活動記録 第1回センター・インストラクター養成研修を実施

活動記録 第1回センター・インストラクター養成研修を実施  日本財団助成事業

30日間の合宿研修

 2017年6月6日(火)から7月5日(水)の30日間、沖縄県本部町B&G海洋センター (マリンピアザオキナワ)で、1回目となるセンター・インストラクター養成研修を実施しました。この研修は、従来実施していたヨットやカヌーなどの海洋性スポーツを指導するアドバンスト・インストラクターと、主に水泳の指導を行うアクア・インストラクターの両研修を統合したもので、障害者の海洋性スポーツや避難所開設運営、地域コミュニティの育成を追加するなど、多機能化するB&G海洋センターに対応した、新しい資格制度としてスタートしました。

 全国74自治体から参加した76人の研修生は、約1ヵ月間の長く苦しい研修を経て、全ての修了試験に合格しました。

休日も自主トレーニングに励み、指導者としての技能を身に着ける

 30日間の指導者養成は、毎朝6時30分の起床、日朝点呼に始まり、19時30分からの夜間課業、自主学習、日夕点呼、22時30分の就寝で終わるもので、全ての研修生が行動を共にする合宿型研修です。研修は、実技や実習、講義など多岐にわたっており、自由時間は1時間程度しかないハードな内容です。

 この指導者養成研修の大きな特徴の一つである海洋性スポーツ実技では、ロープワーク、ヨット、カヌー、マリンジェットでの水上救助法等を集中的に実施しました。ヨットでは、当初、風をつかめず帆走できなかったり、方向転換時にひっくり返ったりと悪戦苦闘する研修生が多くいましたが、最後には3点ブイを回航するレースができるまで、操船できるようになりました。

 また、実技系研修で多くの研修生が苦戦した科目が、水上でのレスキューには欠かすことのできない「立ち泳ぎ」でした。苦手科目は、休みの日にも自主トレーニングに励み、各個人の実技レベルなどの向上をはかり、研修生が相互協力しながら、B&G指導員としての知識や技術を身に着けました。

  • 地元で子供たちに教えるためヨットを必死に練習する研修生!

  • 水泳初心者に教える「ほう助法」を学びました!

  • 自然についての知識だけでなくその裏側にある「メッセージ」を知る環境学習!

  • オリンピック銀メダリスト中村真衣さんによる水泳理論!

  • 沖縄の小学生に海レク・水泳指導をしました。楽しそうな子供をみて私たちも嬉しかったです!

  • キャップと修了証を握りしめ、いざ地元へ!!

研修をサポートいただいた先輩B&G指導員からのメッセージ

登尾 誠治さん(奄美市笠利B&G海洋センター

 今回、水泳実技サポート並びに障害者の水泳指導の実践事例講義の担当で参加させて頂きました。水泳では木尾先生の実技講習をサポートしている中、最新の水泳指導法を知ることができ、自分自身にも良い勉強となりました。

 私は、3歳のときに交通事故で右足を膝から下を失ったのですが、母親の熱心な勧めもあり水泳を始め、健常者と同じ大会に出るなどしました。社会人となり、B&G指導員資格を取得し、奄美市笠利B&G海洋センターで水泳指導などにあたっています。障害者の水泳指導等については、自分自身が今までやってきたことについて、その事例を紹介し、講義を行いましたが、まだ話せていないことが多々あり、よく伝わらなかったのではないかと思っています。

 これから水泳専門で頑張っていく指導者の中で、障害者の受け入れ等を考えている、若しくは、障害者の対応法などを検討している海洋センターがありましたら、最大限のサポートをしていきたいと考えています。

 なお、障害者の受け入れなどで「出来ない・難しい」と考えている指導者の方や海洋センターの担当者の方は、利用を断る場合は一度お会いし話をしてから、断るかどうか判断してください。相手を見ずに断るのは傷つける可能性があります。

 最後になりますが、できるだけ多くのセンターで障害者の受け入れが発展していきますように、願っています。

村川 安亨さん(平戸市生月B&G海洋センター

 今回のインストラクター養成研修への指導員助手として、参加要請の連絡が来たとき、23年前の広島県の蒲刈で行われたセンター育成士養成研修での3ヶ月間の様々なことを思い出しました。苦しかったこと、楽しかったこと、また、達成感を感じたことなど今でも昨日の出来事のように鮮明に記憶しています。

 さて、今回は教えを受ける立場の研修生としてではなく、現場で培ってきた知識を伝える指導員の役ということで、3日間の限られた時間の中で私から何が伝えられるか考えました。要請された内容は、「ヨット実技(導入部分)」と「海洋クラブ運営について事例発表」でしたが、ヨット実技に関しては全国で活躍する多くの指導員の中にヨット指導に関してすばらしいスキルをお持ちの方が大勢いる中、私の拙い技術を伝えても仕方がないので、ヨット実技の導入に際し、いかに楽しく、解り易く指導できるかという点で「伝える」という事に注意を払いながら指導を行ってみました。

例えば、研修を終了した直後から現場で実践しなければいけないことを想定し、小学生に伝える際の例の出し方や、意図的に考えさせたりなどを実施しました。また、楽しさや達成感を味わってもらうための褒め方についても、言葉だけではなく指導の中で意識して行ってみました。財団が招聘しているすばらしい講師のみなさんの知識、技術には到底かないませんが、指導者としての気持ちの部分を少しでも学んでいただけていたらと感じた3日間でした。

 最後に、事例発表の中でも伝えたことですが、地域の指導者としての「やる気」をいかに維持していくかということについて、「諦める(現状を受け入れる)」、「勢いに流されてみる」、「ひとりで頑張らない」を例として挙げました。研修生の皆さんの中にはすでに現場で事業を実践されている方も多く、知識、経験も備わっている方もいらっしゃいましたが、長年モチベーションを高く維持することは難しい事だと最近理解し、実際行っていることを研修生の皆さんに伝えてみました。現場に帰って知識、技術を伝えることも重要ですが、指導員の「やる気」を引き出すのも重要なことのひとつだと考えます。みなさん地域の指導者としてこれからも益々活躍されることを願っています。

研修の様子は、養成研修フェイスブックでもご確認いただけます

B&G財団メールマガジン

B&G財団の最新情報をメールマガジンにてお送りいたします。ご希望の方は、登録ボタンよりご登録ください。