スペシャル 夢をつなげ!B&Gアスリート

No.012:中道 穂香選手(障害者水泳 2017ジャパンパラ水泳競技大会 女子400m自由形 優勝) 愛南町御荘B&G海洋センターで育つ障害者スイマー
目指すは東京パラリンピック!

2017.09.26 UP

プロフィール 中道 穂香(なかみち ほのか)
2000年10月生まれ、愛媛県愛南町出身。
先天性右下肢欠損で生まれつき右足がない中道さん。小学2年生から愛南町御荘B&G海洋センターで水泳を始める。
2015年、「B&G全国ジュニア水泳競技大会」に出場し、健常者と同じ舞台で白熱したレースを展開。同年にロシアで開催された障害者のスポーツ国際大会「IWAS大会」では、日本代表として出場し、100m背泳ぎで4位。翌年のいわて国体では、女子50m背泳ぎで優勝に輝き、今年9月に東京で開催された2017ジャパンパラ水泳競技大会では、400m自由形で優勝を果たした。
今は2020年東京パラリンピックを目指して日々練習に励んでいる。

後編:健常者と同じ舞台に挑み続けたい

2020年の東京パラリンピックを目指し、愛媛県愛南町御荘B&G海洋センターで水泳の練習に励む中道穂香さん。 生まれつき右足がない彼女は、中学3年生になり、第16回を迎えた2015年の「B&G全国ジュニア水泳競技大会」に出場しました。
当時、障害者が出場するレース枠が設置されていなかった同大会に参加しようと思った理由や今後の課題について、お話を伺いました。

- どのようなきっかけでB&G全国ジュニア水泳競技大会に出場したのですか -

 B&G全国水泳大会のことは、参加して楽しかった話を海洋センターの仲間から毎年聞いていたので、いつかは出たいと思っていました。でも、大会標準タイムを切ったうえ、町内で10人の枠に入るという参加条件が、私にとっては壁になっていました。そして、中学3年生になって、最初で最後の挑戦として予選に臨んだところ、僅差で10位に入ることができました。

 私は普段から健常者の大会に出ていますが、それは皆に負けないように頑張ることで、力がつくからです。どれだけ差をつけられてもいいから、同じ舞台に挑み続けたいと思っています。でも、B&G全国水泳大会のような、全国規模で行う健常者の大会には出たことがなかったので、会場に入ったときは応援の盛り上がり、声援の多さにワクワクしました。また、競技が始まると速い人がたくさんいるので、とても刺激を受けました。

  • 2015年にB&G全国ジュニア水泳競技大会に出場した中道さん

  • 大会ゲストの中村真衣さん(左)、谷川真理さんと記念撮影(2015年)

- 今後の課題と目標を教えてください -

 今年の9月2日から3日にかけて、東京辰巳国際水泳場で開催された2017ジャパンパラ水泳競技大会で、400m自由形に出場し、1年ぶりに自己ベストが出ました。タイムが3秒程一気に縮まって、自分はまだできる!という自信になり、ホッとしているところです。また、尊敬する先輩、パラトライアスロン日本代表の秦由加子さんにも勝ち、優勝することができたので、とても嬉しかったです。 ですが、自由形、背泳ぎともに課題の多く残ったレースでした。今の課題はスピードをもっと上げることです。 スピードを上げるためには、キックのテンポアップが不可欠なので、今後はキックを更に伸ばしていけるよう、しっかりと練習に取り組んでいきます。

 また、選考で選ばれれば、12月にドバイで開かれる2017 アジアユースパラ競技大会に出場できます。そこで金メダルを取ることが今の目標です。そして、2020年の東京パラリンピックに出場したいと思います。

  • 2017ジャパンパラ水泳競技大会で優勝を飾りました

  • 2020年の東京パラリンピックに向けて、練習に励む中道さん(愛南町御荘B&G海洋センター)

- 休日の過ごし方を教えてください -

 普段、泳ぎっぱなしの生活ですが、休みの日は家でアニメを見ています。バレーボールを題材にした「ハイキュー‼」や「ONE PIECE」、「進撃の巨人」が好きです。アニメの主題歌が好きなので、音楽も良く聴きます。あと、声優の柿原徹也さんのファンなので、その方が出演しているラジオも聞きます。

- 大会前に食べる「勝負メシ」はありますか -

 勝負メシは、私が最初に覚えた料理「親子丼」です。
 私が小学1年生の頃、母が料理本を買ってきて、その時に初めて料理をしました。その時に作った料理が、親子丼だったんです。当時、母が「これは私が作る親子丼より美味しい。負けたわ」と言ってくれました。私が、母に"勝った"料理が親子丼なので「勝負メシ」。大会前の1週間以内に食べるようにしています。

 練習で忙しい中、取材をご快諾いただき、ありがとうございました。 2020年の東京パラリンピックの出場に向けて、これからも頑張ってください!

(文:鈴木 慶

前編:「浮力で自由に体が動かせる」 母の勧めで始めた水泳

町の中心部に位置し、国道56号線から約500m、閑静な住宅街にあります。近くに、四国八十八箇所の40番札所、観自在寺があり、毎日お遍路さんの巡礼姿を見ることができます。また子供たちの未来への大きな夢を育む夢創造館(児童館)や児童公園があり、かつ隣には平城小学校があることから、常に子供たちの元気な姿と接することができる環境です。