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府中市B&G海洋センター:昭和52年(1977年)、第1期海洋センターとして市内を流れる芦田川沿いに艇庫と屋内温水プールを開設。
おもに水泳教室事業に力を注ぎ、FSC(府中スイミングクラブ)の名で数々の大会に出場。これまでに、JOCジュニアオリンピック10回出場、B&G財団の「ウォーターマラソン」に5年連続参加。
水泳のほかにも、指導者会が中心になってカヌーの普及活動にも励んでおり、平成17年度にはプールの一部バリアフリー化を含む大規模改修を実施した。
選手と一緒に市長を表敬訪問するなどしながら、地域に水泳への理解を広めてきた大越さん。その活動の輪は海洋センターの外にも拡大し、昨年度からは地元の小学校に講師として出向いて水泳の授業をサポートしています。
「多くの先生が授業で水泳をどのように教えていいか悩んでおり、カリキュラムをこなすために苦労しています。そのような声を耳にしたため、こちらから学校に出向いて授業の進め方についてプレゼンテーションをさせていただきました」
大越さんは、どのようにしてカリキュラムを進めたらいいか具体的な指導内容を提案するとともに、海洋センターの活動に取り入れている水辺の安全指導なども紹介。先生方の意見を聞きながら話を進め、最終的には大越さんたち海洋センターのスタッフが外部講師として学校のプールに出向いて、子どもたちを直接指導することになりました。
「私たちはプロの指導者なのだから、生徒全員が泳げるまで教える気持ちで行ってこいと言って大越君たちを送り出しました。後日、子どもたちから『楽しかった』、『がんばることができました』などと書かれた感想文が数多く届き、先生方からも、『いままでできなかったことをしてもらえた』、『どのように教えたらいいのか、よく分かりました』といった評価をいただくことができました」と石山所長。
大越さんたちの授業は地元のテレビがニュースで取り上げたため、それを観た他の小学校からも高い関心が寄せられました。また、実際に授業を行った学校では、今年度も続けて行うことが決定。先生方から大きな期待が寄せられています。
「昨年実施した際、先生方は私たちが指導する様子をつぶさに見学しながら、『この場合は、こういう声かけで教えるわけですね』などと、いろいろ質問してくださいました。先生方には、この経験で学んだことを他の学校に異動した際にも活かしていただけたらうれしいですね」
このような授業を通じて、少しでも水泳の底辺を広げたいと語る大越さん。学校の先生方が水泳に関心を寄せてくれたら、それはとても大きな力になっていくはずです。
活発な活動を展開する海洋センター。平成17年度にはプールの一部バリアフリー化を含む、大規模改修を行いました。
「バリアフリー化を進めたのは、特に今後増えるであろう高齢者の利用を考えての対策です。これまでは青少年向けの事業が中心になりがちでしたが、少子高齢化が進む社会の変化に海洋センターも柔軟に対応していかねばなりません」
海洋センターでは、すでに10年前から水中ウォーキングを取り入れた腰痛予防コースを展開。長年の成果は著しく、『プールに通って健康を取り戻した』、『風邪を引かなくなった』といった高齢者の声が後を絶ちません。
「プールに通う効果が口コミで広がり、いまでは医者から『海洋センターのプールに通え』とアドバイスされるお年寄りもよく見かけます。このような状況があるため、バリアフリー化を含む大規模改修ができて本当に良かったと思っています」
JOCジュニアオリンピックに何度も出場するほか、地元の小学校に出向いて水泳の授業をサポートするなど、常に地域の関心を集めてきた府中市B&G海洋センター。石山所長はじめ大越さんたちスタッフは、大規模改修によって生まれ変わった施設に、さらなる事業展開の夢を託して日々の仕事に励んでいます。(※完了)
取材当日は、昨年のJOCジュニアオリンピック春季大会50m平泳ぎで8位入賞を果たした佐野駿平君も練習に来ていましたので、いくつか質問させていただきました。
いつ頃から、どんなきっかけで水泳を始めたのですか。
保育所に入ってから、姉や兄に連れられて海洋センターに通うようになりました。最初は競泳というより、体づくりが目的でした。
競泳が好きになっていった理由は?
小学生になってタイムを取るようになると、同じ年齢でたくさんのライバルがいることが分かり、皆に負けないように記録を伸ばしていくことがおもしろくなりました。また、コーチがとても熱心に教えてくれるうえ、大会に出ると大勢の人が応援してくれるので、やり甲斐を感じていきました。
練習がきついと思うことはありませんか。
辛いと感じることはありますが、コーチや仲間に励まされると元気が戻ります。だから、水泳を通じて人と触れ合うことの大切さを学びました。FSCでは礼儀を重んじており、幼い頃からあいさつをしっかりするように教わりましたが、大会に出るようになってその意味が分かるようになりました。あいさつができなければ、知らない人と話をすることができないからです。また、テレビを観ていても北島康介選手をはじめ有名な選手、コーチは皆、礼儀正しいですから、自分もそうしなければ良い選手になれないなと思っています。
将来の目標を聞かせてください
まずは、ジュニアオリンピックで良い成績を出したいです。そして、中学を出たら大学をめざして勉強をしながら国体に出場できたらいいなと思います。その先のことはあまり考えていませんが、小学生のときに憧れた先生がいたので、できれば教育関係の仕事に進みたいと思います。
水泳の練習、そして勉強に大いに励んでください。お話ありがとうございました。