身の回りのもので命を守ろう!ペットボトルでカヌーを作って試乗
手作りペットボトルいかだ&カヌーチャレンジ
鏡野町B&G海洋センター
不慮の水難事故から身を守ることのできる優れもの、「ペットボトル」の活用法を学ぶ体験会「手作りペットボトルいかだ&カヌーチャレンジ」が、7月22日と30日の2日間、岡山県苫田郡にある鏡野町B&G海洋センターで行われました。
ペットボトルで「いかだ」や「カヌー」を制作し、自分たちで作った実物をプールに浮かべて試乗しながらその浮遊効果を確認するという、ワクワク感あふれる体験会には、鏡野町B&G水泳教室の生徒を中心に、幼児から中学生まで21人の子供たちが参加。ペットボトルの持つ威力に驚きと関心の声が沸き上がりました。
7月22日にペットボトルでいかだ・カヌーを制作し、翌週の30日に海洋センターのプールで乗船体験を実施。両日とも、午前9時から正午まで半日を費やす大掛かりな作業でしたが、会の運営にあたった海洋センター職員も参加者の子供たちも、時間を忘れて没頭しました。
子供たちの主な持ち場は、ペットボトルカヌー。21人を3班に分けて、それぞれ海洋センターの指導員の下、アイディアを出し合いながら、班ごとに一台のカヌーを制作する命題に挑みました。使ったペットボトルは、2リットルと500ミリリットルの2種類で、一台のカヌー制作には2リットルボトルで110本を、500ミリリットルでは260本を使用。合計500本近いボトルで3台のカヌーを作り上げました。
制作中は、思わぬ失敗やボトルを組み合わせていくのに難しい場面もありましが、どの子も額に汗しながら一生懸命に取り組んでいました。
子どもが4人も乗れる予想以上に大きくて頑丈な“秀作”に、参加者らは大満足の表情でした。30日の乗船体験では、各々自分たちの作ったカヌーに乗り込み、乗り心地や浮遊感を確認しました。さらに、制作したカヌーやいかだの性能を競うコンテストにも挑戦。3台のカヌーによる走行タイムやいかだに一人で立っていられる時間を計測するなど、猛暑の中で熱戦が繰り広げられました。
一つの目標に向かって仲間と共に取り組んだ2日間の行程を終え、参加した子供たちの笑顔はキラキラと輝いていました。「川や海でペットボトルを投げると助かると思った」(小学3年男子)、「ペットボトルが水に浮かぶことがわかった」(幼児女子)、「自分で作ったカヌーに乗れてよかった」(小学2年女子)、「海に行くときペットボトルを持っていこうと思った」(小学4年女子)、「漕ぐのが難しかった」(小学1年女子)、「ペットボトルで人が浮いたことに驚いた」(小学1年男子)など、書ききれないほどたくさんの感想が寄せられました。
レポーターの神谷さんは、「自分たちがペットボトルで作成したカヌーやいかだにちゃんと乗船体験できるか不安もありましたが、思っていた以上に頑丈にできていて安心しました」と総評。「初めてライフジャケットやパドルを使う子も多く、普段はできないような体験をしてもらえ、夏休みの思い出のひとつになっていれば嬉しいです。楽しかったとの感想に加え、ペットボトルの浮力についての感想なども聞くことができてよかったです」と事業の成功を喜んでいます。
「ペットボトルいかだ&カヌーチャレンジ」は、B&G財団が2018年度「海の日」事業の一環として推進しているものです。
ペットボトルでいかだやカヌーを作って体験乗船し、その浮遊力を実感することで、いざという時でも身の回りにあるもので命が守れることを知ってもらうのが目的です。全国の海洋センターなどに参加を呼び掛け、各地で体験会が実施されています。また、制作品の性能を「タイム」、「バランス」、「デザイン」の3部門で競うコンテストも実施しており、優秀な成績を収めた海洋センター・海洋クラブには、副賞を贈るなど財団を挙げて取り組みを進めています。
B&Gレポーター 鏡野町B&G海洋センター・神谷 園実