事業内容を知る 「子ども第三の居場所」

第4弾 松本大学の学生が熱意と工夫でイベントをサポート!
山形村拠点編

2024.01.22 UP

日本財団助成事業

今回は、前回に引き続き子ども第三の居場所で大学生との活動をしている長野県山形村の活動を紹介する。

山形村「トロッコにこにこフレンズ」で
お正月飾りとジャグリングボールづくりイベント開催

山形村「トロッコにこにこフレンズ」でお正月飾りとジャグリングボールづくりイベント開催

また、12月26日(火)には、長野県山形村の子ども第三の居場所「トロッコにこにこフレンズ」で、お正月飾りづくりとジャグリングのイベントが行われた。

山形村の拠点は長野県内で13カ所目の「子ども第三の居場所」。2023年4月から山形村農業者トレーニングセンターの空き部屋にて運営を開始、現在は村内の小学校3~6年生27人が放課後と学校休業日に利用し、主に学習のほか、工作や掃除など、さまざまな活動を行っている。6月から松本大学教育学部の学生が支援員として拠点に来て、子どもたちの支援をしている。

この日は自由時間の後、午前10時ごろから、講師の先生の指導に従って、お正月飾りづくりがスタート。

  • お正月飾りづくり

  • お正月飾りづくり

たくさんの色とりどりの材料が並んだテーブルに、始まる前から子どもたちも興味津々。まず、わらの束を捻ったり巻き付けたりして、飾りの土台となる縄の輪を作る。ひとりではできないので、お友達やスタッフ、学生のアルバイトスタッフと協力して形にしていった。

  • お正月飾りづくり

  • お正月飾りづくり

飾りの土台ができたら、ドライフラワーや松ぼっくり、折り紙など、好きな素材を選んで飾り付けていく。グルーガンで土台に飾りを付けていくが、友達やスタッフと相談しながら進める子もいれば、ひとりで黙々と作業する子もいて、人それぞれの作り方で進めていった。器用な子ばかりではないが、みんな自分なりに納得できる形を目指して、楽しんで作っていた。

  • お正月飾りづくり

  • お正月飾りづくり

ひとつとして同じものはなく、それぞれの個性が全開の魅力的な作品が完成!「めっちゃかわいい」とほめ合う声も聞かれ、みんな大満足のようだった。

山形村「トロッコにこにこフレンズ」でお正月飾りづくり

学生主催のジャグリングボールづくりに夢中になる子どもたち

  • ジャグリングボールづくりに夢中になる子どもたち

  • ジャグリングボールづくりに夢中になる子どもたち

お昼ご飯や自由時間を挟んで、午後はジャグリングボールづくり。松本大学の学生7人と教育学部の教授がボランティアとして参加。まずはボールに重さを出すために砂を入れるところからスタート。学生に手伝ってもらいながら砂を入れ、テープを巻いて、ボールを完成させる。テープの色選びにも個性が出て、みんな世界に一つの自分だけのジャグリングボールを手にニッコリ。

ピエロに扮した学生が日頃の練習の成果を披露

ボールが完成したら、いよいよジャグリングに挑戦。ピエロに扮した学生が日頃の練習の成果を披露した。さて、子どもたちも大先輩たちのように上手にできるのか?

  • ジャグリングボールづくりに夢中になる子どもたち

  • ジャグリングボールづくりに夢中になる子どもたち

投げ方やキャッチの仕方を教わって、いよいよ子どもたちもジャグリングの練習。みんな一生懸命! すっかりジャグリングにハマってしまったようだ。

学生の声「子どもたちが自分から“やりたい”と思えるような環境に」

左から齊藤優花、松原明日美さん

左から齊藤優花、松原明日美さん

齊藤さんは教育学部の3年生。9月の終わりぐらいから支援員として拠点に通っている。松原さんも同じく教育学部の3年生で、齊藤さんの紹介で参加を決めたそう。

齊藤さん「今回は子どもたちが楽しめるようなイベントができたら楽しいだろうと考えて計画しました。大学の友人でジャグリングをやっている子に、“ジャグリングをやると集中力が上がる”と聞いたので、そういう効果もあったらいいな、と期待しつつ……。難しくてつまずいてしまう子もいるかと思ったのですが、意外に子どもたちは上達が早い! 楽しんでくれていたようなので、うれしいですね」

松原さん「12月15日にもジャグリングのショーをやったのですが、子どもたちがすごく興味を持ってくれて、ショーの後もジャグリングで遊んでくれたんです。今回は、その時の経験も生かして、より上手に教えられるように考えて準備しました。みんなで一緒に楽しめることができたら、子どもたちにもいい影響があるのではないでしょうか。子どもたちが自分から“やりたい”と思うことが素敵なので、自然とそういう気持ちが生まれるような環境を作れたらと思っています」

学生の声「その子にあった選択肢を示して選べるようにしてあげたい」

同じく松本大学の4年生、三嶋らなさんは、支援員としてとして毎週月曜日に拠点に通っている。

同じく松本大学の4年生、三嶋らなさんは、支援員としてとして毎週月曜日に拠点に通っている。

三嶋さん「子どもたちには、勉強だけでなく、さまざまな体験をしてもらっているのですが、遊びや体験にもいろいろなニーズがあるんですよね。みんなで一緒に遊ぶのが好きな子もいれば、工作などひとりで集中してやることが得意な子もいて、勉強になります。同じ遊びをみんながやりたいわけではないので、それぞれの意思表示も尊重しながら、その子にあった選択肢を示して選べるようにしてあげたいと思っています」

山形村拠点 古家マネージャー
「学生たちは“頼もしい助っ人”。子どもが本当の自分でいられる場所にしたい」

「トロッコにこにこフレンズ」のマネージャー古家茂人さんは、拠点に来てくれる学生について「頼もしい助っ人」と語る。

「トロッコにこにこフレンズ」のマネージャー古家茂人さんは、拠点に来てくれる学生について「頼もしい助っ人」と語る。

「子どもたちにとっては、私たち60代より、一緒の目線で遊んでくれる学生のお兄さんお姉さんのほうが親しみやすいし、しゃべりやすいんです。『今日、学生さん来るよね』と言って身だしなみに気をつけるようになった子もいますし、読めなかった字が読めるようになった子もいるんですよ。学生も『楽しい』と言ってくれているし、この先教員になった時に、この経験が役に立ったらと思います」

まとめ

前回に引き続き、子ども第三の居場所における学生ボランティアの活動を紹介した。
b&g大町も、トロッコにこにこフレンズも、どちらもスタッフと学生がそれぞれの持ち味を生かしながら協力しあっている様子が見受けられ、 子どもたちが楽しく学び、成長できるよう、さまざまな経験のできる環境を整え、子どもたちをサポートしていることが伝わってきた。 この取り組みが、今後大学生たちの熱意や工夫によって、より大きく発展していくことを期待する。

「子ども第三の居場所」のお問い合わせはB&G財団 子ども支援課(TEL:03-6402-5311 mail:kodomo@bgf.or.jp)までご連絡ください。

家庭環境や経済的理由などさまざまな事情により、家で過ごすことが困難な子どもたちが、放課後から夜間までの時間を過ごすことができる拠点として整備を進めている「子ども第三の居場所」。2023年12月末現在、全国196か所に設置され、全国への更なる開設を目指す。

B&G財団は、引き続き子ども第三の居場所の設置自治体を募集しています。ぜひ、お気軽にB&G財団 地方創生部 子ども支援課(TEL:03-6402-5311 mail:kodomo@bgf.or.jpまでお問合せください。ご応募をお待ちしております。

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