水難事故防止の祈願と水への感謝を込め、新春寒中水泳・カヌー初漕ぎ in みやま
2017年度の自治体派遣研修生(大分県国東市)の竹尾です。
2018年1月14日(日)午前11時から、福岡県みやま市瀬高B&G海洋センタープールで、今年の水難事故防止と水への感謝を込めて「新春初泳ぎ、初漕ぎ」が開かれました。市内の小学生から高齢者まで30人が参加しました。
主催はみやま市水泳部で、みやま市教育委員会、みやま市体育協会が後援、参加協力をみやま市B&G指導者会が行いました。また、来賓としてみやま市体育協会副会長塚本勤が出席しました。
「寒」中水泳ならぬ、「痛」中水泳
今回、みやま市瀬高B&G海洋センタープールに行き、寒中水泳とカヌー初漕ぎに参加してきました。
まず、寒中水泳(25m)に参加しましたが飛び込んだ瞬間、一瞬息ができず首がキュッとしまり、死ぬかと思いました。しかし1秒後には息ができるようになり、その後に襲う全身を針で刺されているような感覚。寒さを通り越して痛いです。
自ら望んだ寒中水泳でしたが、この泳いでいる瞬間だけは後悔しました。これは「寒」中水泳ではなく、「痛」中水泳です。参加者は毎年泳いでいても慣れないそうで、みんな泳いだあとはストーブに近づき、冷たい体を温めていました。毎年、痛さを感じながら参加する水泳部はすごいなと思いました。
そしてカヌーの初漕ぎ、瀬高B&G海洋センタープールで引き続き行われました。内容はプールにカヌーを浮かべ25mを3往復ほどするという内容でした。
私は去年センターインストラクター研修というマリンスポーツをメインとした研修を1カ月受けており、カヌーにはある程度の自信がありました。しかし、動画でもわかる通り艇ごとひっくり返り、2度目の寒中水泳。
予想外でパニックになりました。そして、首がキュッとしまるかと思いきや、しまらない。陸に上がってもそんなに寒くない。今回は先ほどの寒中水泳とは違う点がありました。
それは裸の上に「ライフジャケット」を着ていた事です。
ここで小学生に「安全教室」で教えてきたライフジャケットのメリットの一つである「保温力」を身をもって体験することができました。かつてないほどの、保温力を感じ、これをネタに地元に戻っても説得力のある「安全教室」を開けそうです。
しかし、終わったあとは参加者の方々が声をかけてくれたり、笑ってくれたり、豚汁を振舞っていただいたりと心も体も暖かくなり、久しぶりの地元九州を感じることができました。
参加者兼主催者からは「この会は水難事故防止の祈願と水への感謝を込めて開催しています。とても寒いが30年以上あるこの伝統をこれからも、海洋センターで行いたいと思います。」とこれからも続けていくという力強いコメントをいただきました。
今回の体験でB&G海洋センターはしっかり地域に根付いているなと感じました。
地元のボランティアで地域の方が豚汁を作ってくれたり、泳ぎやカヌーが好きな人が集まったりと、憩いの場所のような存在になっているような気がしました。つまり、スポーツをした後にご飯を食べてまったり会話したりと「スポーツの場所だけではないB&G海洋センター」を住民は求めているのではないかと思いました。
地域活性化をという世の中の風潮に合わせB&G財団は今、「コミュニティ機能付加改修支援」「地域コミュニティ再生モデル事業」を行ってきました。これは従来の海洋センターに新たな機能を追加し、スポーツをする場所だけではなく、ボランティア活動や自主サークルといった新たな使い方を推進する事業です。
熊本県湯前町はB&G海洋センターのロビーを使って「英会話教室」北海道積丹町ではキッズスペースを設け、乳幼児の利用環境を整備するなど、着実にB&G海洋センターは変化しています。
海洋センターは地域の声で「変化」していく
みやま市寒中水泳の時もスポーツ後に参加者の方々が残って話をしている姿をみて、地域住民もコミュニティ施設(みんなが集まる場)を求めているのだと思います。それはみやま市に限った事ではなく、全国の海洋センターも同じことと感じました。
私は今回のみやま市での体験を通して、認識を新たにしました。
今回の取材で全国の地域住民が求めているものが、少なからず見えた気がします。それはみんなが集まる「イベント」「コミュニティ施設」などです。町ごとに求めているものに多少の違いがあるにしても、海洋センターを使って解決できることが多いと思います。
私の職場である国東市の海洋センターも、変化しなければいけません。他の海洋センターの事例などの詳細を確認して、国東市でも実行できるのかを市民第一に考えて、国東市の環境にあったB&G海洋センターを作っていきたいと思います。そのために少しでも多く出向中に情報を吸収して、国東市に持ち帰りたいと思います。
2017年度 自治体派遣研修生 竹尾 洋介(大分県国東市)