スペシャル 夢をつなげ!B&Gアスリート

No.025:宮澤 拓夢(アジア大会2018銀メダル、水球日本代表メンバー)高校生にして水球日本代表ポセイドンジャパンのメンバー!
高校ではキャプテンも務める頼れる男!

2018.11.20 UP

宮澤 拓夢 高校生にして水球日本代表ポセイドンジャパンのメンバー!

プロフィール

宮澤 拓夢(みやざわ たくむ)

2000年11月6日生まれ。金沢市立工業高等学校3年の18歳で、水球部のキャプテン。石川県出身。水球日本代表ポセイドンジャパンのメンバーでもある。

9月に行われたアジア大会ではレギュラーとして出場し銀メダルを獲得。小学生の時、石川県白山市鶴来B&G海洋センターの水球クラブ(クレインウォータポロクラブ)に所属しており、全国大会準優勝の経験を持つ。

前編:外国人選手に比べて体格が劣っていても、いかに戦うかが魅力

- 小学校のころに白山市鶴来B&G海洋センターに通っておられたということですが、当時の思い出を聞かせてください。 -

 当時の練習が結構ハードだったので練習に行くときに、毎回ちょっとナーバスになりながら行っていました。僕が小学校4年生ごろまで監督だった方が、厳しい方だったので印象に残っています。でもそのおかげで小学校の6年生の夏の大会で、全国2位という好成績を収められました。

小学生の頃の宮澤選手と仲間たちの集合写真

小学生の頃の宮澤選手(2列目左から2番目)

- 水球を始めたのはいつからで、きっかけは何だったのでしょうか。 -

 小学校3年生の秋ごろだったと思います。もともと水泳をやっていて、でもどうしてもボールを使ったスポーツがやりたいと思っていました。ちょうどそこで水泳の要素とボールが組み合わさった水球がいいかなと。兄が水球をやっていたんで、兄の試合を見て、いい競技だなと思ったのが始まりでした。

- お兄さんの影響が強いということですね。水球の魅力はズバリ何でしょう? -

 水球はコンタクトスポーツなので、どうしても体格が大きい選手が有利になります。日本人選手は外国人選手に比べるとちょっと体格が劣っているところがあり、フィジカル負けしてしまうのですが、それをしないためにいかに戦うかっていうのが魅力だと思いますね。

- 今はどのような練習をしていますか。 -

 8月のアジア大会で、自分の脚力が弱いという課題が浮き彫りになったので、そこを強化してます。これまでも、足が弱くて相手選手につぶされてしまうことが結構あったので、今は、脚力を強くすることが最重要課題だと思っています。

- かなりハードな練習なのでしょうね。どのようにモチベーションを維持していますか。 -

 僕、結構食べるのが好きなんですけど、部活後にマネージャーさんが作ってくれる「部飯」(ぶめし)っていうのがあって、どんぶりのご飯とお肉とか、その種類もいろいろ。鶏肉、牛肉、豚肉とか、いろいろあるんです。それが結構おいしくて、この部活を乗り切ったらそれが食べられる!っていうのがモチベーションにつながっていますね!

- 日本代表の強化合宿に参加された率直な感想をお聞かせください。 -

 去年の10月から参加させてもらっているのですが、やっぱりまだ実力不足。でも今は日本代表に入ってそんなことも言っていられません。日本を背負ってる!という自覚をもって、精いっぱい頑張ろうと思っていますね。

- ご自身の中で代表に選ばれてから変わったこと、周りからの反響などはありましたか。 -

 変わったことは、海外への遠征や大会が増えて、自分の世界が広がったことかな。それから周りの反響は、友達が増えました。学校でもしゃべったことがない人が、日本代表に入ってから「宮澤、お前オリンピック出るのか」みたいな感じでしゃべりかけてもらうことが多くなって、それで友達増えました。

- 自分の世界が広がったというのは具体的には? -

 ギリシャに行ったときに、パルテノン神殿を観光しました。他国の文化に触れることで世界が広がりました。

- アジア大会振り返っての感想と、今後の課題についてお聞かせください。 -

 アジア大会を通じて僕の全得点が9得点だったんですけど、得点数がそもそも少ない。僕の試合での仕事は点を取ることなので、その仕事に見合った得点かというと少ない。得点力を上げるという課題を克服するためにも、脚力を鍛えることが必要だと思っています。

- アジア大会では銀メダル獲得!この結果についてはどうとらえていますか。 -

アジア大会時のチームメイトとの集合写真

アジア大会時の写真(2列目一番右端)

 周りの人からしたらすごいことかもしれないんですけど、自分としては金メダルしか見てなかったので、そう考えるとちょっと悔しい結果ですね。ただ、自分の実力がアジアでどこまで通用するのかっていうことは分かりました。

- 宮澤選手の長所は何でしょう。 -

 人から言われるのが、腕の扱いが上手なんだそうです。特に手首の扱いがうまいらしいですね(笑)。普通の人だったら打てないような体勢からシュートを打てるので、キーパーやディフェンスにも、「そこから打つの?」って顔をされますが、意表を突くという点では、長所かなと思います。

- 日本の水球の強さの秘訣は? -

 スピードが一番ですね。そのスピードを生かすために、今、ディフェンスのシステムや作戦を攻撃的なものにしている最中です。常に攻撃。攻めて攻めてっていうスタイルが日本の特徴かなと思います。一歩間違えば即失点で、相手のチャンスにつながりかねないのである意味リスキーな戦術なんですけど、それぐらいギャンブルしないと、日本に勝ち目はありません。

- 印象に残っている試合はありますか? -

 今年の6月のスーパーファイナルという世界大会で、アメリカとベスト4をかけて戦ったのですが、そのときにアメリカに勝って、その大会で日本が史上初のベスト4に入った。その試合が一番心に残っていますね。その時に少しはチームに貢献できたんじゃないかなと思っています。

- 水球選手を目指している子供たちにアドバイスをお願いします。 -

 まず、脚力を鍛えること。それから、基本に忠実になることが大事ですね。小学生のときは基本を大切にする時期なんですけど、僕はそのときに怠ったというか、さぼったというか(笑)まぁ簡単に言うとさぼったんですけど(笑)。それで今ちょっと苦労してるので、とにかく基本をしっかりやるということ。でないと、それ以降の成長はないと思います。

- 高校では水球部のキャプテン務めておられますが、目指すキャプテン像はありますか。 -

 チームを常にいい方向に導いていけるようなキャプテンが理想ですね。水球はチームスポーツなので、仲間同士の意見の衝突はあるんですけど、そういうときに、いかにいい方向に最善策を見いだすか。そういうことができるのがキャプテンの役目だと思って頑張っています。

- キャプテンとして苦労することはありますか -

 試合だとどうしても調子が悪い選手がいたりするんですけど、その選手にどう声を掛けたら調子が上がるかをいつも考えています。選手の性格とかも考えなきゃいけないので、そういうところが結構難しいですね。

プールでの練習の様子

練習風景。今は基本を大切に練習しています

※後編に続きます

(文:中村 克也

後編:目指すは東京オリンピック金メダル!将来の夢熱く語る

白山市鶴来B&G海洋センターの写真

本施設の周辺には総合文化会館「クレイン」、テニスコート4面、多目的広場、こども広場を隣接しています。クレインには文化ホール、図書館、児童館及び生涯学習施設の4つの機能があり、市民の皆様の「ふれあい」と「交流」の拠点となっています。市内外の人達にも気軽に利用していただいており、新たな生涯学習の場として親しまれております。