その他の活動記録

B&Gロトルア海洋クラブは、今日も元気に活動しています
~初めて海外に設立された、ニュージーランドのB&G海洋クラブを訪問~

 別府市と姉妹都市であるニュージーランドのロトルア市。1999年からは、地元のロトルアヨットクラブがB&G別府海洋クラブと交流を重ねるようになり、「B&G OP級ヨット大会 西日本大会」にも出場。2009年には、海外初のB&G海洋クラブとして登録されました。

 アンドリーのロゴとともに、セーリングに励むクラブの子供たち。今年10月に現地を訪問した際、活動の様子をいろいろお聞きしましたので紹介します。

伝統を誇るロトルアヨットクラブ

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色々な団体で使用しているクラブハウス

 ロトルアヨットクラブが設立されたのは、第二次世界大戦前の1937年。ロトルア湖のポウラカウ湾に旧クラブハウスが建てられましたが、火事で全焼してしまったため、1953年にボランティア手によって別の場所に再築されて現在に至ります。

 また、1993年には「ロトルア・ウォータースポーツ・トラスト」が結成されたことから、現在は地元の水辺の安全を守るコーストガードやローイングクラブ等と施設を共有しています。

 長い歴史を持つ同クラブは、これまでに優秀なセーラーを多数輩出しており、1968年、1976年、2004年のオリンピックには、ニュージーランド代表選手を送り出しています。

夏の期間、週に2回活動

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    配備艇のトッパートッパーズ

 歴史あるロトルアヨットクラブを母体に誕生した、B&Gロトルア海洋クラブ。9月後半から4月までの期間に(春から秋)、木曜と日曜の週2回活動しています。所有舟艇は、B&G財団が配備したトッパートッパーズをはじめ、OP、レーザーといった国際クラスやニュージーランド特有のウェタ(トリマラン)、フェイズⅡ(ダブルハンド)、スターリング(OPとシーホッパーの中間)などがあります。

 毎年、クリスマスの時期には、大人チーム対子供チームがOP級ヨットで対決する、「アメリカズ・カップ」というユニークなイベントも開催。6月には、各レースの年間表彰式と総会を実施しています。

メンバーを集めるために

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クラブハウスにはたくさんのトロフィーが並びます

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艤装を指導するロビンさんと6歳のマット君

 B&Gロトルア海洋クラブの代表を務めるロビン・パーさんは、笑顔が明るい皆のおじいちゃん的存在で、森林開発の仕事をする傍ら毎週子供たちを指導し、レーザーやトッパートッパーズを自ら操船します。

 ロビンさんがヨットに関わるようになったのは2001年。ヨットに興味があった10歳の息子さんと体験会に来たのがきっかけで、その後、ヨット初級者コースの指導を手伝うようになりました。

 現在のクラブ員は、約25人。セーリング大国といわれるニュージーランドですが、最近はクラブ員募集に奔走しており、その苦労は日本とあまり変わらないようです。

 ロビンさんは、「最近はウインドサーフィンの体験会も開催していますが、年間を通して活動できるスポーツを選ぶ人が多く、今、ロトルアではマウンテンバイクが人気です」と、クラブ員募集の苦労を語っていました。

 また、ロトルア市には大学がないため、高校を卒業するとジュニアセーラーを含む多くの若者が街を出てしまうことも悩みの種のようです。

日本との交流で得たもの

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2010年に来日したニコラス・アンダーソン君(右)

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イーサン君(2010年来日)とリアム君(2011年来日)

 2010年と2011年には、「B&G OP級ヨット大会 西日本大会」に出場するために、クラブ員たちが来日しています。

 2010年大会に出場したニコラス・アンダーソン君は、日本のジュニアセーラーたちの技術の高さに刺激を受けるとともに、ホームステイなどを通じて知った"おもてなしの心"にも感激。普段は無口なニコラス君が、帰国後も興奮冷めやらぬ状態で日本での経験を話す姿や、それまで以上に熱心にヨットに取り組む姿勢を目の当たりにし、ニコラス君のお父さんはこの経験の大きさを実感したそうです。

 また、ロビンさんは「B&Gの一員になれたことは大変感謝していますし、OP級ヨット大会のために日本を訪れた子供たちにとっては、異文化での経験が大きな財産になっています。実際に、日本に行ったことのある子やその家族の多くが、今でも活発にクラブ活動に携わっていますから、日本での経験が大変貴重であることがわかります。今後も、可能な限りの交流を続けていきたいと思いますし、日本から子供たちを派遣してくださるのであれば、ぜひロトルアで受入れたいと考えています」と交流事業への想いを語ってくれました。

 東日本大震災の際には、「シェルターが必要であれば、ぜひ私たちの街に来てください。喜んで皆さんを受け入れます」と、心温まるメールがB&Gロトルア海洋クラブのみなさんから届きました。ニュージーランドではその半月前、クライストチャーチ地震が発生。大きな被害が出て日本からも救助隊が派遣されていたこともあり、他人事とは思えなかったようです。

 日本では秋が深まり、これから冬を迎えますが、南半球のニュージーランドでは夏のマリンスポーツシーズンを迎えます。B&Gロトルア海洋クラブでは、これから子供たちがセールに夏の風を受けながら元気いっぱいに活動していきます。


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夏のニュージーランドは日没が遅いので、17時でも十分練習ができます

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B&G財団が配備したヨットで練習に励むクラブ員

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