障害者カヌーのサポートスタッフを養成!2020東京パラカヌー選手団の事前合宿誘致へ向け環境整備
パラマウントチャレンジカヌーサポートスタッフ養成講習会
加美町中新田B&G海洋センター(宮城県)
2020東京パラリンピックに向け、南米・チリのカヌー選手団の事前合宿誘致を進めている宮城県の加美町は9月17日、障害者カヌーのサポートスタッフを養成する「パラマウントチャレンジカヌー サポートスタッフ講習会」を、宮城県・加美町中新田B&G海洋センターで開きました。
加美町では、障害者カヌーのスポーツ振興に注力しており、今後、東京五輪を視野に選手団の事前合宿など具体的な事業を展開するためにはサポート環境の整備が欠かせないとして、この講習会を企画しました。障害者カヌーの指導や補助に必要なハウツーを網羅した内容と人気も上々で、町カヌー協会や海洋センター指導者会、中新田高校カヌー部員など22人が参加。猪俣洋文・加美町長も出席しました。
当日は日本障害者カヌー協会の吉田義朗会長らが講師を務め、午前10時から午後4時までほぼ1日を費やしました。午前中は海洋センターで、障害のある人がカヌーに挑戦するために必要なサポート体制について、ソフトとハードの両面で指導。午後からはカヌー場に場所を移して、実技講習を行いました。
成瀬川カヌーレーシング競技場で行った実技では、参加者を5組に分けそのうちの1人を障害者に見立てて、カヌーに乗り移る際の手助けを実習。障害者の足腰とカヌーの隙間にマットやビート板を詰めて、体を安定させる方法など実際の現場で役立ちそうな具体的な事例を学びました。
吉田会長は講習会で、「川に入れば障害者、健常者の差はなくなるのがカヌーの魅力。街で車いすに乗っているよりも水の上でカヌーに乗っている方が自由で楽しい。かわいそう、助けてあげようと考えるのではなく、一緒に楽しむ気持ちが何より大切」と、指導者に必要な心構えを力説しました。
一方、参加した中新田高校1年生の生徒は「カヌーの町として有名なのだから、障害のあるなしにかかわらず楽しめるようになればいい」と期待をこめています。
レポーターの今野さんも受講生の1人。「障害のある人がカヌーに挑戦するためにどんなことが必要なのか学ぶことができました。体を安定させるために、身近なものを使うことで、障害のあるなしは関係なくカヌーを楽しめることが分かりました」と成果を強調しています。
町では10月にも講習会を開く予定で、計40人程度のサポートスタッフを養成する計画です。
B&Gレポーター 加美町中新田B&G海洋センター・今野 泰平