青少年の健全育成に関する事業

小さな苗木で大きな海を
平成25年度 海を守る植樹教育事業 B&G植樹リーダー研修会実施!

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今年度に植樹や育苗を行う海洋センター・クラブから24人が参加

日程を1日増やし、充実した研修を実現

平成25年5月8日(水)から10日(金)、社会福祉法人進和学園「しんわルネッサンス」(神奈川県平塚市)において、平成25年度海を守る植樹教育事業「B&G植樹リーダー研修会」を実施しました。

この研修会は、海洋センター・クラブで展開している「海を守る植樹教育事業」の指導者を養成することを目的に行っているもので、今年度で2回目の実施となります。更なる研修の充実を目指し日程を1日増やした今回は、全国の海洋センター・クラブから24人が参加。各講師の研修や育苗、植樹の実習、実際の森を歩き、木々の観察を行うフィールドワークなどを行いました。

 

横浜国立大学名誉教授で(公財)地球環境戦略研究機関 国際生態学センター長の宮脇 昭先生による基調講演

 研修会初日となる5月8日は、横浜国立大学名誉教授で(公財)地球環境戦略研究機関 国際生態学センター長の宮脇 昭先生から基調講演をいただきました。宮脇先生は「B&G財団や行政、企業、各団体の皆さんが植樹リーダーの中心となって、地域の皆さんとともに、いのちの尊さ、厳しさ、はかななさ、すばらしさを実感し、千年・万年といのちを守り、景観を守り、経済と共生する森を今すぐ作りましょう」と熱く語りました。

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B&G財団吉田常務理事によるあいさつ
「この事業の特徴は宮脇方式といわれる“その土地本来の樹木による森づくり”です。地元のドングリを拾い、蒔き、苗を育て、植樹をすることが、海を守り、人の生命を守ることにつながることを、多くの子どもたちに学んでもらいたいと願っています」

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(株)研進代表取締役社長 出繩貴史様のあいさつ
「この施設は7年前に宮脇方式による植樹を行い、52種4900本を植えました。今は大きな本物の森となっています。進和学園は知的障がい者支援を行っていますが、ドングリチームが育てている苗木は、累計出荷が10万本を超え、“いのちの森づくりが、福祉を変える”という大きな目標を持って活動しています」

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宮脇先生の基調講演 「日本は緑が多いですが、本来の森はわずか0.06%だけです。本物の森は、共存しながら共生し、長持ちするものです。森こそ命を守るもので、木を植えることは命を植えること、心を植え、明日を植えることにつながります」

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宮脇先生の基調講演には、研修会参加者以外にも、地元の方々や宮脇方式で植樹をされている企業、団体の関係者の皆さんも参加されていました。

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基調講演の後、(公財)地球環境戦略研究機関 国際生態学センター研究員の林先生から、潜在自然植生や森の持つ防災力について講義いただきました。

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本事業に助成をいただいている日本財団の枡方さんからは、北海道小樽市や静岡県掛川市で取り組んでいる植樹の事例紹介をいただきました。

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西洋タンポポと日本タンポポの見分け方について説明する林先生

大磯高麗山の自然林でフィールドワーク実習

研修会2日目は、早朝から湘南平へ向かい、大磯高麗山の自然林でフィールドワーク実習を行いました。講師の林先生は、植物はそれぞれの特徴を生かし、生きるための作戦を持っていることを実際の植物観察を通して説明。葉が青臭いにおいのする「クサギ」や、いい香りのする「ヤブニッケイ」、葉がざらついていてやすりの代わりになる「ムクノキ」など、子どもたちの視点にたち、興味を引き出すフィールド観察方法について紹介いただきました。
その後、NPO法人 地球の緑を育てる会の石村章子理事長による「緑環境再生に向けての市民の力」と題した講義、NPO法人国際ふるさとの森づくり協会の髙野義武理事長による植樹、社会福祉法人進和学園のとんぐり隊長である遠山雄志さんをはじめとするスタッフのみなさんによる、どんぐりの蒔きつけなどの実習を行いました。

 

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自然林が残る大磯高麗山には、平日にもかかわらず、多くのハイカーが訪れていました

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「タブノキ」や「ウバメガシ」など、日本を代表する常緑広葉樹を見ることができました

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植物は、より多くの子孫を残すため、様々な作戦を持ち、たくましく生きていることが分かりました

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NPO法人 地球の緑を育てる会の石村理事長による講義
ご自身が中国などで行ってきた砂漠の緑化事業や、現在、NPO法人で行っている育苗などの活動を説明。日本のみならず世界の人々と手を携え、連携の力で緑を広めることの大切を説きました。

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NPO法人国際ふるさとの森づくり協会の髙野理事長による植樹実習
土壌基盤整備や植樹祭の準備作業、実際の植樹方法など、現場での作業を中心に実習しました。

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稲わらによるマルチングの様子。マルチングは、地面の乾燥防止、雨による表土流出防止、雑草の抑制などに効果があり、大切な作業の一つです。

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とんぐり隊長の遠山さんをはじめとする社会福祉法人進和学園スタッフのみなさんによるどんぐりの蒔きつけと育苗実習

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進和学園のどんぐりハウスの見学。どんぐりハウスには「いのちを守る森の防潮堤」で使用する苗木など、たくさんの苗木が育てられていました。

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夕食後に行われた、昨年植樹を行った岩手県普代村の森田さんによる事例発表「とにかく、いろいろな場所で行われている植樹祭に行き、準備から手伝わせていただくことが大切です」

最終日 参加者全員に修了証とB&G植樹リーダー証を授与

最終日となる3日目は、参加者が事前に行った「地域のふるさとの木調査」の内容について、林先生から詳しく解説をいただくとともに、植物の持つ防腐効果や虫による落ち葉の分解など、子どもたちの興味づけとなる簡単な実験もご紹介いただきました。参加者からは、「今回の調査から、緑が多くても自然林が少ないことがわかりました」、「潜在自然植生として様々な木々があることや、その土地本来の木と思っていたものが、外来種であったことなどを知ることができました」などの声が聞かれました。
最後に、B&G財団の吉田常務理事から、修了証とB&G植樹リーダー証を授与し、研修会は終了しました。

今年度の海を守る植樹教育事業(育苗・植樹)は、全国22カ所で実施します。各地での取り組みは、育苗・植樹ブログ『小さな苗木で大きな海を』をご覧ください。

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各地の枝や葉の標本から、木々の特性や見分け方について解説いただきました

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ヒノキの葉を使った実験 ヒノキの葉の持つ防腐効果により、カビの発生が抑えられていることが分かります

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参加者を代表して岩手県奥州市前沢センターの及川さんに修了証を吉田常務理事から授与いたしました

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