スペシャル 夢をつなげ!B&Gアスリート
No.026:髙山 大智海洋クラブから世界の頂点へ!日本セーリング界期待のホープ!
2019.02.21 UP
2019.02.21 UP
プロフィール | 髙山 大智(たかやま だいち) |
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後編:群雄割拠の日本セーリング界。ライバルを押しのけ死に物狂いで世界のトップを目指す!
- 日本代表に選ばれてから意識は変わったりしましたか。 -
あまり変わらないです。僕の目指すところはオリンピックでメダル取ることなので日本代表云々はあまり関係ないかもしれないです。ただ、責任感はもちろんあります。みんなを押さえて自分が代表になっているので、その人たちの分までひたすら真剣に頑張らないとという思いはありますね。
- モチベーションの維持の仕方はありますか。 -
それをしてないときの自分を想像することですかね。例えばトレーニングがきついなと思ったときとか、じゃあ、これをしなかったら自分はどうなるんだろうっていう考え方すると、これじゃ駄目だって奮い立ちますね。していないときを想像するのがすごいいいのかなと思っています。あとは練習を好きになることですね。嫌いなことを好きになればもう嫌な事も全くないというか、永遠に続けられると思いますね。考え方を変えるだけで楽になりますよ。僕耐えることが美徳という考えが嫌いというか、きつい、辛いことをすればいいことが訪れるみたいな考え方ちょっと違うんじゃないかなって思うんです。もちろん辛いことはあると思うんですけど、それを楽しいことに変えていくほうが効率的かな。辛いから成績が出るというわけでもないと思います。
- これまでに挫折を味わった経験とかありますか。 -
あまり大きな挫折はありませんでしたね。強いて言えば世界チャンピオンになった年に国体とインターハイがあって、どちらも優勝できなくて、その時は挫折感を味わいました。周りからの期待に応えられなくて、その時はすごく落ち込みましたね。あとは江の島大会までのずっと成績が振るわなかった時期ですね。
- 一番印象に残っている試合は何でしょうか。 -
メルボルン大会での喜びを分かち合う選手たち
たくさんありますね!世界選手権での優勝や和歌山国体、あと初めて今村さんと組んだ時のワールドカップのメルボルン大会も印象的でした。その時は本当に勢いだけで勝ったような気がします。ヤマハに入って初めての国際大会のメダルだったので、だいぶ舞い上がりましたね。あと、この前の江の島大会は記者会見の時にカメラが20台くらい並んでて!すごい有名な選手になった気分でした(笑)
- ライバルはいますか。 -
ずばりいるんですよ、ライバルが。この前の江の島のワールドカップで金メダルを取った岡田 奎樹さん、別府海洋クラブの先輩ですね。岡田さんにずっと憧れていましたね。大学の全日本選手権では僕が勝ったんですけど、そのあとからは結構負けが続いて、結構競った戦いができています。あと磯崎哲也さんも今世界ランク3番くらいつけていますね。風が弱い中のボートスピードは抜群で、世界でもトップの選手ですね。
- 休日はどんなことをしていますか。 -
2017ヨーロピアン選手権大会でのオフショット この場所からモナコ公国全体を一望できるそう
友達と遊ぶときは、いろんな所に行って、そこでぺちゃくちゃずっとしゃべっているような感じです。一人でいるときはトレーニングしたり、勉強したり、本を読んだりしています。ヨットの勉強もしますし、僕スポーツ科学部で、スポーツのことについての課題が結構多くて(笑)それをこなしていますね。そこからヨットになにか生かせるかなとちょっと考えたりしています。あとはお酒飲むのが好きでビールばっかり飲んでいます。ビールが大好きで、飲み会の席では永遠とビールですね。
- ヨット以外に好きなスポーツとかありますか。 -
僕ミーハーというか、五郎丸選手が活躍したときはラグビーにはまりましたし、今では大坂なおみ選手が活躍しているのでテニスを見ています。自分がするっていうより観戦のほうが楽しいですね。サッカーのクリスティアーノ・ロナウド選手がすごくかっこいいなと思っていろいろ本を読みました。見た目だけじゃなく生き方もすごくかっこいいなと思ってリスペクトしていましたね。それでサッカーも一時期夢中で見ていました。
- 試合のゲン担ぎはしますか。 -
ゲン担ぎしないですね。全くしないです。神様スタイルも大嫌いなんで。
神に頼るってなんぞやって思っているので全く信じないですね。そこに惑わされたりしたら最悪だなと思って。
- 日本のセーリングの練習環境や待遇などで望むこと、改善して欲しいことはありますか。 -
改善すべきというか、ヨット競技の一番の課題だと思うんですけど、お金がすごくかかるんですよね。練習するにしても船がないとできないですし、ヨットを買うとなると300万円くらいかかるんです。あとセールって帆があるんですけど、帆も1セット30万円くらいするんです。(私が乗っている470級が)しかも消費するものなので、どんどん買っていかないといけないんですよ。そういった維持費も大変ですし、遠征に行くにしても、運送料だったりマリーナに置く艇置料などいろいろあって、とにかくお金がかかります。そういう意味で個人では気軽に始められないものですよね。もう一つは、出艇してしまうと試合が見られないことかな。
これも永遠の課題なんですけど、何か考えなきゃいけないなって思います。やっぱりマリーナまで応援しに来てくださっている皆さんが試合を見られないというのは残念な気持ちなると思うんです。だからその二つですかね。
- 今ヨットの練習に励んでいる子どもたちに対してアドバイスはありますか。 -
小さいときから成績を出す必要は全くないと思っています。OP時代に結果が振るわなかった子でも今はオリンピック出場を目指せる成績を残す選手になったりしていて。その人はずっとヨットが好きで、海が好きで、純粋にヨットを楽しんでいる人でしたね。だからまずはヨットに乗ることを楽しんで、みんなで遊んだりしながら、いろんな遠征各地を回って友達を増やしていってほしいです。とにかく海を好きになったりヨットを楽しむことが大切ですね。
好きじゃないと続けられないですね。あと保護者の方に一言。とにかく感情的にならないでほしいですね。やっぱりお金をかけてやっているので、大人の方のほうが力が入りすぎてしまっている気がしますね。選手よりも保護者が緊張しているんです。「なんでできないんだ!」って子供に感情をぶつけているところもしばしば目撃しますね。選手ファーストで見守ってほしいです。
- 現在の目標と将来の夢は。 -
現在の目標はオリンピックでメダル取ることですね。将来的なヨット人生の最大の目標は世界チャンピオンになることとオリンピックで金メダル取ることです。
- 今後の意気込みをお伺いしてよろしいですか。 -
今の日本の470級はレベルが高くて、誰がオリンピックに出てもいい成績を残すだろうなって思います。その中で互いにみんながライバル視しながらやっていっているので、本当に死ぬ気でどうやったら強くなるのかっていうことを考えて、全てのことをヨットの好調に繋げられるようにします。
- ありがとうございました。今後の髙山選手の益々の活躍を期待しております。 -
(文:中村 克也)
髙山大智選手ゆかりの
B&G別府海洋クラブ(大分県 別府市)
OPディンギを中心に海洋思想の普及と青少年健全育成に努めている。
親子で楽しむ海洋レクリエーションなどを行っている。また、OP級の各種大会に出場し数多くの成績あげている。他の海洋クラブと合同事業で国際交流事業を展開している。