スペシャル 夢をつなげ!B&Gアスリート

No.019:佐藤 綾乃選手(北海道厚岸町出身の金メダリスト!2018平昌オリンピック 女子チームパシュート)最年少で、2018年平昌冬季オリンピックの金メダリストに輝いた佐藤綾乃選手!
2018.04.17 UP

佐藤綾乃選手 北海道厚岸町出身の金メダリスト!2018平昌オリンピック 女子チームパシュート

プロフィール

佐藤 綾乃(さとう あやの)

1996年生まれ 北海道厚岸町出身、現在は高崎健康福祉大学人間発達学部子ども教育学科に在籍。
3歳からスピードスケートを始める。小学校時代に、ミニバスケットボールにも親しみ厚岸町B&G海洋センターをよく利用していた。高校時代にジュニア日本代表に選出され、2013年の世界ジュニアスピードスケート選手権大会女子チームパシュートで金メダルを獲得。
2018年、日本代表として平昌オリンピックに出場。スピードスケート女子3000mでは8位入賞。女子チームパシュートでは、高木菜那選手、高木美帆選手、菊池彩花選手とともに出場。オランダとの決勝戦では高木姉妹と出場し、オリンピックレコードとなる2分53秒89で金メダルを獲得した。女子マススタートにも出場したが、準決勝で他の選手の転倒に巻き込まれ棄権。
21歳2ケ月での金メダル獲得は、冬季オリンピックでの日本人女子選手の最年少記録。

前編:厚岸町での凱旋パレード&祝賀会で、突撃取材!!

- 地元での凱旋パレードということで、たくさんの方々にお集まりいただきましたが。 -

 厚岸町でこんなに大勢の人が集まったのを今まで見たことがなかったので、本当に驚いています。私のために来ていただいたのかと思うと、本当に感謝の気持ちしかないです。

 厚岸町自体は人口も少ないので、こんなに大勢の方に集まっていただけるとは思っていませんでしたから…。沿道で、小学生の頃の友達が「お帰り」と言ってくれたり、先生が子どもと一緒に声援をくれていたのを見て、かなりぐっときて涙が溢れました。

 驚きの気持ちと喜びの気持ちが交錯して、自然と涙が出てきました。

- 厚岸町の子どもたちに伝えたいことは? -

 どの競技でも、「最後まで頑張る、目標に向かって努力する」ということですね。その目標に対してみんなで頑張る気持ちは非常に大切です。

 私もナショナルチームに入ってから、長期の合宿生活を通して、チームで努力することの大切さなどたくさんの事を学びました。子どもたちには、スポーツを通じて、全員が一丸となって目標に向かってやりきるという気持ちを大切にして欲しいと思っています。

厚岸町内に掲げられた、「祝 金メダル獲得おめでとう スピードスケート女子厚岸町出身 佐藤綾乃選手」と書かれた、大きな立て看板

佐藤選手を称える大きな立て看板とアンドリーくんが記念撮影

パトカーに引率されるパレードと、沿道のたくさんの人々

パトカーに引率されるパレードと、沿道のたくさんの人々

- 女子チームパシュートでは、日本としてこの種目初の金メダル、また冬季五輪では日本人選手として史上最年少の金メダルと、史上初づくしの大記録を打ち立てました。ゴールした瞬間は何を思われましたか? -

 ゴールした瞬間は、体が一杯一杯で、全てを出し切ってやり切ったという気持ちがすべてでした。

 相手を見ていたわけでもなかったので、勝ったかどうかはすぐには分からず、顔をまっすぐに上げたら高木美保選手がガッツポーズをしたのが見えたので、「勝ったんだ、良かった」という気持ちが沸き上がってきました。

- チームパシュートでは、世界最速との呼び声が高かった強豪オランダ勢を破っての金。日本人選手の強さの秘訣はどこにあると思いますか? -

 日本チームにしかできないことがいくつかあったので勝つことが出来たと思います。

 パシュートの隊列の乱れのなさ、交代の仕方については、私たちにしか出来ない技術だったと思います。そういう日本チームにしかできないことが数点あったので、勝つことが出来たと思います。

- マススタートでの巻き添え転倒は、観戦していた日本人みんなが、怒り心頭に発したのではないかと思う。あのときの気持ちを教えてください。 -

北海道釧路北陽高校の生徒・教職員・同窓生の皆さんからの、佐藤選手を応援する寄せ書きがびっしりと書かれた、日本の国旗。

 転倒した瞬間は一瞬で、何も考えられませんでした。それに転倒の際に肘をうったので、その痛みの方が気持ちより勝っていました。その直後に「うわー最悪」という気持ちになりました。

 「メダルを取れたかも」という気持ちはあったので、ちょっと悔しい思いはありました。高木那奈選手の決勝が終わった後にヨハン(デビット)コーチと話をしましたがヨハンコーチからは、「転んでメダルは取れなかったが、あなたは既に1個の金メダルを持っている。自信を持って」と励まされました。

 ヨハンコーチは、選手一人一人に対して誠意をもって話しかけてくれる素晴らしいコーチです。

- 極寒の平昌で、食べ物が合わないなど支障や問題はありましたか。 -

 食事については、味の素(株)から日本代表選手団全体をサポートしていただいたので、日本にいるときよりもたくさん和食をいただくことができました。なので、食事で困ることは何もありませんでした。

- 金メダルは、誰かににかけてあげましたか? また、今はどのようにして保管していますか。 -

 ヨハンコーチです。メダルセレモニーの後に、4人のメダルをコーチにかけて記念写真を撮りました。その次に、糸川(敏彦)コーチにかけて写真を撮りました。
 メダルは、今はいろいろなセレモニーがあるので一緒に移動していますが、落ち着いたら実家で保管するつもりです。

- 最年少での金メダル獲得の実感はありますか -

 私自身、メダルが取れるとは思っていなかったので、今回、初めて金メダルを取ることができてかなりうれしい気持ちでいます。

- 初めてのオリンピックを、なぜ楽しむことができたのでしょうか -

 オリンピックは、スポーツの大会の中でも一番大きい大会ですので、その時しか味わえない雰囲気があります。緊張して何もできなくなるよりも、自分自身がまず一番楽しむことが大事だということを心掛けて臨みました。

 その心掛けがあってか、会場では、オリンピック独特の雰囲気を肌で感じ、興奮し、心から楽しめました。それでこの結果につながったのだと思います。

競技の合間の笑顔の写真

- 女子チームパシュートのメンバーについて教えてください -

菊池彩花選手について

 お母さんのような存在です。

高木菜那選手について

 栄養面をしっかりサポートしてもらいました。

高木美帆選手について

 2才上のお姉さんで、一番年が近いのですが、スケートに対する考え方などとてもしっかりとしていて、大人です。頼りがいのある先輩です。

ヨハンコーチについて

 2年前からチームのコーチとして指導していただいています。チーム全体だけでなく、メンバーの一人ひとりをちゃんとみてくださり、とても尊敬しています。

- 町民の皆さんへ一言お願いします。 -

 厚岸町でもパブリックビューイングも実施していただきました。スケートに関心を持っていただき、また私の滑りも見ていただき、感謝しています。テレビを通じて私の思いを伝えることができたかなと思っています。

 競技している姿をたくさんの町民の方々に見ていただけて、とてもうれしく思っています。一人ひとりに、「ありがとうございました」の感謝の言葉を伝えたいです。

※後編に続きます

(文:宮嵜 秀一

後編:佐藤綾乃選手の、素顔に迫ります!!

厚岸町B&G海洋センターの写真

海洋センター(体育館)は、国道44号線と道道厚岸標茶線の合流点付近に位置し宮園公園内にあります。同公園には、野球場をはじめテニスコート、ゲートボール場、パークゴルフ場、運動広場、遊具等があります。冬季は、屋外スケートリンク場でスケートが楽しめ1年を通して町民が集い、生涯スポーツ活動の拠点となっています。また、艇庫は厚岸大橋に隣接し、厚岸湖を利用水域として活動し、年に数回ネイパル厚岸と連携し別寒辺牛川で川下りを楽しめます。 平成17年2月に、体育館の外壁全面改修、身障者用トイレの改修などの修繕を実施。