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タイマツの火で水田の害虫を海まで誘いだす伝統行事「虫送り」


~350年以上にわたって半夏生の日に行われている、小豆島・土庄町の風物詩~

 

子供からお年寄りまで、地域の人たちが総出でタイマツを持ちながら田んぼのあぜ道を練り歩く風景がとても印象的だった、まちレポ【四国版】7月4日の投稿記事「虫送り」。350年以上にわたって続けられているという小豆島・土庄町の伝統行事について、B&G池田海洋クラブの陶山哲夫さんに詳しく紹介していただきました。

 

タイマツの火で虫をおびき寄せながら、あぜ道を歩く地域の人たち。遠くを見ると炎が揺らめいてきれいです

タイマツの火で虫をおびき寄せながら、あぜ道を歩く地域の人たち。遠くを見ると炎が揺らめいてきれいです

 

きっかけは江戸時代に起きた大飢饉

「虫送り」は、「火手」(ほて)と言われるタイマツでの火で田んぼの害虫を集め、海まで誘い出して追い払う行事で、かつては多くの地方で行われていたそうです。

 

時代とともにその光景は減っていきましたが、香川県の土庄町肥土山地区(小豆島)では350年以上にわたって続けられており、今年も地元の子供たちを中心に保護者ら400人以上の参加を集めて賑やかに行われました。

 

また、翌日には映画「八日目の蝉」で紹介された隣の地区の小豆島町中山地区の千枚田でも約900人が参加して実施されており、小豆島ではいまもなお季節を感じる風物詩になっています。

 

地元の歴史に詳しい、肥土山農村歌舞伎保存会の佐々木育夫会長の話によれば、小豆島の「虫送り」は、イナゴの大発生によって作物が枯れ、全国で100万人近い人が餓死した1661年の大飢饉をきっかけに始まった記録があるそうです。

 

各家庭で作った手作りの火手を持って、集まり始めた参加者の皆さん。今年は400人の参加で賑わいました

各家庭で作った手作りの火手を持って、集まり始めた参加者の皆さん。今年は400人の参加で賑わいました

 

半夏生の日って知っていますか?

 

土庄町肥土山地区の「虫送り」は、夏至から数えて11日目(現在は天球上の黄経100度の点を太陽が通過する日)にあたる、夏生(はんげしょう)の日に行われています。例年は7月2日にあたるそうですが、うるう年の今年は1日早まって7月1日になりました。半夏生の日を迎える時期は梅雨の終わりで大雨が多いことから、天から毒気が降ると言われており、こうした時期だからこそ、害虫を駆逐してその年の豊作を祈願する「虫送り」が始まったのでしょう。
「虫送り」の当日には、まず小豆島八十八ケ所霊場第46番札所の「多聞寺」で太陽からレンズで火を採り、夕方6時頃から多聞寺本堂の燭台に灯し、虫除けと五穀豊穣を祈願した後、虫塚で稲の虫を供養します。

 

虫塚で稲の虫を供養する、小豆島八十八ケ所霊場46番 多聞寺の住職

稲の虫を供養する、小豆島八十八ケ所霊場46番 多聞寺の住職

 

その後、肥土山離宮八幡神社に移動し、各家庭で作った手作りの火手(ほて)に火を移し、稲が青々と育っている田んぼのあぜ道にかざしながら練り歩きます。火手は、竹の先端部を割り、松脂の多い肥松を細かく砕き針金を巻いて作った頑丈なもので、真ん中には布を挟んで上手く燃えるように工夫しています。

 

神社の入り口で、子供たちの火手に火をつけています。火手は、一度火をつけたら20~30分は燃え続けるように松脂や布を使って工夫しています

神社の入り口で、子供たちの火手に火をつけています。火手は、一度火をつけたら20~30分は燃え続けるように松脂や布を使って工夫しています

 

小豆島に息吹く2つの地区の伝統

 

この日18時30分、国の重要有形文化財の「肥土山の歌舞伎舞台」のある肥土山離宮八幡神社の野天棧敷に参加者が集合。肥土山農村歌舞伎保存会の佐々木育夫会長から「虫送り」の歴史や仕方を聞きました。

 

そして19時、火手に火をつけ、約1km先の伝法川にかかる蓬莱橋まで、親子連れなど約400人が30分ほどかけてゆっくり歩き、橋に到着すると次々に火手を川原に投げ込みました。

 

肥土山歌舞伎保存会の佐々木育夫会長から、伝統ある虫送りの歴史やこれまでご自身が関わってきたことなどを聞きました

肥土山歌舞伎保存会の佐々木育夫会長から、伝統ある虫送りの歴史やこれまでご自身が関わってきたことなどを聞きました

神社から約1km先の伝法川にかかる蓬莱橋まで、火手を持ってゆっくり歩いていきます

神社から約1km先の伝法川にかかる蓬莱橋まで、火手を持ってゆっくり歩いていきます

 

昔は、農村地帯が続く中山、肥土山、黒岩、上庄と、村ごとにリレー方式で虫送りを海まで繋いでいたそうですが、現在は肥土山地区と日本の棚田百選に選ばれている小豆島町中山地区の中山千枚田で独自に行っています。肥土山地区から約2km上流の中山地区の虫送りは、映画「八日目の蝉」の一シーンとして紹介され、2011年から再開されました。

 

また、小豆島で虫送りが行われる両地区には、こちらも江戸時代から300年以上続く「農村歌舞伎」が地元の皆さんによって上演されています。

 

目的地の「蓬莱橋」で火手を投げ入れて燃やします。昔は村々のリレーで海まで行きましたが、地区の独自開催になった現在はここで終点です。これで今年の風物詩の1つ、虫送りが無事終わりました

目的地の「蓬莱橋」で火手を投げ入れて燃やします。昔は村々のリレーで海まで行きましたが、地区の独自開催になった現在はここで終点です。これで今年の風物詩の1つ、虫送りが無事終わりました

 

 

 


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