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部署や職域を越えて、指導者仲間の輪を広げよう 平成21年度「指導者会褒賞」を受けた5団体のインタビュー


注目の人
高岡市福岡B&G海洋センター指導者会
会長:武田政雄さん


高岡市福岡B&G海洋センター指導者会
活動年数:17年、会の登録:平成18年8月30日、登録人数:25人、年間活動日数:35日、活動人数1,140人。
褒賞理由:多岐にわたるスポーツ振興、および青少年の健全育成に貢献。学校授業(水泳)への指導者派遣など地域一体となった活動を継続し、艇庫を持たないもののカヌー、ヨットなど海洋性レクリエーションの普及に尽力。
武田政雄さん:海洋センターの開設に合わせて平成2年(1990年)に2級育成士(現:リーダー)となり、その後、インストラクター資格を取得。職業:会社員


 今年1月16日(土)、東京都港区の笹川記念会館で「B&G全国指導者会・設立総会」が開催され、全国で“自然体験活動”と“水の安全教育”を推進する新たな組織が誕生しました。同総会では、役員の選任や設立宣言の採択などが行われたほか、優れた活動を続けている5つの指導者会が全国から選ばれ、平成21年度「指導者会褒賞」が授与されました。
 「注目の人」では、受賞した指導者会の皆さんに、日々の活動や今後の展望などについてお聞きしましたので、5週にわたって紹介していきます。

第3話:いつも、子どもたちの笑顔に励まされます

欠かせないリーダー研修

どのようなきっかけで、会社員の武田さんが海洋センターの仕事を手伝うようになったのですか。

 もともと私は、高岡市と合併する前の旧福岡町でボランティアの体育指導員をしていました。特に得意なスポーツはありませんでしたが、子どもと接することが好きで、おもにレクリエーションの指導にあたっていました。

 そのなかで地元に海洋センターができることになり、平成2年(1990年)の開設に合わせて2級育成士(現:リーダー)の研修を受けて欲しいと町の担当者からお願いされました。

 そのとき、私を含めて4名が2級育成士となり、加えて町の職員2名がセンター育成士(現:アドバンスト・インストラクター)の資格を取りましたので、計6名の指導員が確保されました。

海洋センターができてから、武田さんはどのような活動に力を入れましたか。

 いまでもそうですが、基本的に私のようなボランティア指導員は平日の夜か週末の教室活動を、年に10〜12回ぐらい手伝います。

 海洋センターがオープンした当初は、特に水泳教室が忙しかったですね。一般向けの教室にも人が集まりましたが、小学生低学年向けの教室では、「学校で水泳の授業が始まるまでに水に慣れさせてほしい、なんとか泳げるようにしてほしい」などと保護者からお願いされることが多く、春先に組んだ教室の応募に列ができる状態でした。

 このように地域で水泳に関心が高いことが分かったので、小学校のプールに出向いて指導する機会も増えていきました。そうなると6名の指導員体制では人手不足になってしまいますから、リーダー研修を毎年行いながら1年に数名の単位でボランティア指導員の数を少しずつ増やしていきました。

3つの部会を持つ指導者会

写真:北陸ブロック大会の様子
毎年開催されている北陸ブロック大会にも、指導者会のメンバーが積極的に協力しています

毎年、指導者を増やしていき、いまや25名を数える指導者会になりましたが、皆さんは、どのような役割分担をされているのですか。

 会員の半数弱は市役所の職員で、残りは民間ボランティアで構成されています。職員の場合は、海洋センター勤務を経て他の部署に異動した後、自ら手を上げて協力してもらっている人たちが多く、民間ボランティアの場合は、私のようにスポーツが好きでリーダー研修を受けた人たちです。

 会の活動としては、毎年3月末に総会を開いて翌年度の計画を立て、それぞれに協力できそうな日程を選んでもらいながら活動予定を埋めていきます。現在、会のなかには体育館を担当するフロア部会、水泳教室を担当するプール部会、そして海洋性レクリエーションを担当するマリン部会の3つの組織が設けられており、プールが閉鎖される冬季にはプール部会の人が体育館を手伝うなど、それぞれが連携しながら活動しています。

艇庫を持たないものの、海洋性レクリエーションの普及に努めていることが、平成21年度 指導者会褒賞の受賞理由の1つに上げられました。艇庫を持たずに、どのような活動をしているのですか。

 海洋センターの脇にある倉庫にカヌー5艇を保管していて、近くのダム湖や海辺にクルマで運んで活動しています。富山湾の浜から1キロほど先にある小さな島を回って帰ってくるイベントなどは、いつも好評です。

 また、ヨットは同じ富山県の海沿いにある氷見市B&G海洋センターから借りて活動しています。ただ、海の活動では安全を考えて多めのスタッフが必要ですから、早い時期から計画することを心掛けています。

若い世代を集めたい

写真:プールでカヌー大会での集合写真
昨年は、海洋センター開設20周年記念事業として、「プールでカヌー」大会を開催。指導員10人が30人の参加者と一緒に楽しい時間を過ごしました。指導者会では、「水プロ」(水に賢い子どもを育む年間型活動プログラム)を授業に取り入れた小学校にも、指導員を派遣しています

写真:水泳記録会、受付の様子
20周年記念事業として「水泳記録会」も開催。地域からさまざまな参加者が海洋センターのプールに集まり、盛大な大会になりました

海洋センターができて以来、武田さんは休みなく活動してきましたが、その原動力はどこにあるのでしょうか。

 おもに私は小学生の水泳教室を担当しています。最初は幼い顔をしていた小学1年生の子が毎年教室に通いながら小学6年生に成長していく姿を見ると、指導員としての遣り甲斐を感じ、また、子どもたちの笑顔にとても励まされます。

 これは子どもに限ったことではなく、さまざまな人が喜ぶ姿を見るたびに、このようなボランティアを続けてきて良かったなと思います。

昨年は、海洋センター開設20周年記念としてカヌー大会や水泳記録会を開いたそうですが、これからの抱負をお聞かせください。

 地域の人たちが海洋センターに寄せる関心は常に高いのですが、私たち指導者の年齢が上がってきているので、将来に向けた指導者の確保にも力を入れていきたいと思っています。現在、指導者会の平均年齢は30代後半ですから、もっと20代の人たちに参加してほしいと思います。

 また、今回の「B&G全国指導者会・設立総会」で説明いただいた「水の事故ゼロ運動」に大いに共感しています。私たちも地域の学校とタイアップして着衣泳を教えたりしてきましたが、このキャンペーンを大きなきっかけとして、より幅の広い安全啓蒙活動をしていきたいと思います。

今後の活躍に期待しています。インタビューありがとうございました。
次週は「岡山市建部B&G海洋センター指導者会」の皆さんをご紹介します。