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米原市山東B&G海洋センター
琵琶湖の北東部に位置する旧山東町に、昭和58年(1983年)開設。町職員1ないし2名に加え、B&G指導者資格を持つ一般町民8名の有志によって、屋内プール、体育館の活動を展開。平成17年に周辺2町と合併して米原市になった後、今年度から以前のスタッフや有志8名の指導者による山東B&G育成士会が、指定管理者となって運営・管理に携わっている。「小中学校が授業で使うようになって子どもたちに海洋センターの存在が広まったこともあり、一般利用の時間でも大勢の子どもたちで賑わうようになりました。ここ数年は少子化の影響が出て利用者数は頭打ちですが、オープン直後のピーク時には年間1万人ほどがプールを利用していました。また、体育館ができたおかげで、バレーボールやバスケットボールなどの地域スポーツも盛んになっていきました」
そう振り返るのは、旧山東町時代に町の職員として海洋センターの運営に携わったことがあり、現在も山東B&G育成士会の専従職員として海洋センターの副所長をつとめている方です。旧山東B&G海洋センターは、しっかりと地域スポーツを支えていきました。
町の人の一般利用に関しても、学校の授業として利用される場合も、海洋センターでは利用料金を徴収しませんでした。そのため、なるべく運営経費を抑える努力が求められました。
「海洋センターは住民のための公共施設として位置づけられ、運営経費はすべて町が負担しました。ほとんど利益が出ない施設を末永く利用するためには、出るお金を減らす必要があります。
この方法は、町の財政を踏まえて当時の教育委員会が考えたものですが、実に賢い発想だったと思います。8名の有志は町の特別職として契約を結び(2年の任期で更新)、年間1万円の給金が支給されました」
8名の指導者は、当時、誰もが40歳代の働き盛りだったそうです。仕事で忙しい年代ですが、事情があって更新を辞退した人はこれまでに2名しか出ていません。皆、献身的に海洋センターの活動を支えてくれました。
「年間1万円の給金ですから、ほとんどボランティアの世界です。それも、現在の指定管理に移る直前には、日給2,000円がイベントの手伝いなどで支給される程度の契約に変えられていましたが、誰一人としてグチを言いませんでした。
結局、皆、スポーツが大好きで、なんとかして海洋センターという地域の財産を守ろうとしたのです」
この事態を深刻に受け止めたのは、有志の指導者たちでした。
「指定管理の話を聞いて以来、私たち指導者は何度も会合を開いて海洋センターの将来について話し合いましたが、『施設が閉鎖されたら、いままで築いてきた地域スポーツの根が断ち切れてしまう』『指定管理者を公募して、地域の事情を知らない業者が受けたら、利用者が混乱するかも知れない』などと、誰もが口を揃えて不安を訴えました」
そこで打ち出されたのが、指導者自らが指定管理者に名乗りを挙げて、施設の運営・管理を行う案でした。
市を説得するには、それなりに環境を整えなければなりません。指定管理を受けるためには法人を組織しなければならず、管理委託費を試算する必要もあります。
しかも、その作業は時間との戦いでもありました。公募が始まってしまうと、他の業者が選ばれてしまう可能性もあるため、その前に市と交渉をする必要があったのです。(※続きます)