターは、冬休み期間中の7日間限定で、子供たちの新たな居場所の提供を目的とした「わくわく体験冬休みBG塾」(日本財団助成事業)を開催しました。冬休み期間中の12月26日~28日と1月8日~11日の午前9時から午後4時まで、7日間行いました。由利学童クラブを対象に小学生102人、指導者27人、延べ129人が参加しました。
冬休みの宿題への取り組みをはじめ、プログラムは英語の授業、柔道体験、習字教室、バンブーダンス、卓球バレー、ミニバスケット、ユニホック(ユニバーサルホッケー)、室内グランドゴルフ、スクエアステップ、防災教室、雪像づくりを実施しました。このほか昨年7月にオープンした「鳥海山 木のおもちゃ美術館」や「遊泳館」の協力で工作体験、水泳教室を行いました。普段できない体験活動と学習を両立できる環境を子供たちに提供しました。
共働き世帯やひとり親家庭の増加傾向で子供が長期休暇中に一人で過ごすのが長くならないよう、こうした懸念を新たな居場所の提供で解消しようとするものです。
由利本荘市由利B&G海洋センターは、センター会議室の一室を学童が使用していることもあり、日頃から学童とのコミュニケーションを大事にしています。学童や支所と連携して子供がより安心していられるセンターづくりに取り組んでいます。
来館した子には受付から「おかえり」と声を掛け、子供たちも「ただいま」と返事をしてくれるほどです。いつもと様子が違う子には「どうしたの?」と声を掛け、話を聞いて元気づけることもあります。子供たちから「ねぇねぇ!」と話し掛けてくることもあり、日頃から声掛けなどの対応に努めています。
最終日のイベント、雪像づくりでは例年より少ない雪のため、実施が危ぶまれましたが、由利海洋センターのリーダーたちがボランティアに駆け付け、駐車場の周りの雪を1カ所に集めてくれたおかげで、無事開催することができました。
1月8日には由利本荘市ケーブルテレビの取材、9日には秋田魁新報の取材、B&G財団企画部の東條剛之次長などが来館しました。取材記者が「どうして子供たちみんなが指導者とこんなに仲がいいのですか?」と驚くほどで、日頃の関係に加え、7日間でさらに子供たちと指導者の距離は近づいたようです。
参加した宿題に取り組む子供は「すごく楽しい」と笑顔で話していました。防災教室・簡易避難訓練を実施した時には、「練習よりもっと上手になりたい」と話す子供も。BG塾最終日は、お迎えの時間に何人かは「帰りたくない! もっとBG塾にいたい」と惜しんでいました。
レポーターの阿部叶恵さんは、イベントを通した子供たちの様子を次のように述べ、充実した7日間だったと振り返りました。
規律を守りつつ、各々が自由にその子らしさを発揮しながら活動していた。1人ではなく、みんなで取り組むことによって子供たちの意欲や向上心があがったように感じた。普段は苦手と感じることも環境を変えることで「楽しいもの」に変わっていく。そして、そこから新しい世界が広がっていく。そんな様子が子供たちから感じられた。
後半になると、前半には見られなかった子供同士での「今の時間はこうしなきゃ」、「〇〇したほうがいいよ」など、お互いに注意したり教えあったりして声を掛け合って活動している場面が増え、子供たちの成長を感じた。指導者自身、子供たちの無邪気な発想や意見から気づかされる点も多く、たくさん学ばせていただいた。
B&Gレポーター 由利本荘市由利B&G海洋センター・阿部 叶恵