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B&Gなごや海洋クラブ:
昭和62年設立の、なごやジュニアヨットクラブを母体に、平成9年開設。活動拠点は、名古屋港少年少女ヨットトレーニングセンター。二村種義名誉会長ほか複数のベテランセーラーが指導にあたり、現在の会員は親子合わせて約30人。B&G OP級ヨット大会 東日本大会のホストクラブとしても知られている。
B&Gなごや海洋クラブの取材に訪れると、今年70歳になるクラブ名誉会長の二村種義さんほか、複数のベテラン指導員の方々がクラブハウスで応対してくださいました。同クラブの母体である、なごやジュニアヨットクラブの初代会長としても尽力されてきた二村さん。挨拶が済むと、さっそくクラブ誕生の経緯について説明してくださいました。
「ジュニアヨットクラブができたのは昭和62年で、当初は市内の溜め池ぐらいしか練習場所がありませんでした。溜め池では十分に風を拾うこともできず、交通の便も悪かったことから、なんとか海で練習したいと望みました」
活動の環境には恵まれなかったものの、多いときには30人近くの子どもを集めて練習に励んだ同クラブ。その熱意を持って、平成元年にはOP級ヨットの全国大会を誘致し、名古屋港内で開催しました。
「会場にスロープなどはなく、苦労してヨットを海に降ろしてレースを行いましたが、大会が成功したことを役所が評価してくれたため、平成3年になると公共施設として名古屋港少年少女ヨットトレーニングセンターが港内に建設されました」
これを機に、海で練習できるようになった、なごやジュニアヨットクラブ。現在、副会長を務める水谷斗男留さんの親子なども加わって、クラブ活動が盛り上がっていきました。
平成3年当時は、自ら外洋ヨットレースに熱を上げていたという水谷さん。あるとき、息子さん兄弟を外洋ヨットに乗せたところ興味を示したので、さっそくジュニアヨットクラブの門を叩いたそうです。
「自分がヨットを好きだったので、なんとか息子たちにも好きになってもらって腕を上げて欲しいと思いました。ちょうど、ジュニアヨットクラブがヨットトレーニングセンターに拠点を移したときだったので、とても良いタイミングでした」
最初のうちは、週末のたびに息子さんたちをクラブに預け、その足で自ら別のマリーナに向かって外洋ヨットの練習に励んでいた水谷さん。しかし、次第に自分もジュニアヨットクラブに留まるようになっていきました。
「二村さんの考えた方針で、親もクラブに留まって子どもたちの練習をバックアップしなればならなかったからです。そのため、私自身は外洋ヨットから遠ざかってしまいましたが、その代わり我が子の成長をしっかり見届けることができました。
日々の練習はもちろん、レースで遠征するときも親子で行動を共にしたので、子どもたちの性格をよく読むこともできました」
週末を一緒に過ごすようになって、親子のコミュニケーションが深まったと振り返る水谷さん。いつしか母親もクラブに来るようになって昼食の用意などを手伝うようになっていきました。
「それまでの指導経験から、まずは水を怖がらない子どもを育てよう。次にヨットで海に出て思い切り遊ぶ元気な子を育てよう。その上で、レースに興味を持った子が選手として活躍できるように育てよう。こうした発想のクラブをつくっていきたいと考えました。そのためには、親子一緒の活動が良いと思いました」
と語る二村さん。昭和62年から子どもたちの指導にあたってきた1つの大きな結論がここにありました。単にレースが得意な選手を育てるのであれば親子同伴もさほどの意味を持ちませんが、水を怖がらず海で元気に遊ぶ子を育てるという第一、第二の条件を追い求めると、親と子が共に活動することの大切さが浮かびあがったのでした。
「常に親子一緒ですから、大会の参加人員はいつもトップクラスになっていきました。あるときの全国大会では、大勢参加したことで特別賞をいただいたこともありました」
水を怖がらない、海で元気遊ぶといった二村さんの考え方は、B&G海洋クラブの理念に通じるものがありました。そのため、同クラブがB&G海洋クラブに登録することは極めて自然な流れでした。
「活動拠点をヨットトレージングセンターに移して6年後、平成9年にB&G海洋クラブの登録を行いましたが、これを機に、ますます親子が一緒に活動するクラブのイメージが固まっていきました」
ジュニアの大会に加え、B&Gのヨット大会にも積極的に参加していった同クラブ。平成18年からは、B&G OP級ヨット大会 東日本大会の運営を担うようになりました。
「それまで、B&Gの冠をつけたヨット大会は九州のみでの開催でした。そのため、東日本でも同様の大会をしようという声を受けて、私たちのクラブが運営を引き受けることになりました」
すでに、いろいろなヨット大会の運営で実績を上げていた同クラブ。B&G OP級ヨット大会 東日本大会も、二村さんや水谷さんといったベテラン指導員のもとで円滑な運営が行われ、参加艇数も年を追うごとに増えていきました。(※続きます)