無料レンタルで、ライフジャケットの普及を進めたい!
~宮城県川崎町の総合型スポーツクラブ「運動笑楽校」の取り組み~
水辺の安全教室をはじめとするB&G財団のさまざまな活動プログラムを参考にしながら、カヌーなどの水辺の活動に力を入れている、宮城県川崎町の総合型スポーツクラブ「運動笑楽校」(うんどう しょうがっこう)。8月14日付けの、まちレポ【東北版】で紹介されたように、今年の夏休みの間にはクラブ会員向けにライフジャケットの無料レンタルも行いました。このアイデアを導入した経緯や成果について、投稿者の「運動笑楽校」さんにお聞きしました。

一見、普通の海水浴。でも、よく見てください。皆、ライフジャケットを着用して我が身の安全をしっかり守っています
町内の全小学校が水辺の安全教室を実施!
杜の都、仙台市の南隣に位置し、山や川の豊かな自然に恵まれた宮城県川崎町。町内の全小学校が体育の授業で水辺の安全教室を実施しており、たくさんの子供たちが水辺の安全知識を学び、水と親しむことの楽しさを体験しています。
また、川崎町B&G海洋センターに事務局を置いている総合型スポーツクラブ「運動笑楽校」でも、B&G財団のプログラムを取り入れながらマリンスポーツ活動を積極的に展開しており、冒頭で述べたように、今年の夏休みにはクラブ会員向けにライフジャケットの無料レンタルも実施しました。
■総合型スポーツクラブ「運動笑楽校」の会員に、無料でライフジャケットを貸し出すようになったきっかけを教えてください。
川崎町では、水辺の安全教室を小学校や「運動笑楽校」などで行いながら、子供たちにライフジャケットの重要性を教えていますが、彼らが海や川に遊びに行ったとき、ちゃんと自分たちのライフジャケットを用意しているかどうかは定かではありません。プライベートでライフジャケットを持っているケースは少ないと思います。
その一方、海洋センターには3サイズ×30着=90着ものライフジャケットが管理されおり、水辺の安全教室などの事業で使用するとき以外なら貸し出すことも可能です。そこで今春の各種団体の総会において、「海水浴などを各団体で行う際には、海洋センターのライフジャケットを無料で貸し出すので、有効に活用していただきたい」と提案しました。
ライフジャケットという「命を守る道具」の大切さを教えつつ、それが90着もあるのですから、普段から活用されていなければ意味がない、水の事故が起きては意味がないと思ったのです。

川崎町の総合型スポーツクラブ「運動笑楽校」のパンフレットの表紙。さまざまなスポーツ活動が行われていますが、カヌーなどのマリンスポーツにも力が入れられています
期待したい、子供から大人への波及効果
■まずは、ライフジャケットの団体利用を促したというわけですね。個人的な貸し出しについてはどのような検討がされたのでしょうか。
団体での活用を提案した際、町内の個人に貸出しする案も出たのですが、紛失や破損、未返却といった管理面がどうしても心配になりました。そこで、検討を重ねった結果、ライフジャケットの意味を理解した人への貸し出しについては認めようという教育委員会の判断によって、水辺の安全教室やカヌーなどを体験している「運動笑楽校」会員への貸出しを行うようになりました。
■各団体、ならびに「運動笑楽校」の会員を対象に開始されたライフジャケットの無料貸し出しですが、どのような人たちがどれぐらいの数を今年の夏に借りたのでしょうか。
スポーツ少年団(野球)が海遊びに行く際、25着を借りたほか、同少年団(剣道)も川遊びに行く際に10着を借りました。ちなみに、このときはカヌーも貸し出したうえ、元B&G指導者がカヌーの指導を行いました。
また、「運動笑楽校」の会員への貸し出しも3件あり、三世帯の家族が川遊びや海遊びにそれぞれ使ってくれました。

川崎町の子供たちは、水辺の安全教室などを通じてライフジャケットの大切さをよく理解しています
■今後の展望についてお聞かせください。
ライフジャケットの効果については、水辺の安全教室を体験した子供は理解していると思いますが、大人(保護者)には十分に伝わっていないと思います。そのため、子供から大人への波及効果を期待しており、このような取り組みを通じて少しずつでもライフジャケットの大切さが町内に広まっていったらいいなと考えています。
また、逆に「ライフジャケットが借りられるから『運動笑楽校』の会員になろう」という人も、どんどん増えてほしいと思います。

ライフジャケットを着用して全員集合! これからも、川崎町では水辺で我が身を守る知識を積極的に広めていきます