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2015 海の日アンケート:2,000人が選ぶ“海から連想する本や漫画"
第1位はヘミングウェイの名作「老人と海」

「スイミー」、「ONE PIECE」もベスト3に!

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 B&G財団では、海の恩恵に感謝する海の日を前に、「海から連想する本や漫画」と題した調査を行いました。
 地球の約7割を占め、無限の広さを想像させる神秘的な海は、童話や漫画、小説などさまざまな話の舞台となり、人々を魅了しています。
 それら、膨大で魅力的な海に関わる本の中から、とっておきの一冊を全国から寄せてもらい、2,347件の回答をまとめました。以下はその結果です。

●海から連想する本 総合第1位は、海の厳しさと偉大さを感じさせるヘミングウェイの名作「老人と海」。全体の2割以上に選ばれ、堂々の1位を獲得。
●総合第2位は、柔らかな水彩画が美しい絵本「スイミー」。子供の頃に読んで感動し、親になって子供に読み聞かせているという女性が多く、女性票の1割を獲得。
●総合第3位は、最多発行部数でギネス世界記録にも認定された海の冒険漫画「ONE PIECE」。
●多感な子供時代に親しんだ絵本は心に残る。ベスト10に多数ランクイン。

調査概要

タイトル  「海から連想する本や漫画」と「その理由」
募集期間  2015年5月13日 ~ 6月19日
募集対象  全国の男女
調査方法  ハガキおよびインターネットによる自由記入方式
応募総数  2,497件(ハガキ653件・インターネット1,844件)
有効回答数  2,347件(ハガキ513件・インターネット1,834件)
サンプル内訳   ~20代 30代 40代 50代 60代~ 合計
男性 140 192 270 270 261 1133
女性 224 393 313 170 114 1214
合計 364 585 583 440 375 2347

総合ベストテン

順位 本のタイトル(著者) 得票(%)
1  老人と海 (アーネスト・ヘミングウェイ) 491(20.9%)
2  スイミー (レオ・レオニ) 151(6.4%)
3  ONE PIECE (尾田 栄一郎) 139(5.9%)
4  うらしまたろう (作者不詳) 120(5.1%)
5  海猿(佐藤秀峰) 74(3.2%)
6  人魚姫(ハンス・クリスチャン・アンデルセン) 64(2.7%)
 白鯨 (ハーマン・メルヴィル) 47(2.0%)
8  潮騒 (三島由紀夫) 44(1.9%)
9  海底2万里 (ジュール・ヴェルヌ) 37(1.6%)
10  十五少年漂流記 (ジュール・ヴェルヌ) 35(1.5%)

 今回の調査は、結果が広く分散し、海を詠んだ歌が多く収録されている「万葉集」から海洋生物の図鑑、今話題の映画「海街diary」の原作漫画、昔よく読んだ絵本など、時代を越え多様なジャンルから、610種類に及ぶ幅広い回答がありました。

 そのように結果が分散する中、全体の2割以上を得票し、堂々総合1位を獲得したのは、ノーベル賞作家であるアーネスト・ヘミングウェイの名作「老人と海」です。年代別でも、「20代以下」以外の全ての年代で1位となり、特に主人公の年齢に近づく、「50代」・「60代以上」では、約3割に選ばれています。
 理由として、「学生時代に読み、鮮烈な印象が残っている」「海の猛々しさと大自然と向き合う人間の姿が印象的」という意見が多数あがりました。海が舞台のこの名作は、新潮文庫の累計発行部数ランキング(2014年7月31日付)でも「こころ」「人間失格」に次ぎ3位(489万5000部)となっており、ハードボイルドで写実的な文体で紡ぎだす海の厳しさや老人の孤独が、現代社会にも通じ、共感を得ているのかもしれません。

 2位は、小学校の国語の教科書でお馴染みの方も多い、パステル調の柔らかな挿絵が印象的な絵本、レオ・レオニ作「スイミー」。「小学生の時に読んで、何度も読み返し、今は息子に読み聞かせている」「子供の頃よく読んだ。みんなで協力して、大きな魚をやっつける発想に衝撃を受けた」という意見が非常に多く、子供の頃の感動が強く残っているようです。

 3位は、2015年6月に「最も多く発行された単一作家によるコミックシリーズ」としてギネス世界記録に認定された「ONE PIECE」。『海賊王に、俺はなる!』の台詞でも有名なこの漫画には、「海を舞台に感動と冒険を与えてくれる漫画。「人生のバイブル」「海といえば海賊、海賊といえばONE PIECE」という熱烈なファンの声が多くありました。

 以下、「うらしまたろう」(4位)、「人魚姫」(6位)など子供の頃に親しんだお伽話や童話、映画化もされた「海猿」(5位)がランクイン。その他、「白鯨」や「海底2万里」、「十五少年漂流記」など海外の古典作品が並ぶ中、日本人作家の小説としては、青春の躍動感が溢れる三島由紀夫の代表作「潮騒」が8位に入っています。

男女別ベスト5

◆男性(1,133件) ◆女性(1,214件)
順位 得票(%) 順位 得票(%)
1 老人と海 292(25.8%) 1 老人と海 199(16.4%)
2 ONE PIECE 61(5.4%) 2 スイミー 118(9.7%)
3 海猿 37(3.3%) 3 うらしまたろう 83(6.8%)
4 うらしまたろう 36(3.2%) 4 ONE PIECE 78(6.4%)
5 白鯨 35(3.1%) 5 人魚姫 60(4.9%)

 男女別の比較で差が出たのは「スイミー」で、女性は第2位(9.7%)ですが、男性は第6位(2.9%)でした。「スイミー」を選んだ女性の理由を見ると、教科書で出合い、親になり絵本で再会し、子供へと読みつないでいるようです。
 また、女性4位の「人魚姫」を男性で回答した人はたった4人。「老人と海」は、男女共に1位ですが、得に、男性は、全体の1/4以上が選んでいます。「老人の年齢に近づき感じ方が変わった」(50代・男)という意見もあり、主人公の性別が、読み手に与える影響は大きいようです。

年代別ベスト5

◆20代以下(364件) ◆30代(585件)
順位 得票(%) 順位 得票(%)
1 スイミー 43(11.8%) 1 老人と海 76(13.0%)
2 ONE PIECE 37(10.2%) 2 スイミー 66(11.3%)
3 老人と海 35(9.6%) 3 ONE PIECE 43(7.4%)
4 うらしまたろう 15(4.1%) 4 うらしまたろう 40(6.8%)
5 海猿 12(3.3%) 5 人魚姫 23(3.9%)
◆40代(583件) ◆50代(440件)
順位 得票(%) 順位 得票(%)
1 老人と海 129(22.1%) 1 老人と海 140(31.8%)
2 ONE PIECE 34(5.8%) 2 ONE PIECE 16(3.6%)
スイミー 34(5.8%) うらしまたろう 16(3.6%)
4 うらしまたろう 33(5.7%) 4 十五少年漂流記 13(3%)
5 海猿 27(4.6%) カモメのジョナサン 13(3%)
◆60代(375件)
順位 得票(%)
1 老人と海 111(29.5%)
2 白鯨 28(11.5%)
3 素潜り 19(7.8%)
4 ヨット 15(6.2%)
5 潜水艇 13(5.3%)

  全年代でベスト5にランクインした本は、「老人と海」「うらしまたろう」。誰もが子供時代に親しんだ「うらしまたろう」は、「むかし、むかし~」の童謡とともに、全世代の心に刻まれているようです。その他、「スイミー」や「人魚姫」も総合ランキングベスト10にランクインしていますが、多感な子供時代に親や先生に読み聞かせてもらった絵本は、大人になっても鮮明な印象を残すようです。

その他の回答と理由


子供の頃に読んだ本が今でも好き!

 ●「うらしまたろう」:子供の頃に初めて海を知りたいと思うきっかけになりました。(20代・男性)
 ●「宝島」:子供の頃に読んだのですが、山育ちで海に縁がなかったので、海と冒険に想像をかき立てられ、ワクワクして読んだ。(40代・女性)
 ●「赤い蝋燭と人魚」:執念的な暗めの作品ですが、子供の頃に読んだのを今でも覚えていて印象に残っています。(40代・女性)
 ●「十五少年漂流記」:子供の頃わくわくドキドキしながら読んだ記憶が未だに忘れられません。(60代・男性)
 ●「ぐりとぐらの海水浴」:保育園の先生が良く読んでくれた。海が好きになったきっかけです。(10代・女性)

本も映画も印象に残っています

 ●「海猿」:本だけでなく、ドラマも映画も観たので印象が強く残っています。(40代・女)
 ●「潮騒」:昔、映画を見て感動し、すぐに小説を読みました。小説を読みながら映画の神島の海の情景を重ね合わせていたので、ものすごく海の印象が強く残っています。(50代・男)
 ●「太陽がいっぱい」:映画版も好きだから。(30代・男)
 ●「瀬戸内海賊物語」:昨年映画化もされ、地元の瀬戸内海を舞台にした物語だから。(30代・男)
 ●「遠い海から着たCOO」:映画化もされた作品で、とても夢のある作品なので。(50代・男)

大海原の大冒険に憧れて

 ●「十五少年漂流記」:少年たちが海を漂流して島に流れ着くという話は冒険そのもので、まさに海の本。(50代・女)
 ●「海底2万里」:海の魅力や不思議さが感じられる冒険の話だから。(20代・女)
 ●「シンドバッドの冒険」:大海原へ繰り出して、冒険し友情や絆を深めていくから。(30代・男)
 ●「エルマーの冒険」:主人公のエルマーが海をこえて冒険へ向かうシーンが印象的なので。(30代・女)

海の厳しさ

 ●「太平洋ひとりぼっち」:太平洋単独横断の手記ですが、冒険小説とはまた違った面で書かれた、海の素晴らしさや荒れた海の恐ろしさなどに読み応えがあり、記憶に残っている。(50代・男性)
 ●「白鯨」:自然の厳しさと人間のエゴとの対立を描いた作品。母なる海を大切にしたい。(30代・女性)
 ●「太平洋漂流76日間」:大海原に投げ出されて孤独と恐怖と戦った76日は予想もできない恐ろしさと人間の強さを感じる(30代・女性)

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