B&G体験クルーズ



2004年3月31日土曜日

「アディオス!アミーゴ!!」

3/26に東京を出航した平成16年度B&G体験クルーズもいよいよ最後の夜となりました。各グループに分かれて行ったワークショップでは5日間のクルーズで学んだ成果を発表しあい全ての課業が終了しました。その後に行われた最後の晩餐「フェアウェルパーティー」ではメンバーだけでなくリーダーの目にも涙が浮かんでいました。

さて今回のクルーズにはテレビの取材も入っていましたが、その番組の主役が写真中央でボーダーシャツを着ている横山優貴君(石川県・中学2年生)です。クルーズには「楽しそうだし、友達を作りたい」という動機で参加しました。メンバーの多くが悩まされた船酔いにもならず「友達もたくさんできたし、クジラのブリーチングが見れた事が最高の思い出になった」とのことでした。横山君は自分の事を「真面目な性格」と分析していますがそんな横山君を周囲の友達はどう見ていたのでしょうか?

「父島寄港地活動で誰もステージに上がって踊らなかった南洋踊りの時に1人ステージに上がって踊りを踊る程の踊り好き」「可愛い女の子を見ると視線が釘付けになって立ち止まってしまう程の女の子好き」とのこと。このラテン系の積極的なノリがクルーズを楽しむ秘訣なのかもしれませんね。

たくさんの出会いとたくさんの思い出を乗せてふじ丸は順調に東京へ向かっています。

今日のスケジュール
時間 研修内容 場所
 7:00 起床・朝のつどい スポーツデッキ
 7:30 朝食 ダイニングルーム
 9:30 船長さんのお話し パシフィックホール
 9:30 ワークショップ学習 各班ごと船内各所
15:00 ワークショップ学習発表 パシフィックホール
16:30 入浴 大浴場
18:00 フェアウェルパーティー ダイニングルーム
21:00 夕べのつどい パシフィックホール
ふじまる現在地

クリックすると現在地が拡大表示されます。

 一路、東京へ向けて太平洋を北上する「ふじ丸」。昨日同様、荒天のため朝のつどいはパシフィックホールで行われ、朝食後に畠村キャプテンによる船の仕事についてのお話がありました。その後は、いよいよ各テーマごとにメンバーたちが分かれて研究発表をするワークショップの時間です。テーマは、「クジラについて」、「ライフセービングについて」、「ふじ丸について」等々です。昼食をはさんで約4時間、仲間と知恵を出し合ったり講師にアドバイスをいただいたりしながら研究をまとめあげ、午後3時からの発表に臨みました。発表会の感想をお聞きした松本富士也講師からは、「どのテーマも、しっかりまとめられています。よく短い時間で、これだけの仕事ができましたね。とても感心しました」とお褒めの言葉をいただき、どのメンバーたちもちょっぴり自慢気な表情でした。そして、今日の夕食はフェアウェルパーティーです。北上するにしたがって風が強まり、船内の揺れが大きくなるなかでの開催でしたが、メンバーたちは元気そのもの。開会のスピーチに立った畠村キャプテンは、「クルーズ初日のウェルカムパーティーでは、たくさんの人が船酔いに苦しみ、そうではない人たちもあまり元気がありませんでしたが、フェアウェルパーティーを迎えた今日は、みなさん実に元気が良いですね。すっかり船の生活に慣れたのだと思います」とコメント。その言葉どおり、用意された料理はあっという間に平らげられてしまい、メンバーたちはパーティー第2部を控えたパシフィックホールへと向かいました。その様子は写真を見ながらキャプションを読んでいただきたいと思います。


今日の様子
船長さんのお話し
 船に乗って34年の畠村船長に、「550人乗ったらふじ丸は何センチメートル沈むのか?」など船に関することや、経験談をお話しいただきました。その後の質問コーナーでは、「ふじ丸の名前のゆらい」や「船に乗って一番楽しかったこと」などの質問が、次々に出されました。ちなみに、一番嬉しいことは、「港に乗船者を元気に送り届けた時」だそうです。みなさんが、元気いっぱいで港に到着することを、畠村キャプテンも心から願っています。船酔いのみなさん、がんばって!!

 

ワークショップとは
ワークショップ活動は、今まで船内及び寄港地で学んできたことを8つのテーマに分け、2組ごとにさらに深く掘り下げ、他のメンバーに発表するものです。メンバー自らが、各テーマの掘り下げ方法、作業分担などを話し合いによって決めます。メンバーたちは、講師に質問したり、本を調べたりと、積極的に活動していました。
ワークショップ学習(詳細)
学習風景
発表風景

◆ふじ丸について
 ふじ丸で働く機関長さんや乗組み員の皆さんに、船についてのお話しをしていただいた後、航海士の方からロープワークを教えてもらいました。発表では、自分達がそれぞれ調べたことをクイズ形式で出題。「窓をきれいにするのに必要なものは何か」「1.ぞうきん、2.ペットボトル、3.ブラシ」など自分達の目線で疑問に思ったことを、クイズにしました。
(回答は、2.ペットボトルです)

学習風景
発表風景

◆ライフセービングについて
 まずは希望をとって、“ シグナル”・“ライフセーバになるためには”・“デモンストレーション”・“トレーニング”の4グループに分別。各グループごとにテーマを掘り下げました。
 発表では、色鮮やかな絵でまとめられた模造紙発表と、ペットボトルを使用した救助法や心肺蘇生法などのデモンストレーションを披露。工夫された発表内容に講師からは、感嘆の声が上がっていました。また最後には、「まずは、自分の命を守ることが大切です」と締めくくり、ワークショップを通じて、自分の命は自分で守ること、できることから始めることを学んだようです。

学習風景
発表風景

◆クジラについて
 森講師のクジラの講義にホエールウォッチングと、この5日間でクジラについて沢山のことを学んできました。さらに、ワークショップでは、それらの内容を図鑑などを調べて、深く学びました。
 発表では、くじらの祖先やくじらの生息する地域を絵で表わすなど、見ている人が分かりやすいように工夫しました。「特に、実物大のザトウクジラの尾を作成したのは、アイディア賞です」と、松本講師も講評を述べられていました。

学習風景

発表風景

◆レクリエーションについて
 楽しかったクルーズの歌と踊りを創作しました。午前中は、替え歌をする曲目決定にも時間がかかり、あまり意見がでませんでしたが、午後には一変!グループごとに踊りを創って見せ合いました。
 歌は、ドレミの歌の替え歌で、「おがさわらじまの歌」。おは踊りのお♪がはウミガメのガ♪さはさんごのさ♪と5日間の思い出をつづり、歌詞にあった振り付けを自分達で考えました。発表では、メンバー全員に振りを教えて、全員で「おがさわらのうた」を歌い、踊りました。

学習風景
発表風景

◆植物と海洋性レクリエーションについて
 
講師に海洋性レクリエーションの魅力や人生にどのような影響を与えたかなどかなりつっこんだインタビューをしました。クイズ形式で小笠原の固有の植物について発表したり、インタビューした内容をポスターにしたりの発表でした。

学習風景
発表風景

◆かめについて
 みんなが知らないと思うことをテーマに、カメの歩き方や生息地、産卵場所に加えて、カメが住みやすい環境にするにはどうしたらよいか話し合いました。発表では、カメはビニール袋などのごみをえさのクラゲと間違って食べてしまう習性などを発表し、普段の生活でもゴミは決められた場所に捨てようなど環境問題についての呼びかけもありました。

学習風景
発表風景

シュノーケルについて
 小笠原で実際に見た魚やサンゴ、貝などについて、生息地や特徴などを講師に質問したり、本で調べたりしました。発表では、フィンを着用して、寸劇を披露。小笠原の海で実際に見たバクダンウニやパイプウニ、ノウサンゴなどを絵に表わし、それらを発見したときの驚きは印象をセリフで表わしました。

学習風景
発表風景

鳥について
  鳥島沖で観察した「アホウドリ」について、名前の由来や歴史、保護活動の現状などを調べました。寸劇を交えたパネル発表で、アホウドリの保護のために、ごみのポイ捨て、洗剤の選別リサイクルの推進など、身近な例から行動していこうと他のメンバーに訴えました。

フェアウェルパーティー

 

 「B&G体験クルーズ」もいよいよ明日で最終日。みんなと過ごす最後の夜に第1部・2部に別れて「フェアウエルパーティー」を開催しました。船酔いをぶりかえし、エチケット袋を片手につらい顔を見せるメンバーもいましたが、最後の夜を楽しもうと、がんばる姿が目立ちました。
 
 第1部は、ダイニングでの船長さん主催の立食パーティー。5日間のクルーズですっかり打ち解けたメンバー達は、あちこちでリーダーとともに“かんぱ〜い”のかけ声を掛け合い、苦楽をともにした仲間と盛り上がりました。

 引き続き、パシフィックホールで、第2部の幕開けです。これまでの5日間の活動写真が次々にスクリーンに映し出され、メンバーからは、笑いや歓声があがりました。その後、4組8班の七ツ役 遥さんがメンバーを代表して別れの言葉を述べた後、リーダーを代表し、6組ボランティアリーダー長瀬由香さんから、メンバーへのメッセージが贈られました。
 その後、リーダーが歌のプレゼントとして、 スマップの「世界で一つだけの花」を合唱しました。メンバーからは、アンコールが湧き上がるほど盛り上がり、ホールは感動の渦に包まれました。

 最後に、班のメンバーをまとめてきた班長さんが涙を浮かべ班員に挨拶をし、全員と握手をして、パーティの幕は閉じました。
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