活動記録 大学と連携した人材育成3年目 大正大学 フィールドワーク学習

活動記録 大学と連携した人材育成3年目 大正大学 フィールドワーク学習

南三陸研修センターと巣鴨キャンパス 実習7日間 23人参加

 B&G財団は、2015年度から大学と連携した人材育成事業に取り組んでいます。この事業は、大学の授業やフィールドワーク学習などを通じて、学生に水辺の安全教育の指導法を教えるものです。

 この一環として、大正大学(東京都豊島区)において、7月10日から同月31日のなかで、7日間の実習講座を行いました。これは、同大学のフィールドワーク学習の一つとして実施されているもので、今年で3年目となります。フィールドワーク学習には、同大学人間学部人間環境学科のこども文化・ビジネスコース所属の1年生23人(男性7人、女性16人)が参加しました。

  • 東京の生活では味わえない自然とふれあう南三陸での4日間

  • B&G財団・菅原理事長による「子供たちの未来を考える」講義


 大正大学と連携して実施しているこの人材育成事業は、①児童教育の現場を目指す学生たちの安全能力を高める、②集団行動法を通じて、これからの社会人としての動作や行動、あいさつなどの規律、規範を身に着ける、③海洋性レクリエーションを通じて、海や水辺への理解を深め、その楽しさとルールを子供たちに教える――ことを目的にしており、全ての講座を受講すると「B&G海洋性レクリエーション指導員」の「リーダー」資格が取得できます。

 7月10、17、24日は、大正大の巣鴨キャンパスで、開校式・オリエンテーション・講義「子供たちの未来を考える」・集団行動法・水泳概論・水辺の安全講義・BLS(一次救命処置Basic Life Support)講習・ロープワークなどの基礎的講座を行いました。その後、宮城県南三陸町にある研修施設「南三陸まなびの里 いりやど」を拠点に、7月28~31日の宿泊研修(3泊4日)を実施。集団行動法 ・点呼練習・安全管理学習をはじめ、ローボート・カヌー・SUP(スタンドアップパドルボード)・水泳などの実践研修を行いました。研修終了日には、フィールドワーク全体のまとめとして学生による発表会を行い、最後に修了証を手渡し、全7日間の講座を終えました。

  • カヌーツーリングをする学生(宮城県栗原市築館B&G海洋センター)

  • B&G財団職員によるBLS(一次救命処置)実技

教育現場を目指す学生へ"水の安全"に特化したリーダー育成

 この大正大学フィールドワーク学習は、2015年6月30日にB&G財団・菅原専務理事(現理事長)と大正大学人間学部・井出学部長により、フィールドワーク実習に関する協定を締結し実施しているもので、B&G財団の実習を通じて、児童教育の現場を目指す学生たちに、子供の安全・安心を担う人材になってほしいという大学側の願いから実現した連携事業です。

 フィールドワークのプログラムは、当財団の指導者研修の一つである「リーダー研修(主としてプール活動の実技に携わり、海洋性レクリエーションの普及に努める指導者)」をベースにしています。

 プログラムには、集団行動法や水辺の安全教室など、学生が過去に経験する機会がない内容を盛り込んでいることが大きな特徴。"水の安全"に特化した水辺の安全教室は、今夏のシーズンに向けて役に立つことが多く、「アルバイトしている学童保育で実際に子供たちに教えたい」と意気込む学生もいました。

 また、これから就職を控える学生にとって、あいさつや社会のルールなど集団生活の厳しさが伝わり、本人たちの人間性を増す非常に良い機会となっています。

  • 海洋性レクリーションの安全性を高めるロープワーク実技

  • 起床後の日朝点呼を練習

参加者の感想「実際に体験して水辺の魅力も怖さも知ることができた」

 学生にとってフィールドワークは、集団行動法や海洋性レクリーションなど、未経験の内容が中心となっているため、最初は戸惑っているようでしたが、最後には自分を見直す良い機会になっていることが感想文からうかがえました。

● マリンスポーツ体験では判断力、行動力が身についた。カヌーやSUPは乗るまでは本当に怖かったけれど、いざ始めてみると進めるようにもなり、楽しんでできた。できるようになった時の達成感がうれしかった。一歩踏み出すことや冷静になって落ち着いて行動することの大切さを学ぶことができた。(女性)
● 自分のことだけでなく、同じ部屋の友達のことを気にかけたりと周りを見て行動することの大切さを学んだ(女性)
● この研修を通して、今の環境が当たり前ではないこと、どれほど恵まれた環境にいるのかを考えることができました。(女性)
● 今回の研修を行う前は水辺の事故が起きるなら水辺に行くのを控えたり、水辺そのものから避ければいいのではないかと思っていた。しかし今回の研修を通してこの考え方が大きく変わり、実際に体験してみないと魅力もその半面にある怖さも知ることができないと思った。(男性)
● 集団行動をするにあたり、一人一人意識を高めて行動することが重要であると改めて気付いた。(女性)

学生たちがB&G資格を生かせる活動の場を

 このフィールドワーク学習を通じて、大きな成果も表れ始めました。それは、資格を取得した学生による「水辺の安全教室」が東京都豊島区の仰高小学校で、昨年からスタートしたことです。指導者資格を持つ者にとって、指導現場はそのスキル向上に欠かすことのできない機会です。大正大学こども文化・ビジネスコースでの学生は、今回で1~4年生まで全学年がB&G財団のリーダー資格を持つことになりました。今後は、学生たちに資格を生かした活動の場を提供できるよう、教員をはじめ大学の担当部署とも打ち合わせしていく予定です。

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