連載企画

 

注目の人:全国の海洋センター・クラブで活躍する方や、スポーツ選手など、B&G財団が注目する人にインタビューをしています。

No. 97

元気な話題を、どんどん発信していきたい!


2014.02.12 UP

B&G広報大賞で全部門入賞に輝いた、雲南市加茂B&G海洋センターの活動

積極的な広報活動を通じてB&Gプランの普及に努めた海洋センター・海洋クラブを、毎年表彰する「B&G広報大賞」。2013年度は全国から2,140件もの報道作品が寄せられ、「加茂B&Gレスリングクラブ」の活動を紹介した「テレビの部」を筆頭に「新聞の部」や「地域広報の部」など全部門で優秀賞に選ばれた、雲南市加茂B&G海洋センター(島根県)が大賞に輝きました。
常時、19社のメディアにプレスリリースを配信している同センター。学社協働で独自のキャリア教育を進める同市教育委員会の取り組みを含め、その積極的な活動の様子を拝見させていただきました。

プロフィール
● 雲南市加茂B&G海洋センター(島根県)

昭和62年(1987年)開設(体育館・上屋付きプール)。同市は平成16年に近隣6町村が合併して誕生。市内にはヤマタノオロチ伝説を生んだ斐伊川が流れ、遺跡や古墳も数多い。センターは、テニスコートや野球場、サッカー場などが整備されたスポーツの丘・ふれあいの丘に隣接。年間を通じてさまざまなスポーツが楽しめる環境が整っており、体育館で練習に励む「加茂B&Gレスリングクラブ」からは複数の全国チャンピオンが生まれている。

● 「雲南加茂B&G海洋センター新聞」制作スタッフ(現役・OB)

昭和62年の開設以来、同センターでは歴代の指導員が「B&G海洋センター新聞」を手作りで毎月発行し、広報活動を支えてきた。左から現制作担当の大谷麻美さん、制作担当OBで現センター所長の毛利智史さん、新聞の創刊に尽力した教育長の土江博昭さん、そして制作担当OBで現在、「加茂B&Gレスリングクラブ」の指導に励んでいる原 恵介さん。

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第2話たくさんのメディアに、活動の意気込みを伝えたい

メディアとのパイプづくり

海洋センターでレスリングの指導に励む原さん。地域のスポーツ活動は地元メディアが注目しやすいテーマなので、大会などを開くときは積極的に取材をお願いしていきます

 昭和62年(1987年)の開設以来、スタッフによる手作り新聞を毎月発行しながら、地域に施設の利用を呼びかけてきた雲南市加茂B&G海洋センター。その活動の様子は、各メディアに広く発信されていきました。

 「開設当初、マスコミとの折衝はほとんどありませんでしたが、運営が軌道に乗ってイベントが打てるようになると、地元の新聞やテレビが訪れるようになりました」

 そう振り返る、現センター所長の毛利さん。平成14年に原さんが赴任してからは、海洋センターを核に総合型地域スポーツクラブの「Yu-Gaku加茂スポーツクラブ」が発足して事業の幅が広がったため、訪れるメディアの数が少しずつ増えていきました。

 「地域スポーツクラブは地元の話題として取り上げやすいテーマです。メディアが取材に来たときは活動の説明をしながら顔見知りになることを心掛け、気心が知れるようになると、『何か話題になるようなものはありませんか?』と、先方から問い合わせてくるようになりました」

スタッフ各人が印を押して内容を確認しながら作成したプレスリリース。タイトルとサブタイトルを目立たせ、シンプルにまとめます

 こうした問い合わせは大事にしたいと、原さんは語ります。イベントが控えていないときでも、何か情報を教えてあげることが大切で、たとえその情報が相手の役に立たなかったとしても誠意だけは伝わります。

 「先方は取材ネタを探して問い合わせてくるわけですから、そこで誠意ある対応をしておけば、こちらが取材してもらいたいときにお願いしやすくなるものです。パイプをつなげておくことが、お互いのメリットにつながります」

目に留まるリリースを書きたい!

 各メディアとのパイプを大切にしながら海洋センターの仕事に励んだ原さん。その甲斐あって、新たに大谷さんが赴任したときにはイベント案内を一斉に送るメディアリストができていました。

 「赴任した当初は、毎月、リストを使ってセンターの活動予定一覧を一斉に送っていました。ただ、あまり効き目はなく、せっかく送ったのに忘れられてしまうことが少なくありませんでした」

 もっとリストを効果的に使いたいと悩んだ大谷さんでしたが、そんな矢先に先輩の原さんが「B&G広報特派員研修会」に参加。プレスリリースの書き方を習って帰ってきたため、さっそく試していきました。

 「それまでもプレスリリースを流すことはありましたが、単に実施要綱を知らせる程度で、内容的には活動予定一覧と同じようなものでした。ところが、研修会で習った通りに『タイトル』や『リード』『小見出し』などを使い分けて紙面をレイアウトしてみると、問い合わせが増えていきました」

 問い合わせに応じながら感じたことは、タイトルとサブタイトルを見て関心を寄せ、リードを読んで事業のあらましを知り、続く本文や添付される実施要綱を通じてさらに知りたい点が生まれて電話を掛けてくるパターンが多いことでした。

 「プレスリリースに細かい内容や長い文が詰まっていたら、読むのが面倒になってしまいます。こちらがメディアにお願いしたいのは、事業の詳しい内容を読んでもらうのではなく、興味を持ってもらって取材に来てくれることなのですから、なるべくシンプルな内容で目に留まりやすいレイアウトを心掛けるようにしていきました。詳細は、問い合わせていただければいいわけです」

 現在、19社ものメディアにプレスリリースを配信しているという雲南市加茂B&G海洋センター。今年度のB&G広報大賞4部門すべてにおいて優秀賞を獲得し、大賞にも輝いた原動力が、そこにありました。(※次回は大賞になったテレビ番組で紹介された、「加茂B&Gレスリングクラブ」の活動を取り上げます)

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「加茂B&Gレスリングクラブ」で練習に励む3人の小学生が昨年の全国大会で優勝。その活躍を知らせる号外を作って体育館の玄関に展示するほか、日頃の練習を取材し、B&G広報大賞にも選ばれたテレビ番組を常にパソコンを使って流しています

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B&G広報大賞の知らせも即座に号外で発信。こちらも体育館の玄関に展示して、利用者の皆さんにうれしい報告をしています