2023.11.29 UP 特集第三弾!すべての子どもに笑顔を!

特集第三弾!すべての子どもに笑顔を!
グレーゾーンの子どもへの支援と自己肯定感の関わり

助成事業

子ども第三の居場所フォローアップ研修会開催

研修会の様子

研修会の様子

特集第三弾では、11月21日、22日の二日間、日本財団ビル(東京都港区)で行われた「子ども第三の居場所」フォローアップ研修会について紹介する。この研修会は、外部講師による講義や拠点の事例発表、他拠点との情報共有を通じて、各拠点が抱える課題解決や、支援の質の向上、他自治体の自治体担当者や拠点マネージャーとの連携関係を構築し、拠点活動の拡大に繋げていくこと目的に実施。今回は「全ての子どもに笑顔を!~グレーゾーンの子どもへの支援と自己肯定感の関わり」をテーマとし、B&G財団が支援する19拠点から、17名の自治体担当者ならびに19名の運営マネージャーが参加した。

冒頭、B&G財団常務理事 朝日田 智昭は「様々な拠点の方と情報交換をし、拠点同士の連携を深め、各拠点運営の質向上のため、日頃から相談し合える関係性を築いていただきたい」と挨拶。またB&G財団の子ども第三の居場所ロゴ発表を行った。その後、参加者は各拠点で子どもたちと作成したパネルを用いて、自己紹介、拠点での取り組み紹介を行った。

  • 自己紹介

    自己紹介

  • 朝日田 常務理事 挨拶

    朝日田 常務理事 挨拶

B&G財団の子ども第三の居場所ロゴ

B&G財団の子ども第三の居場所ロゴ

基調講演「グレーゾーンの子どもへの支援と自己肯定感の関わり」
おうち治療アドバイザー 浜田 悦子 氏

浜田 悦子 氏

浜田 悦子 氏

おうち治療アドバイザー 浜田 悦子 氏による「グレーゾーンの子どもへの支援と自己肯定感の関わり」と題した基調講演が行われた。浜田氏は自身の子どもが発達障害と診断されたことをきっかけに発達支援センター指導員の道へ。以降2,000人以上の親子に関わり、発達障害に関する支援策の提案や、指導員の育成などを行っている。

講演では、発達障害・グレーゾーンの基礎知識として、発達障害の定義、主な分類(ASD、ADHD、LD)・グレーゾーンについて説明。それぞれの傾向がある子どもに見られる特徴や行動、効果的な言葉がけの3つポイント等を解説した。またグレーゾーンとは発達障害の特性は見られるものの、診断には至らず、確定診断ができない状態のことで、グレーゾーンだから軽いというわけではないと指摘。そして、発達障害、グレーゾーンとされる子どもへの支援は、診断名で判断せず、よく観察し、まず共感をすることが重要だと述べた。発達障害を抱える子の親としての経験や、発達支援センター指導員のノウハウもとに、実際に起きた子どもの困りごと、その対処法や子どもの自己肯定感を育む言葉かけ等が紹介され、より現場目線で具体性のある講義となった。

レクリエーション実習
公益財団日本レクリエーション協会 津幡 佳代子 氏

津幡 佳代子 氏

津幡 佳代子 氏

レクリエーションは、子どもたちとのコミュニケーションや、居心地の良い環境を作ることに有効な手段の一つである。ここではレクリエーションの効果を最大限引き出すためのポイントを参加者が実際に様々なレクリエーションを体験しながら学んでいった。はじめはよそよそしく皆どこか緊張した面持ちであったが、「導入段階」「交流段階」「発展段階」とレクリエーションが進むにつれ、次第に打ち解け実習が終わる頃には今日初めて会ったことがウソのような和気あいあいとした雰囲気に様変わりし、研修1日目は幕を閉じた。

  • 自己紹介ゲーム

    自己紹介ゲーム

  • ジャンケンを用いたゲーム(1)

    ジャンケンを用いたゲーム(1)

  • ジャンケンを用いたゲーム(2)

    ジャンケンを用いたゲーム(2)

  • チクタクボンボン

    チクタクボンボン

研修2日目
事例発表:兵庫県明石拠点・栃木県芳賀町・千葉県横芝光拠点

研修2日目は兵庫県明石拠点・栃木県芳賀町・千葉県横芝光拠点の3拠点が取り組み事例を発表。明石拠点の「あかしフリースペース☆トロッコ」は、グレーゾーンの子どもたちへの環境設定というテーマで事例共有を行ったが、前提としてグレーゾーンや支援という意識を持って子どもたちと接しているわけでないとしたうえで、子どもたちそれぞれの育ちのペースを大切にし、寄り添い工夫を凝らしている。騒げる部屋と静かに過ごす部屋を用意したり、子どもたちが主体的に拠点のルール等を決めることができるこども会議の開催などを行っている。また、スタッフ間で日々の子どもたちへの接し方や、声のかけ方などを顧み、確認し合っている。

明石拠点による事例発表

明石拠点による事例発表

栃木県芳賀拠点の「ひより」では、子どもファーストを掲げ、行動への支援、合理的配慮、体験活動の3つをテーマに拠点運営を行なっている。何から何まで支援してスタッフが決めるのではなく、子どもの意思を尊重し、自分で判断し決定する余白を残すことで自己肯定感の向上につなげている。また、食事の提供を行う際にも感覚過敏の子どもに配慮し、においの強いものを避けるなど、それぞれの子どもに合った食事の提供を行っている。 また子どもが大切にされていると実感できる体験や、仲間と協力して取り組む体験活動を提供し、子どもの自己肯定感を育んでいる。

芳賀拠点による事例発表

芳賀拠点による事例発表

横芝光拠点による事例発表

横芝光拠点による事例発表

千葉県横芝光拠点「スマイルキッズ」は、特定非営利活動法人リンクが横芝光町から受託し施設を運営。また、同法人は2018年度から「中核地域生活支援センター事業」や「生活困窮者自立支援事業」も行っている。子どもたちの支援だけでなく、常に幅広い福祉的な相談に対応できる法人の強みを生かした取り組みが特徴である。
 発表では、一組のある家族についての事例を取り上げ、支援が必要であると判明する経緯から、どのように支援を開始したか、子どもの拠点での様子、そして現在に至るまでを順を追って説明。支援や提案を拒否する保護者や、子どもへの向き合い方については信頼関係を構築していくことが重要と説いた。

分科会
グループワーク

最後の分科会では、まず自治体担当者と、拠点マネージャーに分かれ、それぞれで3班を作り、自治体担当者は「行政と拠点の役割分担、自治体としてサポートできること」、マネージャーは「攻撃的な言動が目立つ子どもへの支援と他の子どもへのフォロー」をテーマにグループディスカッションを行った。また、2回目は、自治体担当者、拠点マネージャー関係なく同じグループになるよう班分けをし、「関係者との連携方法、拡充方法」をテーマにディスカッション。昨日のレクリエーション実習の効果もあり、すでに打ち解け合った参加者たちは、活発に意見交換を行っていた。

  • グループディスカッションの様子

    グループディスカッションの様子

  • グループで話し合った内容を発表

    グループで話し合った内容を発表

2日日間を通して、他自治体の担当者、マネージャー同士が交流し、事例の共有や意見交換がなされ、関係構築につながった。

B&G財団は、引き続き子ども第三の居場所の設置自治体を募集しています。ぜひ、お気軽にB&G財団 地方創生部 子ども支援課(TEL:03-6402-5311 mail:kodomo@bgf.or.jpまでお問合せください。ご応募をお待ちしております。

2024年度「子ども第三の居場所」実施自治体を募集!

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