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栗橋町B&G海洋センター(埼玉県):昭和63年(1988年)開設。施設:プール、体育館。開設以来、斉藤町長が掲げた「ひと、みどり、ひかり、輝くまち」の実現に向けた、町民の健康づくり拠点として機能。
斉藤和夫町長:昭和20年(1945年)生まれ、埼玉県栗橋町出身。国鉄職員、栗橋町町議会議員、埼玉県県会議員を経て、平成4年から栗橋町町長。平成18年、初代会長としてB&G関東ブロック連絡協議会の立ち上げに努め、平成22年オープンの「ボートピア栗橋」の開設に尽力。平成18年度からB&G財団評議員。
地元海洋センターの活性化に励む傍ら、関東ブロック連絡協議会の立ち上げに努めた斉藤町長。平成19年には沖縄に出向き、第9回アクアインストラクター養成研修の修了式で記念講演を行いました。
「講演では、『周囲に支えられながら、自分が生きていることに感謝しよう。その命を大切に使っていこう』、『地元から期待されてここに来たのだから、学んだことに自信を持ってこれから活躍してほしい』といったことを話しました。
私は、このときの研修生たちの目が忘れられません。皆、キラキラと輝く目をしていて、活き活きとしたとした顔をしていました。研修活動を視察した際も同じ印象を受けましたが、誰もが研修を受けて指導者になるのだという目的意識をはっきりと自覚しているから、このようなきれいな目になるのだろうなと思いました。
沖縄での研修を受ければ、誰もがひと回り大きな人間になって地元に帰ることでしょう。受講者の大半が自治体の職員だと思いますが、彼らは役場のなかでとても大きな戦力になっていくと思います。実際、栗橋町でも研修を受けて戻ってきた職員は大いに活躍しています」
海洋センターの価値は、そこで働く指導者の質にあると述べる斉藤町長。これまで沖縄などで育った1万7,000人のB&G指導者は、全国の海洋センターをネットワークで結ぶ貴重な存在であると指摘します。
関東ブロック連絡協議会の活動も含めて積極的な運営を続けている栗橋町B&G海洋センターですが、昭和63年の開設以来、長年の使用を経て経年劣化が目立つようになったため、平成17年に体育館の修繕が実施されました。
「B&G財団から貴重な助成をいただき、周辺区画の地盤沈下対策を含め、外壁塗装やトイレの配管など、さまざまな修繕を実施しました。そのおかげで、現在はとても使いやすくなって利用者から好評を得ています。
ですから、今後はさらなる利用拡大を考えて、週2日ぐらいは夜間の利用枠を作ることができたらいいなと思っています。また、付帯施設の武道場についても子ども向けに柔らかい畳を導入したいですね」
体育館のリニューアルを機に、より多くの利用者に使ってもらいたいと期待を寄せる斉藤町長。今年4月以降は、町村合併によって海洋センターの利用対象人口が一気に5倍も膨らみます。
「合併後は、海洋センターの利用地域が拡大するので、各種スポーツ大会、競技大会等を新たに設けるなどして、新規の利用者に向けて海洋センターの存在をアピールしていく努力が求められます。
一方、役場の人事がすべて変わりますから、そのなかでしっかりとした指導者体制を講じていかねばなりません。この問題をうまく乗り切ることができたら、海洋センター事業は新たなステージに立って拡大していくでしょう。海洋センターは単なる建物ではありません。そのことを、新しく生まれる市の担当責任者と十分に協議していきたいと考えています」
海洋センターは、指導者の確保や活動プログラムの積極的な運用といった、ソフト面の充実があってはじめて生きる施設であると語る斉藤町長。市町合併後も、海洋センターを軸に「人に優しい町づくり」に励みたいと述べました。
「人に優しい町づくり」という意味では、今年2月にオープンした「ボートピア栗橋」にも大きな期待が寄せられています。
「施設の誘致にあたっては、すべての判断を地元の皆さんに委ね、それを行政が後押しする形を取りました。地域の人たちが十分に相談したうえで受け入れを決めたので、実にスムーズな流れでオープンに至りました。
地域の人たちの話し合いでは、施設を誘致するという発想ではなく、1つの事業所が町にできるという考え方で話が進められました。ボートピア栗橋ができることで、そこに雇用が生まれ、経済が回り、それが地域の活性化につながっていきます。そのことを地域の皆さんがしっかりと受け止めることができました」
地域のありようは地域の人たちで考えてほしい。自治体がそれを後押しすることで、本当の意味の住民自治が生まれると、斉藤町長は語ります。
「ボートピアの売上げの1%が助成金として地元に回ります。一般的には自治体がいただいて地域に還元しますが、ボートピア栗橋の場合は、直接、地域の皆さんが助成金を手にする形を取りました。
そこで、地域の皆さんはとても斬新な発想を打ち出しました。助成金で地域医療を確立しようと考えたのです。自分たちが必要なときに必要な医療が受けられるように、地元の病院や福祉施設を応援することにしたのです」
経済的な事情で閉鎖される病院も少なくない昨今、住民自らが病院経営を応援するという発想は、地域医療の新しいモデルケースとして注目に値すると、斉藤町長は指摘します。
「ボートピア栗橋の助成金が住民の自治につながって成功すれば、これはある種、1つの新しい公共のありかたになるでしょう。地元の人たちが自らの判断で施設の受け入れを決めたのだから、助成金の使い道も地元に委ねるべきなのです。実際、皆さんは地域医療の確立という、とてもすばらしい施策を考え出しました」
3月までの助成金は、地元の病院と老人ホームにすべて使うことが決まっており、すでにこの施策は着々と歩み始めています。斉藤町長が長年にわたって思い描いてきた「人に優しい町づくり」は、新たに始まる市制になってからも、しっかりと地域に根ざしていくことでしょう。(※完)
※栗橋町は2010年3月23日、久喜市、菖蒲町、鷲宮町と合併し、新「久喜市」となりました。