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米原市山東B&G海洋センター
琵琶湖の北東部に位置する旧山東町に、昭和58年(1983年)開設。町職員1ないし2名に加え、B&G指導者資格を持つ一般町民8名の有志によって、屋内プール、体育館の活動を展開。平成17年に周辺2町と合併して米原市になった後、今年度から以前のスタッフや有志8名の指導者による山東B&G育成士会が、指定管理者となって運営・管理に携わっている。「まず困ったのは、修繕の必要な個所がいろいろ出てきてしまったことです。大きな修繕の必要がない状態で施設を受け渡してもらったはずだったのですが、実際には細かい所で手を入れる必要が出てきてしまい、それが思わぬ出費になっています」
体育館の天井に折り畳んで収納するバスケットボールのゴールポストも、指定管理に移行してから具合が悪くなってしまい、修理を見積りしたところ約30万円もかかることが判明。大規模な修繕に関しては市が相談に応じる契約になっていたので、さっそく交渉することにしましたが、日常的に発生する修理については自分たちで解決していかねばなりません。
また、修理に関する悩み以外にも、備品の買い替えといった問題も出てきています。ラケットにしてもボールにしても、古くなったら取り替えたくなるものです。人気が出てきているユニカールについて言えば、もっと道具を増やして普及に力を入れたいところです」
体育館にしてもプールにしても、より多くの地域の人たちに利用してもらわなければ意味がありません。限られた予算をやり繰りしながらどのような運営管理ができるか、とても厳しい条件のなかで山東B&G育成士会の人たちの手腕が問われています。
「税金の支払いを含めての予算になっていますが、法人税は大きな出費です。それが気にならないほど事業収益を上げることができれば一番いいのですが、現状でそれはとても望めません。利益を上げようと努力しても、中途半端に利益を出してしまうと税額が上がって自分たちの首を絞めてしまう結果にもなってしまいます。
ですから、いまのところは赤字になるかならないかといった、ギリギリの経営が求められており、たとえ収益をほとんど出さなくても、いくらかの法人税は課せられます」
利益を出したくても出せない状況にあるという、山東B&G育成士会。何らかの出費を抑えて、それを税金に回すというやり繰りが続けられており、金融機関への振込み手数料さえも節約したい気持ちになるそうです。
「現在の利用規定を変えないかぎり、施設の運営で利益を出すことはほとんどありません。プールも体育館も公共施設として長らく無料の時代が続き、市制に移行するにあたって、やっと中学生以下100円(大人は200円)のプール利用料金が定められたところです。
それでも、この有料化は大変でした。たった100円と思いがちですが、従来タダだったものが有料になるというだけで、多くの住民からクレームが寄せられたものです。
しかし、考えてみれば海洋センターのプールは昔から学校の授業で利用されています。もし、各学校が自前のプールで授業をするとなれば相当の経費が必要ですから、それに見合うだけの経費が運営予算に加味されてもいいのではないかなとも思います。
体育館内のマルチルーム(多目的室)にしても、学校の美術展に利用されたり、自治会などで利用されたりしていますが、光熱費として時間あたり200円をいただいているに過ぎません。
このようなことを整理していくと、いかに海洋センターが地域で大きな役割を演じているかが分かります。皆の公共財産として地域に根ざした施設になっているのです」
公共性の高さを市は十分に理解してほしいと語る、山東B&G育成士会の皆さん。利益を上げることができないギリギリの経営を続けながらも、その活動自体は県連協などの協力を得ながら、どんどん活発化しています。(※最終話へ続きます)