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各種事業/活動記録

こども海洋リサーチ調査レポート全応募作品の内容・講評を発表!!

1.北海道厚岸町 アッケシソウ調査隊
「題名」 「アッケシソウ生育状況の把握」
学年(人数)
小学5年生(4名)/小学4年生(4名)/小学3年生(1名)/小学2年生(1名)計10名
実施場所  栽培地
実施内容と結果  保護・増殖の理解と自然環境への理解を深めるため、町内の児童を対象に、4月下旬〜11月中旬にかけて、「アッケシソウ」(町名が付いた唯一の植物)の生息場所である、厚岸湖・厚岸町宮園地区を訪れ、生育環境との関係を考えながら生育状況を観察した。
 観察の結果、例年ではありえない時期の色の変化や、背丈が通常の半分以下だったりと、夏の猛暑と宮園地区にある池の水量が少なからず影響しているものと思われ、生育環境は悪化の一途をたどっていると言わざるを得ない。観察を通じて、子ども達から「もっと大きくして増やしたい」「いろんな人に知ってもらいたい」等の感想があり、環境の理解と保護の必要性を感じ取ってもらえた。
審査員コメント  アッケシソウの生育環境を丹念に調べられました。子供達が普段近づかない場所へ実際に出かけ調査を行ったことがよく分かりました。また海事記念館の学芸員による説明も行われ、子供達と学芸員の間でinteraction があり、子供は素直に驚きを感じていたことが素直に読み取れます。また小学校教員からの協力もありました。このような地域における学芸員 − 子供 − 先生とのつながりは将来に向かって貴重な財産となることでしょう。

2.北海道美幌町 北海道美幌高等学校
「題名」 「美幌町日並地区に生息する昆虫たち〜カラフトイトトンボを探して〜」
学年(人数)
高校3年生(3名)/高校1年生(1名)計4名
実施場所 川・池・沼
実施内容と結果 絶滅が心配されているカラフトイトトンボの調査と同時に、生息できる環境を明らかにするため、その他の昆虫を採取し、時期・場所(沼・川)によって昆虫相がどのように変化するか調べた。
 採取後、ヤゴは飼育し、ヤゴ以外はエタノールで保存、トンボ目やチョウ目の成虫は標本にした。調査の結果、カラフトイトトンボは採取できなかったが絶滅危惧種もいくつか採取することができた。日並地区には数多くの種類の昆虫が生息できる複雑な植生と水環境を持ち、また護岸工事がされていない貴重な環境であることがわかった。
審査員コメント  自然科学同好会を作られてNature Paletteを発行されていること、読みました。いずれも力作です。今年は確かにカラフトイトトンボを見つけられなかったですが、丹念に調査されたことはよく分かります。公報誌は多くの人々に環境について知ってもらう上で役立ちます。これからも頑張ってください。また森の中での新発見のように、見る目さえあれば面白い発見もできることが分かったと思います。

3.北海道瀬棚町 瀬棚町立瀬棚小学校4年生
「題名」 「馬場川の生き物と水質について」
学年(人数)
小学4年生(20名)
実施場所
実施内容と結果  身近にある川の水質環境を知り、守っていこうとする意識を高めるため、サケの稚魚を放流する川でもある馬場川に生息する水生生物や水質調査を計5回行った。
 自分たちで捕獲器を作り、捕獲した水生生物を持ち帰り、一時飼育し観察する。パックテストによる水質調査も行う。結果、川を上ってきたサケの死骸で川の水質が汚染されることを予想したが、水質調査の結果ほとんど差が無く、人間が出す生活排水が川を汚染していることが分かった。また、見た目ではきれいだと思わなかった馬場川だが、昔に比べると生き物は減っているものの、清流日本一の後志利別川にも負けないくらいきれいな川であった。しかし排水口付近ではCODの数値が高いことから生活排水の影響の大きさを感じた。
審査員コメント  生き物と水質の関係から身近な川である馬場川の特徴を調べられました。この結果、従来思っていたより川がきれいであり、一見汚く見えても自然の川はかなりきれいであることに気づかれました。また、サケの死骸があってもきれいであり、むしろ洗剤など人工的なものに本当の汚れがあることに気づかれたこと、とても重要だと思います。

4.青森県市浦町 市浦ふるさと環境調査隊
「題名」 「市浦ふるさと環境調査隊」
学年(人数)
小学4年生(1名)/小学6年生(4名)/中学1年生(2名)/高校1年生(2名)/高校2年生(9名)/高校3年生(5名)計23名
実施場所 湖・川・海
実施内容と結果  身近な自然の水質や生物の移り変わりや、その保護と保全について考え、山と海のつながりや水辺の自然浄化作用について理解を深めるため、十三湖周辺、川、海のそれぞれの水質調査〈パックテスト・水温・気温調査)、水生生物を採取し観察した。
 調査の結果、どの川もきれいだと感じたが、10年程前よりは汚れていると感じた。河口と湖では気温より水温が高く、また、中流域で行った水生生物採取調査ではきれいな川と汚れた川の両方の指標生物が見つかったのはなぜか。動物や植物、植物プランクトン類の調査も必要と思われる。
審査員コメント  十三湖周辺で水質調査を行われました。子供の感想がとても素直でよかったです。例えば、「知らない虫などを観察できたことはとてもためになったが、非常に面倒であった。とくに12月は寒くて厳しかった。」という感想には本当の気持ちがよく現れています。また初めて見る水生生物に感動していることなど、野外学習の価値が再発見されているように思われます。子供達は多くを学んだことでしょう。

5.岩手県陸前高田市 陸前高田市立横田中学校
「題名」 「気仙川四季の水質調査」
学年(人数)
中学3年生(5人)
実施場所
実施内容と結果  水生生物を調査することにより、気仙川の水がどのような状態(指標生物による)か、また季節による水質の変化を調査した。
 上流に養鶏場ができたので、汚れていると思っていたが、結果として水質階級Tの「きれいな水」に住む生物だけ見つけることができた。
 生物数は7月と予測していたところ、4月が最も多く採取できた。これは生物の孵化や羽化の時期と関係しているのではないか。
審査員コメント  気仙川で四季の水質調査を行われました。この結果、汚いと思っていた川に、ヒラタカゲロウやヘビトンボなど多数が生息し、逆に水質から見てきれいな川に分類されるという結果となりました。この結果より、子供達が川をきれいにしようとの気持ちが湧いたことがありありと分かります。子供達は多くを学んだと思います。

6.宮城県川崎町 川崎スキージュニアチーム水源地域探検隊
「題名」 「水源地域探険記録」
学年(人数)
中学生(6名)/小学生(16名)計22名
実施場所 河川・ダム
実施内容と結果  町内を流れる北川の水質及び生物を調査し、上流と中流、下流(釜房ダム)に違いがあることを自分たちで確かめた。上流では検査用の水を採取するだけでなく、実際に川の水を飲んでみた。ダムでは、水の調査と共に、カヌー体験も行なった。
 上流ではとても綺麗な水が、下流に向かうにつれ汚染されていることが分かった。中流域にはゴミが散乱し、不法投棄やレジャー活動の残骸があり、汚染の一つの原因であると思われる。
 人間が生活していない所では飲めるほどの水が、一旦人里を経由するとこんなにも変化をとげるもなのかと改めて実感した。
 今回の調査結果を踏まえ、@不法投棄の根絶Aレジャーゴミの持ち帰り運動Bポイ捨て禁止自作看板の設置C釜房ダムの湖面ら利用の促進、の運動を町民に呼びかけることにした。
審査員コメント  川を上流から下流へと調べて歩き、川の汚染状況を体験されました。上流では沢水のうまさに感動し、それに比べて釜房ダムの水が濁っていることを実感されました。一連の調査には多くの時間と手間がかかったと思います。でも調査を行ってはじめてこの種の調査の重要性が実感できたと思います。その意味で調査に参加された多くの方々にエールを送りたいです。

7.宮城県米山町 里山水辺調査隊
「題名」 「いこいの森と平筒沼の自然について調べ、自然のサイクルについて考えよう」
学年(人数)
幼稚園・小学生(31名)+保護者/高校生(2名)/一般(5名)計38名
実施場所 森・沼
実施内容と結果  地域の子供とその保護者等により「里山たんけん隊」を組織し、昨年度から平筒沼周辺で月1回の活動を続けてきた。今回それに加え、サンショウウオやホタルの住む水源(沢上流)から平筒沼までの水質調査、生息生物、植物観察等を行ない、自然の豊かさを確認しながら、自然のサイクルに気付き、それらを守る心を育てることとした。
 パン焼き体験や芋煮会なども行なった。
 水源付近(いこいの森)は水量が一定し、汚れもなく、湿った環境が保たれている。沼への注ぎ口付近では、汚れがひどく、酸素消費やリン酸イオン濃度が高い。沼ではそれが更に高くなっていることが分かった。
 自然環境がまだ保たれている、いこいの森付近から、里山の良さを知らせると共に、利用しながら守っていくことの大切さも伝える必要がある。一人ひとりがテーマを持ち、より意識的に自然とかかわっていくような活動も工夫していきたい。
審査員コメント  いこいの森と平筒沼の自然を調査されました。幼稚園および小学生が31名ということでさぞかし現地ではご苦労されたと思います。子供達は新しい発見に感動した様子がよく分かります。またパンつくり-食体験-が面白かったという印象文も多く、楽しい調査であったことが想像できます。子供達は様々な経験を通して、学んだと思います。

最優秀賞 8.秋田県由利町 リバー・リバース 
「題名」 「私たちの川はきれいですか」
学年(人数)
小学4年生(11名)/小学5年生(8名)/小学6年生(6名)計25名
実施場所
実施内容と結果  町内の子吉川周辺を舞台とした「川の駅」構想実現に向けた取り組みを背景に、川の実情を知り、綺麗な川を取り戻すために活動する。具体的には、カヌー活動場所など、身近な2ヶ所の他、上流・下流の2ヶ所と併せた計4ヶ所の水質検査を中心に、水生生物調査やカヌー体験を行なった。
 その結果、上流に行くほど綺麗に、下流に行くほど水質が悪化していることが分かった。水生生物は予想以上に多く、綺麗になりつつある半面、ビニールなどのゴミが目立ったことが残念でした。大人が手本になり、子供たちが当たり前に環境問題を考え、行動する構図にしていきたい。
審査員コメント  いま私たちが生きている地球がどのように汚染されているのかを理解するには、自然界の循環を理解しなければなりません。その点、貴グループは窒素循環を正しく理解して水質調査をしています。その結果、生物が住みやすい水質を分析したり、田んぼの堰(せき)のPHが酸性に近いのは農薬の影響か? など、仕組みを理解した上に問題点を見つけるまでに至っている点も高く評価できます。水生生物を描いた手描の絵や、調査時の子供たちの表情など、体験しながら楽しく学んでいる姿が大変よく伝わってきました。 

9.福島県柳津町 柳津町海洋性スポーツ少年団 
「題名」 「柳津の川を調べて〜川に生息する生き物から〜」
学年(人数)
小学6年生(12名)/平均7名
実施場所
実施内容と結果  グループの活動拠点である只見川に流れ込む、銀山川、龍蔵庵川の計3地点で、日頃調査活動をしている指導者(地元の達人)の力を借り、指標水生生物による水質調査を実施した。また、両川について、電話による聞き取り調査や町史等の資料による調査を行った。調査による水質階級はほとんどで「Tきれいな水」という結果となったが、川に生息する生き物や川の歴史、川による水質の違いや、上流と河口の違いなど多くを学んだ。生活の中で大きく影響を与えるのは生活排水なので、素晴らしい景観を残していくため、環境についての意識を持って日常生活を送ることが大事であると考える。
審査員コメント  大自然の近くに暮らし、普段からその美しさに接している人は、意外とその美しさや清らかさに気づかないままに日常を過ごしてしまいます。その点、貴グループは普段からカヌーやヨットで走行している柳津の銀山川と龍蔵川を調査対象に選ばれたことは、今回の子供海洋リサーチ事業の目的に合ったテーマ設定でありました。阿賀川の達人、山中先生と共に水生生物などの調査を通じて、川の美しさを保つことの大切さを学んだことと思います。

10.茨城県玉里村 霞ヶ浦調査隊 
「題名」 「霞ヶ浦の水をきれいにしよう」
学年(人数)
小学4年生(平均10名)
実施場所
実施内容と結果  地域の人の協力を得て、霞ヶ浦の水をきれいにしようという取組み(アサザの定植)が8年間行われている。水をきれいにすると考えられるもの(タニシ、アサザ、アオウキクサ、赤玉土、牡蠣の殻)を霞ヶ浦の水と一緒に入れて、69日間観察をした。有機物検査薬で水を調べたところ、一番水をきれいにしたのは赤玉土で、2番目はアサザと牡蠣の殻であった。玉里東小で行っている霞ヶ浦へのアサザの植付けが意味のあることだとわかった。
審査員コメント  海や湖、川などの水質をきれいに保つためにはそこに棲息する動植物も関係しているということを、調査を通じて実感したと思います。特に、色鉛筆でタニシやアサザの観察記録をていねいに描いているところは高く評価できます。きちんと写真も添えられていましたが、実際に、自分の目で見て、色や形を自分の手で描くことによって、その移り変わりを実感することができたと思います。

11.茨城県玉造町 手賀小学校3年生
「題名」 「手賀川と新田川ってどんな川?」
学年(人数)
小学3年生
実施場所
実施内容と結果  霞ヶ浦に流れ込む手賀川と新田川の水質調査(パックテストや水生生物の採集)をし、上流より下流の方が水が汚れていることがわかった。汚れの原因は、家から流れてくる油や石鹸や汚れたものを洗い流した水である。(水をきれいにするろ過実験を行い)キッチンペーパー1枚で汚れがとれることや、川の周りの草が水をきれいにすることがわかったので、水を汚さない工夫を続けていこうと思う。 
審査員コメント  手賀川と新田川の調査にあたり、ご指導された方のレポートにある「大人の称賛の言葉に、子供たちは勇気づけられているようだ」という言葉が大変印象的でした。霞ヶ浦という湖が、そこに注がれる川や自分たちの生活排水に関わっていることに気づき、植物が水をきれいにすることを知り、その結果、子供たちの心の中から「植物を増やしたい」という気持ちがわいてきたのは素晴らしいことです。

12.新潟県能生町 若潮っ子クラブ・アウトドア班
「題名」 「郷里能生の里海調べ隊」
学年(人数)
小学1年生(2名)/小学2年生(2名)/小学4年生 (6名)/小学5年生 (2名)/ 小学6年生 (1名)/幼児と保護者 計13名 (平均10名)
実施場所
実施内容と結果  能生川の上・中・下流の3地点と火打山山頂で水を採取し、パックテストで水質を調べた。また、能生川の上・中・下流の水生生物と磯の海藻類や海中生物の採集・種の同定をした。生物の採集・種の同定により、能生川の上流は「T.きれいな水」、中流は「T.きれいな水」〜「V.汚れた水」、下流は「U.少し汚れた水」〜「W.たいへん汚れた水」だと判断した。海は見た目はきれいだが、海藻類や海中生物の種類が変化していると聞いたので安心してはいけないと思う。海と山は川でつながっているので能生川の上流にある山に木を植えたりして自然を守るよう努力したい。
審査員コメント  「なんとなく『きれいだ』と思っていた能生町の川や海も、調べてみるときれいとは言えないことがわかった」という言葉が出るまでに、きわめて広範囲にわたり調査をした様子が伝わってきます。能生川源流となる火打山山頂付近での調査から始まり、上流から海へ注ぐ河口まで、細かく根気よく調査されたようです。海を元気にするには山を元気にしなければならないことを知り、能生川の上流の山に木を植えようとする姿勢を大事にしてください。

13.新潟県三川村 三川自然探検クラブ
「題名」 「谷沢川はきれいな川です!みんなで自然を守ろう!!!」
学年(人数)
小学4年生(3名)/小学5年生(5名)/小学6年生(5名)計13名(平均12名)
実施場所
実施内容と結果  谷沢川にて水質調査(パックテストや水生生物の採集)をした結果、水質階級Tのきれいな水であることがわかった。川にゴミや生活廃水などを捨てたり、流したりせず、きれいな水質が保てるように気をつけなければならない。
審査員コメント  自分たちが住んでいるまわりの自然を、調査することにより見直す様子がよく伝わってきます。記録写真を見ると単なる化学的な分析ではなく、水生生物を子供たちが採集する楽しさがうかがえます。調査をした結果、谷沢川の水質の良さを実感し、その自然を残すために揚げた5項目の目標を、自分たちだけでなく近隣の人々に伝えて実践していってほしいものです。

14.長野県牟礼村 牟礼海洋クラブ
「題名」 「霊仙寺湖ってどんな湖?」
学年(人数) 小学生(10名) /中学生 (3名)/ 高校生 (1名) 計14名 平均7名
実施場所
実施内容と結果  海洋クラブが日頃活動している霊仙寺湖において、自然環境への関心を深め、身近な環境から自然の大切さを知るため、アクアチェックによる水質調査を行なった。夏場にはにごりがひどくなってきて、アオコや藻が発生しにおいもでてくるが、水質は思ったほど悪くないと感じた。
 湖をきれいにすることは無理かもしれないが、汚さないようにすることは自分たちにもできると感じた。海洋クラブで活動している湖なので大切にしたい。
審査員コメント  「夏にカヌーをひっくり返して脱出の練習を行っている中で、直接水を飲んだ場合、水は飲まないほうがよいのか調査結果からこれからの活動の参考としたい」とあり、現実的な結論を導き出そうとしている点がユニークでした。最終的にはもともと鉄分が含まれた水であることが分かり、さらには海洋クラブで活動させている湖を汚さないよう、大切にしていきたいという結論で結んでいますね。今回だけでなく、今後も水質調査を続けていってください。

優秀賞 15.静岡県相良町 手長エビ調査隊
「題名」 「萩間川に住む生物〈手長エビ等〉とその環境」
学年(人数) 小学5〜6年生 (10名)/中学生 (10名)
実施場所
実施内容と結果  相良町内の北端から南(海)まで流れている萩間川にて、水質調査(塩分濃度調査や簡易水質検査)・水生生物の採集と観察(生物ごとに写生や詳しく調べている)・残しておきたい(自分たちの好きな)萩間川の風景写真の撮影・クリーンウォーク(ゴミ拾い)を行った。萩間川にはゴミはほとんどなく、目に見えて濁った水が流れ込んではいなかったので自分たちが考えていた以上に多くの生物がいるきれいな川と言える。COD(化学的酸素消費量)値が高かったのが気になるが子ども達との調査ではこれ以上追究はできない。
審査員コメント  手長エビという特徴的なエビを入口にすることで、身近すぎる環境に興味を広げる課程には、フィールドが持っている魅力を参加者自身が次々に見つけていくという興奮があったと想像します。小学校中学年から中学生までが、楽しみつつ、萩間川の現実を見つめることで、命の存在に驚き、汚れた風景や水質を嘆き、今後の関わり方を主体的に考える機会にまで高めた点が、特に優れていると考えます。これは、指導者の努力のみならず、参加者自身が積極性をもち関わったことによる成果ではないでしょうか。資料も実際に参加者自身が自らの手により作成し、真剣味が伝わってきました。疑問や興味、思考や行動の連続により、日常を非日常的に楽しみつつ、足下を学ぶ機会にまで高めた点が、大きな評価だと考えます。今後の取り組みには、萩間川という川がどのように相良町の暮らしに関わって来たか?海辺はどうか:漁港の御前崎側(サンビーチ)と片浜側の違いは?などを取り入れてください。また手づくり地図には縮尺を入れるとよいでしょう。

16.静岡県相良町その2 カメハメハ王国 子ガメクラブ
「題名」 「2004さがらの海」
学年(人数) 小学生 (4名)/中学生 (3名) 計7名
実施場所
実施内容と結果  5ヶ所の海岸(須々木、平田、片浜、波津、相良)にて、測量器を使って陸と砂浜の境を基点に波打ち際までの距離にメジャーを置き、5m間隔で砂浜からの高さを測った。毎日の生活が電化により、便利になったが発電に利用される川はほとんど自然の状態を絶たれていて、本来は海に流れ出す砂も止まってしまっていることがわかった。
審査員コメント  身近すぎて遠い「砂浜」にフォーカスした点はユニークかつ大切なことだと評価します。
 海とも陸とも言える砂浜が持つ機能、そこで繰り広げられる命の営み。その営みは砂という不安定な要素で成立している点。この点について、ウミガメの産卵を観察する、汀線を測量するといった方法により興味を喚起し、その課程からゴミや植物などにも視点を広げた点も素晴らしいと思います。夏でさえ、地元の海に訪れない子どもが多いなか、今回の取り組みをキッカケに参加者が興味と視点を持って地元の海岸に訪れ、より積極的に関わるようになることを期待します。昔は御前崎まで砂浜を歩いたなど、地元の古老の記憶を共有するなどの、砂浜をテーマにした交流の場面を増やすなどもされればとも思います。

17.静岡県浅羽町 われら里山調査隊
「題名」 「自然と触れあってともだちになろう」
学年(人数) 小学5年生 (59名)
実施場所 里山(池)
実施内容と結果 総合的な学習のテーマを自然と決め、学校の裏にある「諸井里山」をフィールドに「水」「昆虫」「植物」「鳥」の4つの興味グループに分かれて調査した。「水」グループは、自然、湧き水、人工のそれぞれの池でパックテストによる水質調査をした。湧き水、自然の池の水は酸性であること、またそのため生物がほとんど生息していないことを知り、湖に炭を入れ水質改善を図った。その他のグループもそれぞれのテーマに即し、観察を中心とする活動を行った。
審査員コメント  ひとつの里山を、水、昆虫、植物、鳥に分け、多面的に捉えようとした点は、まさに生態系といったシステムを理解するための基礎になることからも、とても評価されると考えます。参加者自身の観察結果が、図鑑として表現されている点も、成果をまとめる工夫としてユニークだと思います。人が手を加えることにより豊かになる里山。この里山を今後どのように育てていきたいのか?そんな議論がされたであろうことも読み取れました。今後の活動では、他の地域や場所の里山(先輩)と比べたり、昔の人は山の豊かさを維持するために、どのように山に手を入れて来たのか?ぜひ、調べてみて下さい。

18.愛知県作手村 杉の子調査隊
「題名」 「巴川における水生生物調査ならびに水質調査」
学年(人数) 小学4年生 (10名)/ 小学5年生 (3名)/ 小学6年生 (8名) 計21名
実施場所
実施内容と結果  川に対する関心を高め、大切に守っていく気持ちを深めるため、村内を流れる豊川支流の巴川について、4年生と6年生が水生生物調査を、5年生が水質パックテスト調査を実施した。水生生物調査では川にはたくさんの命があふれており、川は私たちだけでなく、きれいにしていかなければならない、きれいな巴川をずっと守っていかなくてはいけないと感じた。
審査員コメント  羨ましい自然の恵みに囲まれた環境を存分に活かした活動だと思います。その根底にある川と水についての興味を深めることで、それらの尊さを認め、大切に守っていくことに繋がる活動として評価されると思います。参加者自身が石の裏から見つけた「得体の知れない生き物」との出会いは、ただ綺麗な水が流れているのではなく、そこに命があるから水が綺麗でいられることを感じ取っていることが伝わってきました。今後の活動では、人間にとっての綺麗と、生き物にとっての綺麗は同じか?どうなったら、巴川は汚くなるのか?(予防を考えるために)の観点や仮説も取り入れてみてください。

優秀賞 19.滋賀県浅井町 浅井南小学校  姉川水辺調査隊
「題名」 「未来に残そうななおの宝物『姉川』」
学年(人数) 小学4年生(19名)
実施場所
実施内容と結果  琵琶湖に注ぐ湖北地方最大級の川である姉川の川の上・中・下流で、川の深さ・幅・水温・流れの速さ・水質・生き物・ごみの量について調べた。下流に行くほど川の水が汚れ、ごみの量も増えていることに問題意識を持ち、姉川が汚れるということは、琵琶湖の汚染につながることを学習した。
審査員コメント  学区を流れる姉川について、参加者自らが上流から下流までを見ることで、上中下それぞれの流域に様々な違いがあることを発見した時、きっとワクワクした気持ちがあったことと思います。流れの変化に伴い風景も変わり、川底や生き物の様子も変わる。そんな体験の中にある「なぜだろう?」が最終的には姉川と琵琶湖とのつながりに気付くまで及んだのは、大きな成果だと評価します。つながっている。だから姉川の汚れは琵琶湖の汚れにもつながる。ならば姉川を綺麗に保とうと考え始める。また、昔の川でしていたことを地域の方から聞くことで、「うらやましさ」が生まれ、楽しめる川にしたいという意志や意識が芽生えたのではないでしょか。今後は、綺麗な姉川を保つために、自分達がどうすべきなのか?普段の生活と川の関わりについて、考え、調べ、取り組んでください。

20.兵庫県竹野町 竹野川生物調査研究会
「題名」 「竹野川の生物と健康度チェック」
学年(人数) 小学生 (高学年6名)保護者 (6名)/ 一般町民 (10名) 計22名  (平均10名)
実施場所
実施内容と結果  竹野町内を流れる竹野川で、町内にある源流から河口まで(約20数キロ)の生き物と水の美しさについて調べた。調査は、生き物採取・水質調査・漂着物の比較で実施した。
 その結果、自然度は高いものの、上流からゴミが捨てられていて、下流に行くほど川の水が汚れていくのが分かった。上流と下流では別の川のようで、川にゴミを捨てないようにしていこうと思う。
審査員コメント  珍しい背景を持つふるさとの川。その竹野川を源流から河口まで調べるということは、その流域周辺の自然にも目が向く機会でもあったかと思います。埋められたゴミを発見したり、漂着物の特徴を把握したり、川辺の植生を調べたり、その課程で様々な発見もあったのではないでしょうか。その発見が問題意識へと変わり、水族館の計画やゴミ捨て予防の取り組み、また清掃活動などの具体的な行動が案として出されたことは、参加者の中で姉川への主体性が高まったことを裏付けていることでしょう。そして、川のゴミを海に流さないようにする、この観点はとても大切なことで、とても評価される点だと思います。今後も竹野川での活動を継続することで、一人でも多くの人に竹野川の素晴らしさと綺麗な川を守ることの大切さを伝えて下さい。そのためにも、観察や清掃などの活動を続け、その活動自体を広く知らしめてください。

優秀賞 21.兵庫県丹波市山南町 岩屋谷川調査隊
「題名」 「岩屋谷川をもっと楽しい川にしよう」
学年(人数) 小学4年生(27名)
実施場所
実施内容と結果  川に親しみ、大切にし、自然環境を守っていく子供を育てるため、学校の横を流れる岩屋谷川の汚染について調べた。
 『遊び・川の形・生き物・景色・ごみ』の5グループに分かれ、川に子どもたちが何度も足を運び、それぞれの課題を追求していった。また、中間報告会やアドバイスの会でグループ以外の課題についても共通認識を行うようにした。調査では、思ったより水がきれいで、たくさんの生物がいることを知った。27人全員が全調査に参加し、景色ウォークラリーやミニ水族館・劇など発表方法も工夫し、参加者が楽しんで調査を行った。
審査員コメント  近くて遠い川。近くて遠い海。近くて遠い山。日本には多くの近くて遠いがあります。今回は、活動をひとつのきっかけにして、参加者が川と親しむことで、将来に渡り自然環境を守る人材になるという大切な願いが込められています。活動の中で、川で遊ぶうちに親しみが増し、その上で川の形や生き物を調べ、景観やゴミについても調べることで、参加者の中に共通の意識や認識が芽生えたのではないでしょうか。全員で参加し、共通の体験を持つということは、環境を守る活動においてとても大切なことです。また、今回は発信にも力を入れられています。とても素晴らしいことです。一人より二人、二人より四人、多くの人が関わることで、環境はより守られます。その点でも、発信に力を入れた点は高く評価できると思います。今後も、お互いの記憶や思い出の中にある岩屋谷川を守るためにも、綺麗な川でありつづけるための活動に発展して下さい。特に発信する際には、川に興味がない人に興味を持ってもらえるための観点や仕掛けを入れる工夫をしてみて下さい。

22.兵庫県B&Gあいおい海洋クラブ
「題名」 「相生湾環境調査」
学年(人数) 小学4〜6年生計17名
実施場所
実施内容と結果  「地域の自然と共生」を育むため、自然活動を通じて相生湾全域について調べた。指導は専門の知識を持つ先生に依頼し、調査船に乗り相生湾と沖合いの2箇所の水質調査をパックテストを使用して実施した。また、顕微鏡でプランクトンを観察し、相生湾の海水の色とプランクとの関係などについて学んだ。その他、磯観察やビーチコーミングなども行い、ゴミの多さから海が汚れていることを感じた。
審査員コメント  「相生湾環境調査」では、海洋性スポーツと体験的環境学習のプログラムとして、子供海洋リサーチに取り組まれ、海洋クラブの皆さんが自ら体験することにより、発見が生まれ感動をもたらすことは大変すばらしいと思います。これはとても評価される点だと思います。子ども達は楽しみながら多くのことを学んだことでしょう。

23.島根県江津市 松平小 江の川調査隊
「題名」 「わたしたちの江の川」
学年(人数) 小学3〜4年生計6名
実施場所
実施内容と結果  身近にある江の川の水質について調べた。調査は、本流と支流の水質パックテストや水棲生物調査などで行った結果、きれいだと思っていた川が意外に汚いことが分かった。
 また、水質汚染にはゴミばかりではなく、生活廃水がより多く関っている事を教わり、油や合成洗剤を流さないようにする為、生活廃水を少なくする方法を考え実践していきたい。
審査員コメント  「私たちの江の川」松平小の皆さんの身近にある江の川の調査を通して、川の環境を身近に感じたことがよく伝わってきました。川の水と自分達の生活が関連していることに気づき、自分たちは何が出来るのかを話し合ったことは大変すばらしいと思います。また、実際に廃油石けんを使ってみるなど行動されている点を高く評価します。

24.岡山県B&G建部海洋クラブ 
「題名」 かぬ吉君(めだか)の仲間をさがそう
学年(人数) 小学低学年とその家族
実施場所
実施内容と結果  平成17年度岡山国体のカヌー競技(建部町)のキャラクター(かぬ吉くん=めだか=近年では絶滅危惧種)の住み易い環境をめざし、6月から8月の間に3回の水質検査を実施。めだかの生態を勉強してから実際に川へ散策し、めだかの捕獲後、観察日記と川の水質検査を行った。
 この他にも、粘土で消しゴム作り(特徴を正確に)や、川のゴミ拾いも行なった。
 調査の結果は以下のとおり。めだかの好きな環境は浅く流れの緩やかなところで、水草が生え、底に水がたまっている場所を好む。人工的に飼う際にエアーは必要ないようだ。調査を行った旭川の水質はきれいで、魚がすみやすい場所であるといえる。
審査員コメント  「カヌ吉君の仲間をさがそう」建部海洋クラブの皆様は、"めだか" がモチーフとなった、平成17年度岡山国体のカヌー競技のキャラクターを調査対象とし、地元開催のイベントに親近感を深めたことでしょう。めだかがなぜ減ったのかという身近なテーマで、旭川の環境調査をされたことはとてもすばらしいと感じました。子ども達がいきいきと観察されている様子が分かりました。今後もひきつづき楽しみながらきれいな旭川を守っていってほしいと思います。

優秀賞 25.広島県府中市 阿字川のホタルを守る調査隊
「題名」 「みんなの阿字川を守ろう」
学年(人数) 小学3〜6年生(主に3年生中心で48名 平均15名)
実施場所
実施内容と結果  阿字川(上流)と芦田川にて水質調査と水生生物の採集を行った。阿字川のCOD(化学的酸素消費量)は0〜5の間でちょっときれい、芦田川のは20で阿字川よりきたなかった。阿字川はきれいな川だと予想していたが調査により少し汚れていることがわかった。
審査員コメント  「みんなの阿字川を守ろう」阿字川のホタルを守る調査隊の皆様が、阿字川の環境の調査を通して、阿字川をきれいにしようと「北っ子秋祭り」にて、劇による環境の保全を呼びかけたことは高く評価される点だと思います。多くの人へと、調査結果が伝わったのではないでしょうか。また、前年度に阿字川に放流したホタルを捕獲して、養老ホームへプレゼントするなどの活動は地域とのつながりを感じました。このような地域とのつながりは子ども達にとって貴重な財産となることでしょう。今後の活動にも期待します。

26.広島県安芸高田市八千代 八千代中簸川調査グループ
「題名」 「八千代町の水質調査と動物の様子」
学年(人数) 中学2年生(2名)
実施場所 川・ダム
実施内容と結果  簸川の3地点と土師ダムの2地点にて、パックテストによる水質調査をした。
審査員コメント  「八千代町の水質調査と動物の様子」八千代中簸川調査グループの皆様の活動からは、簸川の流域や土師ダムの水質を丹念に調べている様子がうかがえます。地域の方と生徒さんが一緒になって河川の環境を守ることを考え、これからも住みやすく、未来の人々へ残していけるよう活動されることを願います。

27.愛媛県藍南町御荘 アウトドアクラブ(水鳥調査隊)
「題名」 「守ろう!私たちの町の自然」
学年(人数) 小学4年生(3名) 小学5年生 (4名) 小学6年生(3名) 計10名
実施場所 川・干潟
実施内容と結果  野鳥の観察を通じて、地元の自然の特徴を知り、環境保護に努めようとする態度を育てるため、日本野鳥の会愛媛支部の方に講話をしていただき、野鳥への関心と理解を深めた。
 野鳥の観察法の把握と双眼鏡の用具の使い方を勉強した他、文字当てゲームなどを用い楽しみながら習得した。
 町内の池、河口、湾内などいろいろな場所で観察を行い、どの種類の野鳥がいるか観察したところ、カワセミ、オシドリ、アオサギ、カルガモなどたくさんいた。グループ調査を通して、野鳥の種類、生息場所、数、周辺の環境について考察。その結果、季節により観察できる種類が違うことが確認できた。
審査員コメント  「守ろう!私たちの町の自然」アウトドアクラブの皆様が、今回の野鳥の観察を通じて地元の自然を知り、環境保護に努めようとする態度を育てるため調査をされたことは、とても素晴らしいことだと思います。野鳥の観察法の把握や双眼鏡の用具の使い方を勉強するなど子供たちが楽しく参加している様子が良くわかりました。子供達は多くを学んだことでしょう。野鳥探索地図や広報誌は多くの人々に環境について知ってもらう上で役立ちます。これからも頑張ってください。

28.愛媛県今治市朝倉 朝倉子供調査隊
「題名」 「屯田川の冬の水質」
学年(人数) 小学5〜6年生(3名)
実施場所 干潟
実施内容と結果  屯田川(今治市の南方を北流する2級河川)にて、3回(5/30・8/10・12/19)水質調査を行った。朝
倉村のような田舎の川でも川の水の汚染は進んでいることがわかった。
審査員コメント  「頓田川の冬の水質」朝倉子供調査隊の皆様の調査を通じて、自分たちの身近にある環境意識し、川をきれいにするためにはどうしたらよいかを子供たちが考えている様子がよくわかりました。今後、頓田川をきれいにするために、子供たちが考えたことをいかに実行に移していくかに興味があります。これからも頑張ってください。

優秀賞 29.福岡県B&G津屋崎海洋クラブ 
「題名」 カブトガニ調査隊
学年(人数) 小学6年生
実施場所 干潟
実施内容と結果  地元の干潟に生息が確認されたカブトガニの生息状況を明らかにするための調査を行った。カブトガニの幼生を採取し、時期によりどの程度の成長過程なのかを観察・調査した。また、産卵場所と時期の調査もあわせて行なった。
 産卵は泥分の少ない場所を好むが、逆に幼生は泥の部分でしか発見できず、生息には泥の多いところと少ないところを併せ持つ環境が必要であることが分かった。
 この他、地元には生息に適した環境が残っている反面、ゴミに埋もれて死んでいる個体や、ゴミが産卵場所を埋めてしまっているなど、解決すべき問題にも直面した。
審査員コメント  子どもたち一人一人の報告から、津屋崎の自然のすばらしさが目に浮かびます。カブトガニの生息状況について10回以上も調査していますが、@なぜ調査をしたのか、A調査の結果何が分かったのか、Bこれからの課題は何か、これらをしっかりまとめることができました。調査や研究をした場合、第3者に分かりやすく伝えるということはとても大切なことです。その意味でも大変優れた調査でした。これからの活動に期待します。

30.佐賀県みやき町北茂安 北茂安小調査隊
「題名」  
学年(人数) 小学6年生(36名)
実施場所
実施内容と結果  町内にある「古川」にて、生息するヒシモドキ(浮き草で絶滅危惧種)とその周辺に生えている草花や水生生物の調査とその時期の水質調査を行った。地球環境を守ろうとする実践的態度を育てるためである。
 パックテスト(PH)を行った結果、やや酸性でよごれている川だということが分かった。また、温度は13℃〜26℃で生息し、比較的暖かい環境を好むこと、春と夏が多く冬になるにつれて少なくなっていくことも分かった。
審査員コメント  身近な自然の中で「ヒシモドキ」の生態を調査対象に選んだことが成功につながったと思います。単に調査のための調査ではなく「地球環境を守ろうとする態度を育てること」を目的としたことも、調査を奥深いものにしています。今回得られたデータをもとに、来年再来年と調査を続けていけば、生物学者が注目するような貴重なデータが集まるかもしれませんね。イラストや写真もとてもきれいでした。今後もがんばってください。

31.長崎県佐世保市小佐々 小佐々町立小佐々小学校自然体験クラブ
「題名」 「小佐々川の自然について調べよう(自分達のふるさとの川は汚れていないか)」
学年(人数) 小学4〜6年生(平均14名)
実施場所
実施内容と結果  自分たちの町の環境悪化は大丈夫なのだろうか?という疑問を発端に、小佐々川にて、パックテストによる水質調査と釣りを通した生き物調査を実施した。その結果分かったことは、海の汚れの原因は生活排水によること、「海には魚や小生物が多く存在しており、海自体の汚れは少ないということで、グループではその後「どうしたら海を汚さずにすむか」というところに視点が移り考えることとなった。
審査員コメント  「自分たちの町の環境悪化は大丈夫だろうか」という調査の動機がはっきりしているので調査結果のまとめまで首尾一貫した取り組みができましたね。分かったことを@新聞にして配る、Aポスターで訴える、B自ら実践するという活動の中で、「どうしたら海を汚さずにすむか」というところに視点が移ったことはとても重要です。よい指導者に恵まれたということもいえますが、何より子どもたち一人一人の努力あればこその成果ではないでしょうか。これからもがんばってください。

32.長崎県佐世保市小佐々 楠栖小・海の調査隊
「題名」 「小佐々川の自然について調べよう(自分達のふるさとの川は汚れていないか)」
学年(人数) 小学5年生(37名)
実施場所
実施内容と結果  「海光る町・こさざ」のとおり美しいのか(調査前は、3/4程度の生徒が「きれいだと思う」と回答)を調査するため、小佐々町の楠栖小学校前の海岸にて、@(ごみ拾いをしながらの)ごみ観察 A生物観察 B海の透明度調査を行った。それらから分かったことは下記のとおりである。
 @韓国や中国のごみも海岸に流れ着くが、ごみの多くは地域の人が捨てたものが多い。A思っていた以上に小生物がいるが、磯焼けなど海の環境が確実に悪化している。B6m以上の海底が見えるので大都会に比べるときれいな海だが、沖縄に比べると汚れている。
 また、カサゴの放流事業にも参加し、磯焼けの実態なども学び、海の環境が確実に悪化していることを学習したほか、ごみ拾いをしても次回調査時にごみが減っていなかった事実から、ごみのポイ捨ての実態を知り、「自分たちは絶対にごみを捨てない」という意識を持った。
審査員コメント  「海光る町・こさざ」の通り小佐々町はほんとうに美しいのか、ここが調査の原点。多くの児童がきれいさに自信を持って調査を開始したわけですが、結果はやや安心したものの課題の多いことにも気付きました。それはごみ拾いの活動をしてもしばらく経つと元通りになってしまうということ。そこから「一人一人、自分たちは絶対ゴミを捨てない」という意識を持つことが大切と気付いたわけですね。すばらしい調査です。写真もきれいで、子どもたちの生き生きした表情がすてきです。今後の調査にも期待します。

33.熊本県津奈木町 マングローブ調査隊
「題名」 「津奈木町の環境問題」
学年(人数) 小学4〜6年生と中学1年生(平均8名)
実施場所
実施内容と結果  (3年前に植栽したマングローブの現況調査の予定だったが、マングローブについての基本調査はデータ不足のため、水質調査かゴミ調査を行なうか話し合った結果)津奈木川にてごみの調査を行った。
 その結果、再資源化が進み、町内のごみ全体の総量は減少していることがわかった。また、缶やビンに対して扱いやすいペットボトルのごみが増加していることもわかった。
審査員コメント  小4から中3までそれぞれの年齢にあった視点でのびのびと調査している点に好感が持てます。「津名木町ゴミ分別収集調査票」からはさまざまな情報が読み取れますね。そこから何を読み取り、どのように分析するかが重要です。今回マングローブの調査にはいたらなかったわけですが、体制を整えて再度挑戦しても良いかもしれませんね。今回の調査の経験が必ず役に立つと思います。これからもがんばってください。

34.沖縄県B&G伊良部海洋クラブ 
「題名」 伊良部町海辺の調査
学年(人数) 小学1〜6年生と中学1〜3年生(平均9名)
実施場所
実施内容と結果  漂着物の調査を通じて「島の再発見」「世界につながる海」を意識し、地域の美化に務めるため、渚百選にも選ばれた地元にある佐和田の浜にて、浜の清掃と漂着物の調査を行った。
 その結果わかったことは以下のとおり。ごみは漂着物より、浜に来た人が残していったものの方が多い。浜の漂着物は国外よりも日本のものが多い。日本の字が書かれているごみが外国の海岸に流れ着いているかと思うとはずかしい気持ちだ。また、台風直後とその後しばらくしてからの浜の様子の違いから自然のすごさが実感できた。
審査員コメント 「世界につながる美しい海を持ついやしの島」に住む伊良部町の人たちをうらやましく思いました。その島ならではの「漂流物調査」はとてもユニークです。調査して立派な報告書を作ることも大切ですが、それ以上に調査した一人一人が活動から何を学ぶかの方が重要ではないでしょうか。調査隊のみなさんは、美しい海を守るためには自分たちがまずゴミを捨てないことが大切と気付いたわけです。そしてホームページや立看板を作成して海を汚さないように呼びかける活動を考えました。きっといつまでもきれいな海を守っていくことができると信じています。がんばってください。

 

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