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部署や職域を越えて、指導者仲間の輪を広げよう 平成21年度「指導者会褒賞」を受けた5団体のインタビュー


注目の人
周防大島町B&G海洋センター
指導者会
会長:中村満男さん


周防大島町B&G海洋センター指導者会
活動年数:20年、会の登録:平成20年10月27日、登録人数:43人、年間活動日数:30日、活動人数1,341人。
褒賞理由:20年にわたり青少年の健全育成に貢献。ボランティア指導員の研修を継続的に実施し、人材育成に尽力。山口県連絡協議会と合同で指導者研修会を開催するなど、指導者の資質向上にも努めている。
中村満男さん:昭和57年にセンター育成士(現:アドバンスト・インストラクター)資格取得(第9期)。職業:周防大島町職員/総務部勤務


 今年1月16日(土)、東京都港区の笹川記念会館で「B&G全国指導者会・設立総会」が開催され、全国で“自然体験活動”と“水の安全教育”を推進する新たな組織が誕生しました。同総会では、役員の選任や設立宣言の採択などが行われたほか、優れた活動を続けている5つの指導者会が全国から選ばれ、平成21年度「指導者会褒賞」が授与されました。
 「注目の人」では、受賞した指導者会の皆さんに、日々の活動や今後の展望などについてお聞きしましたので、5週にわたって紹介していきます。

第2話:改修される艇庫で、事業の拡大をめざします

親睦の場としてスタート

写真:艇庫前の水面に並んだカヌー教室の参加者
艇庫前の水面に並んだ、カヌー教室の参加者。毎年カヌー教室を実施し、昨年は36人が参加しました(指導者は14人)

指導者会の活動は20年に及ぶそうですが、発足の経緯をお聞かせください。

 私は、昭和57年にセンター育成士(現:アドバンストインストラクター)の資格を取り、翌58年にオープンした海洋センターに5年間ほど勤務しました。指導者会が発足したのは平成になってからですが、組織の必要性については私が海洋センターにいた頃から出ていました。

 なぜなら、数少ない職員だけで海洋センターを運営するには限度があったからです。特に、屋内プールの上屋に張るシートを設置したり撤去したりする際には、それ相応の人数が求められました。

 そのため、同じ教育委員会の社会体育事業ということで、町の体育指導員に2級育成士(現:リーダー)の資格を取ってもらい、さまざまな海洋センターの仕事を手伝ってもらうようになっていきました。

 こうした手伝いの人たちが親睦を深めるための集まりとして指導者会が生まれ、その後、ボランティア指導員も加わって、今日まで継続しています。

毎年、会の活動はどのような流れで進められていくのですか。

 年度前に総会を開いて年間の活動計画を立て、いつどんな事業に誰が参加できるのかを、事前に確認して手伝いの担当を割り振ります。町の職員をしている会員の場合は休日の当番でも勤務手当てが出ますが、ボランティアで参加する指導員もいるので、彼らには個々の都合を考慮してもらいながら、参加できる事業のみに手を上げてもらっています。仕事の内容としては、水泳やカヌーの各種教室を始め、一般利用の指導にもあたります。

写真:プールでOPヨットを体験している子どもたちと指導者
昨年5月には、地元の子どもたちがプールでOPヨットを体験。参加者20人対して、指導者5人を派遣しました

現在、指導者会は43人の会員で構成されていますが、そのなかで何人のボランティア指導員が登録していますか。

 現在、8名の一般ボランティア指導員が在籍しています。彼らは、海洋センターの教室を経験して活動に興味を持った人や、海洋クラブのOB、OGたちです。私たちは、ボランティアの参加が大切で、かつとても貴重な戦力になると考えているので、継続的に研修会を開いて、ボランティア指導員の育成に励んでいます。

会の絆を深めたい

20年にわたって活動を続けている原動力はどこにあると思いますか。

 体育指導員が中心の会なので、皆が社会体育事業の大切さを十分に理解していることが大きいと思います。また、先ほど言いましたように、親睦を深めるために会ができたのですが、この点も良かったのではないかと思います。仲間同士が交流を楽しむための会になっているので、とても集まりやすい雰囲気を持っています。全国指導者会・設立総会でも語られたように、指導者同士の「絆を深める」ことが大事です。

親睦を深めるために、どのような工夫をしていますか。


写真:呉市蒲刈B&G海洋センター前での指導者研修会参加者たちの集合写真
指導者研修会も毎年のように実施しています。昨年は3月21日〜22日の日程で、広島県の呉市蒲刈B&G海洋センターを訪れました

 常に交流を深める意識を持って集まるように心掛けているほか、山口県連絡協議会とも連携しながら、会員のための指導者研修会を実施するようにしています。昨年は、修学旅行の受け入れに熱心な呉市蒲刈B&G海洋センター(広島県)を研修に訪れ、意見交換をしながら交流を深めました。私たちの海洋センターでも修学旅行の受け入れに力を入れているので、とても勉強になりました。

 指導者研修会は、できるだけ毎年実施するようにしていますが、どこに行こうか場所探しが大変です。しかし、この催しは会員同士の親睦を深めるほか事業活動の勉強にもなるので継続していきたいと考えています。

 このほか、私たちの指導者会には77歳の会員もいて、レスキュー艇などに乗って元気に指導にあたっています。彼の張り切る姿を見ると、皆の気持ちも1つにまとまります。

待ち遠しい艇庫の改修

充実した活動を続けている様子が伺えますが、これからはどのような事業に力を入れていきたいと思いますか。

 平成16年に4町が合併して周防大島町が生まれました。指導者会の会員の大半は、もともと海洋センターがあった旧町の人たちで構成されているので、これからは他町だった地区にも積極的に声を掛けて新たな指導者を育成していきたいと思います。特に、長期的な視野に立って若手の人材を育てたいと思います。

 また、今年はB&G財団の修繕助成によって艇庫の改修が行われ、トイレとシャワーを備えた新たな棟ができることになっています。現在、町では交流事業の一環として体験型修学旅行の誘致を進めており、そのプログラムのなかにカヌーやヨットの体験も組み込んでいます。

 ですから、艇庫の改修によって、さらに積極的な修学旅行の誘致ができるようになるのではないかと大いに期待しているところでです。少なくとも、改修によって艇庫活動がしやすくなるので、従来の教室なども拡大していきたいと考えています。

今後の活躍に期待しています。インタビューありがとうございました。
次週は「高岡市福岡B&G海洋センター指導者会」の皆さんをご紹介します。