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平成16年度 こども海洋リサーチ“調査レポート”各入賞作品が決定!!

全国から34グループが応募!!

 B&G財団では、子ども達に年間を通して海や川などの水辺環境を調査することで、地域の環境問題を考えてもらおうと、こども海洋リサーチ“調査レポート”の調査グループを全国の小学生から高校生を対象に募集いたしました。

 募集に対し、B&G海洋センター・海洋クラブを通して34のグループが応募。各グループは、年間のテーマを定めて、それぞれの地域特性を活かし、水辺に生息する動植物や環境問題、水辺と人々の係わりなどの調査を行い、レポートにまとめました。
 レポートの審査は、2月4日と2月14日の2回に分けて行われ、宇多委員長(財団法人土木研究センター:審議役)をはじめとする5名の審査委員が厳正に作品を審査し、各入賞作品が選定されました。

熱心にレポートを審査する委員のみなさん
最優秀賞はリバー・リバース(秋田県由利町)が受賞

 最優秀賞は、小学4年生から6年生の25名でチームを組んだリバー・リバース(秋田県由利町B&G海洋センター)の「私たちの川はきれいですか」が見事受賞!!「こども達が一生懸命も絵を描き、模造紙から楽しさが伝わってくる」と審査員は一様にレポートを高く評価していました。なお、最優秀賞のグループからは5名を小笠原へのB&G「体験クルーズ」にご招待。船内で表彰式を行う予定です。
班ごとに絵やグラフで分かりやすくまとめたリバー・リバース(由利町)

■優秀賞受賞センター

センター名 グループ名 レポートタイトル レポート 学年
(最優秀賞)
秋田県由利町B&G海洋センター
リバー・リバース 私たちの川はきれいですか?
(43.82kb)
小学4・5・6年生
(優秀賞)
静岡県相良町B&G海洋センター
手長エビ調査隊 萩間川に住む(手長えび)とその環境)
(439.93kb)
小学5・6年生と中学生
滋賀県浅井町B&G海洋センター 浅井南小学校 
姉川水辺調査隊
「未来に残そうななおの宝物『姉川』」
(51.23kb)
小学4年生
兵庫県丹波市山南B&G海洋センター 岩屋谷川調査隊 「岩屋谷川をもっと楽しい川にしよう」
(339.4kb)
小学4年生
広島県府中市B&G海洋センター 阿字川のホタルを守る調査隊 「みんなの阿字川を守ろう」
(39.57kb)
小学3〜6年生
福岡県B&G津屋崎海洋クラブ カブトガニ調査隊 「津屋崎の干潟に棲むカブトガニの調査」
(744.41kb)
小学6年生
※レポートには、その他添付資料あり
全応募作品の紹介と各作品の審査員評はこちらをクリックして下さい。


■審査委員のプロフィール

宇多 高明 財団法人土木研究センター 審議役
田久保 雅己

株式会社舵社常務取締役 KAZI編集局長  B&G財団評議員

長岡 稔 株式会社プラスエム 代表取締役
堀口 瑞穂 SUSPORT代表取締役 NPO法人SAP代表
大島 康雄 B&G財団常務理事

■ 総評

宇多委員長 
多くの地域でたくさんの子供達が参加し、川や海での調査を行いました。一般に、科学的研究心の欠如が危惧されているわが国にあって、ここでの試みは、大切なものは何か?という点で多くの成果が得られたと思います。個々の成果もさることながら、最も重要なのは発達段階にある子供達が実際の体験を通じて、自然を見つめ、考えるという機会に恵まれたことです。この結果、参加した子供達の心の中に、川や海や森を大切にしようという気持ちが湧いてきたと思われます。これこそが次世代の発展に繋がる大きな糧になると思われます。また観察会を行うに際しての、多くの人々の間での相互扶助は、健全な社会の発展にとっての礎になると思います。

田久保委員 
  コンピューターの普及により、私たちは実体験の伴わない、バーチャル(仮想現実)な体験を容易に、さまざまな場面で体験するようになりました。また、最近はコミュニケーションツールとしてメールが普及したために、人と人が目と目を見て、血の通った会話をする場面が少なくなりました。
 子供たちは幼い頃からテレビゲームでデジタル世界に慣れ親しみ、バーチャル体験で喜んだり、痛みを感じずに失敗することを覚えて育っていっているようです。
 そんな中、子供海洋リサーチの審査員をさせていただいて感じましたのは「いかに実体験が大切か」ということであり、人の心を動かすのはやはり「血の通った生身の人間の行為」であることです。
どんなにきれいにパソコン上やデジタル写真で表現されたものよりも、下手ながら一生懸命に色鉛筆などで描かれた絵や文字のほうが、子供らしさ、素直さを感じ取ることができました。
 最近は、信じられないような悲惨で悲しい事件や犯罪があふれています。生身の人間と人間が、目と目を合わせて対話したり協力し合う機会が少なくなっている証左ではないでしょうか。
 こうしたバーチャル体験が氾濫する傾向にある中で、この子供海洋リサーチ事業は、自分たちの目で見て、自分の手で触れ、自分の頭で考え、表現する機会を子供たちに与えた、素晴らしい事業であったと思います。
長岡委員
 
小学校・中学校・高等学校では、それぞれの段階に応じて教科横断型「総合的な学習の時間」での取り組みが行なわれています。教科書のない指導が求められ、指導者の能力が成果に大きく左右することもありその賛否が話題になります。「総合的な学習の時間」で重要なのは、指導者の熱意はもとより地域社会の協力ではないでしょうか。
 今回B&G財団が実施した「こども海洋リサーチ調査レポート募集」には、地域の海洋センターを中心に小中高校からも「総合的な学習の時間」での取り組みとしてのレポートが数多く寄せられました。レポートを読むと、子どもたちがこの調査を通じてはじめて自然に触れて「感動した、びっくりした」という感想が多く見受けられます。
 今回のレポートで、「総合的な学習の時間」での取り組みや海洋センターでの取り組みで共通するのは指導者(大人)の熱心なサポートがあるということです。子どもたちの教育のために今、求められているのは生活実感にそくした体験学習です。自然に触れることにより感動したりびっくりしたり、そうした貴重な体験のために地域が一体となって応援することが大事。いまこそ学校と地域の海洋センターの連携が求められているのではないでしょうか。
 「こども海洋リサーチ調査」で指導に当たられた方々に心より敬意を表します。また調査に参加してくれたすべての子どもたち、ご苦労さまでした。調査活動で、自然の中に身を置くことではじめて「自然を大切にすること」の必要性を実感した人もたくさんいたことと思います。資料を見たり頭で考えることも大切ですが、もっと大事なのは自分で体験するということです。今回の調査をきっかけに、これからも自然や環境に関心を持って学んでほしいと思います。
堀口委員
 我々審査委員は、皆さんに御送り頂いた報告書と資料、たった二つの素材を基に審査をしました。もちろんその中には表されていない、また我々が読み取れない興奮や感動、成果もあったかと思います。
 まったく異なる場所で、まったく異なる活動がされ、それらをある一定の指標を用いて審査を行う。とても難しい行為だと思います。私自身が審査を進める課程で、最も気になったのは、活動に関わった人々が心から楽しめたか、という点です。
 活動自体を存分に楽しめた、ということであれば審査の結果に関わらず、取り組みは大成功だと思います。
 全体を通して感じた点は、日本にはまだまだ多くの豊な自然が存在しているということです。同時に感じたのが、今後どのくらいでそれらが消えていくのか?残るのか?という不安と疑問です。
 皆さんの取り組みには、必ずこれらの不安や疑問があったように思われます。そして、地元の豊かな自然をいつまでも残すために、それぞれがやれる事を探そうとする姿勢も活動を通して大きくなっていったことが読み取れました。
 これかも、皆さんは今回の取り組みによって得られた観点や視点を用いて、日常にある豊かな自然の営みを見守り続けることと思います。その時、ぜひ加えて頂きたい観点があります。それは、どうしたらより多くの人がその自然の大切さに興味を持ち、守るための行動を取り始めるのか?という点です。
 研究や調査自体にも価値はあります。しかし、それらの結果をどう使うのか?人間の知恵が試されていると思います。
 今後、また研究や調査をする機会があれば、活動を始める前に徹底して考え抜いてみて下さい。何のために、調査するのか?その調査結果を何に活かすのか?
 今回の調査結果は、地元の自然の大切さを伝えるための素材としてとても重要だと思います。ぜひ、地元の方にも教えてあげて下さい。

大島委員
 
今回の子供海洋リサーチ調査レポートを拝見して、どのグループも自分たちの身近にある環境に足を運び、汗をかきながら調査レポートを作成されたことが伺えます。
 さらに、作成したレポートを多くの人達に自分たちの感じたことを発表するなどとても広がりを感じ、すばらしいと思いました。
 今回の調査レポートをきっかけとして、これからも皆さんの身近にある環境を大切にしてください。

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