B&G海外体験クルーズ
大海原航海中
2003年3月27日木曜日
昨日に引き続き快晴となった「体験クルーズ」第2日目。本日は海洋生物や環境問題、小笠原の自然、海の安全などの講義ほか、クルーズならではの海洋観察では「鳥島」「ソウフ岩」をまじかに見ることができました。
コバルトブルーの海の色や、360度の水平線。この体験クルーズを通じて海への好奇心がわいてくる1日となったようです。
船酔いに苦しむメンバーも少なくなり、知り合って2日目とは思えないほど、メンバー同士仲良くなってきました。団体生活を通じたルールやマナーも自ら意識するようになり、集合時間もだいぶ守れるようになりました。班長を中心に班の結束力も頼もしく思われます。
今日のスケジュール
時間 研修内容 場所
 7:00 起床・朝のつどい スポーツデッキ
 7:30 朝食 ダイニングルーム
 9:30 海洋の生物と環境問題 パシフィックホール
10:30 海洋観察・鳥島 プロムナードデッキ
12:00 デッキランチ スポーツデッキ
13:00 小笠原のクジラやイルカと自然 パシフィックホール
14:00 海洋観察・ソウフ岩 プロムナードデッキ
機関室・操舵室見学 機関室・操舵室
16:00 海の安全と生命の尊厳 パシフィックホール
海のない国の子ども・ポスター製作
17:00 船長のおはなし パシフィックホール
18:00 夕食・入浴 ダイニングルーム・大浴場
21:00 夕べのつどい パシフィックホール
ふじまる現在地

クリックすると現在地が拡大表示されます。
今日の様子
朝のつどい
朝のつどい ラジオ体操
このクルーズ中は毎朝、朝のつどいが行われます。その日の活動の確認やメンバーの健康確認・ふじ丸の現在位置などを連絡します。昨夜は疲れてぐっすり眠れたのか、メンバーのみんなはとても早起きで、朝から元気一杯!!「おはようございます」の挨拶が響きわたっていました。
初めての船上で行ったラジオ体操では、いつもと違う体操に戸惑う様子もありました。
7時現在、東京から約500km。小笠原父島までちょうど半分の位置となりました。周りを見渡すと、360度の水平線。島影ひとつない水平線を、始めてみるメンバーがほとんどのようで、きょろきょろとあたりを見渡していました。
海洋の生物と環境問題
モイヤー講師 海野講師
海野講師とジャック・T・モイヤー講師のお話の時間です。
まず海野講師からは一般的に東京湾は汚れているといいますが、まだまだ多くの生物が存在しますと、東京湾に生息する生物をスライドで見せながら説明しました。
続いてジャック・T・モイヤー講師からはウミドリやウミガメ、イルカなどの海の生物は、人間が海に捨てるゴミによってさまざまな被害を受けているので、もう一度自分達のゴミの管理をしっかりし、海の生物をいつまでも守っていきましょうと語りかけると、メンバーのみんなは真剣にメモをとっていました。環境問題を考える良い機会でしたね。
海洋観察・鳥島
鳥島 観察風景
アホウドリの繁殖で有名な鳥島は、東京の南600キロメートルに浮かぶ無人島で、島の周囲は約7キロメートルあります。
海洋生物学者のジャック・T・モイヤー講師、海野義明講師の解説を聞きながら、メンバーは鳥島のアホウドリを写真に写したり、双眼鏡で覗いたりしてバードウォッチングを楽しんでいました。
今の時期は、アホウドリの繁殖時期であり母鳥がヒナを育てています。全長78センチ、翼の幅2メートルで全体がこげ茶色の「クロアシアアホウドリ」がメンバーの目の前に飛んで来て、「アホウドリが飛んで来た!!」と、とても喜んでいました。
デッキランチ
ランチ風景 満腹で満足
本日の昼食はデッキランチ。毎日、朝の集いを行うスポーツデッキで立食形式の昼食でした。
昨日に引き続き、快晴の中、アホウドリで有名な鳥島を横目に、「ふじ丸特性ラーメン」やうな丼、カレーライスなど盛りだくさんの料理に大満足。なかでもアイスクリームは行列ができるほどの人気でしたが、3個目のアイスクリームを手にしたちゃっかりものも。他のメンバーともだいぶ打ち解けてきたようで、記念写真をとりながら料理に舌鼓を打っていました。
鳥島が遠くふじ丸の後方にかすかに見える頃、料理を用意してくれたふじ丸の乗組員に感謝の拍手がおくられ、デッキランチは終了しました。
小笠原のクジラやイルカと自然
お昼ご飯を食べた後は、ホールに集まって「小笠原ホエールウォッチング協会」の森講師のお話を伺いました。小笠原では20種類のクジラが観測できるそうです。
最も見かける機会が多いのが「ザトウクジラ」です。体長が10mを超す大きなクジラで、11月下旬から5月初旬までの海が冷たい時に、小笠原へ出産や子育てのためにやってくるらしいのです。
また、3月はザトウクジラを最も見かけるチャンスが多いらしいということで、メンバーも明日のホエールウォッチングに備えて、ワクワクしながらお話を伺っていました。
森講師
海洋観察・ソウフ岩
海の上にポツンと立っているソウフ岩は、高さ100メートルもあるとても大きな岩です。ソウフ岩の「ソウ」とは「ヤモメ」と言う意味で、「ヤモメ」とは「未亡人」と言う意 味だそうです。
ソウフ岩は、コケ類が多く生えている無人島の島です。岩の周りの海水はプランクトンが豊富で、とても多くの魚が住んでいます。特にマグロやカツオが取れるそうです。「メジロザメ」と言う、サメが住んでいる為メンバーは講師の先生に「決して海に入らないで下さい」と言うコメントに「絶対に入りません」と、声を大にして答えていました。
ソウフ岩
機関室・操舵室見学
機関室見学 操舵室見学
入り口付近から急激に気温が上昇し、上着を脱ぐメンバーもちらほら。そうですここはエンジンをはじめとする全ての機械の運転・整備を担当する機関室です。気温は40度近くもあるそうです。メンバーのみなさんは10時に消灯ですが、こちら機関室は船が進んでいる間は一睡もしないで機械が働いています。夜は無人になるそうですが、何かあった場合はすぐさま連絡が入るシステムをとってあるそうです。いわば裏方の主人公といったような感じですね。
 つぎに、メンバーが乗っているこのふじ丸の操舵室(運転室)におじゃましてみました。ここでは船長さんをはじめ数名の航海士の方が働いていました。みなさん双眼鏡を片手に持ち、常に周りに他の船や障害物などないか気を配りながら仕事をしていました。この体験クルーズが順調に進んでいるのも船長さんをはじめ、ふじ丸で働く人たちのお陰であるとあらためて感じました。船長さんのサングラス姿とても印象的でした。もうすぐ小笠原です。
海の安全と生命の尊厳
小峯講師 講演風景
日本ライフセービング協会 理事長 小峯力講師から、「海の安全と生命の尊厳」のご講話をいただきました。
冒頭に、小峯講師が「あなたは愛する人を救えますか」という問いかけをされ、お父さんやお母さんなど大切な家族の命をそれぞれが助けることができるかを、各個人が目をつぶって考えました。海でおぼれ人工呼吸が必要な人で、救急車が4分以内到着しない場合は、100人中3人しか息が返せないそうです。
また、人を救える能力を身につけることは、自分を鍛えることにもなり、結局自分のためになるそうです。
講話中には、人工呼吸の映像も流され、メンバーは真剣に映像をみていました。事故を未然に防ぐことができれば一番ですが、万が一の際に、人工呼吸など人命救助が身近になることが必要だと思いました。
海のない国の子ども・ポスター製作
製作中 参加した二人
海のない国からのメンバー2名(チェコ共和国、マラウィ共和国)は、日本のメンバーに自分の国を理解してもらおうと、紹介ポスターを作成し、船内に掲示しました。
ポスターには、大統領の写真や、紙幣の写真、観光情報など書かれています。日本のメンバーも他国の文化を理解しようと真剣に見入る姿が見うけられました。
船長のおはなし
畠村船長 質問
ふじ丸船長の畠村外志行キャプテンから、船に関するお話をしていただき、私たちの生活に船が欠かすことのできない乗り物だと実感しました。なぜなら、衣食住のたくさんのものを外国から運んでいるからです。船は運送費もその他の方法に比べて安いそうです。
 また、メンバーから船長にたくさんの質問がでました。その中の一つに、船長が船で行ったことのある一番好きな国は?という質問には、日本と同じような島であるノルウェーや日本と同じ四季のあるアルゼンチンをあげて、船長自信が日本がとても好きなんだなと感じました。
 メンバー達も、船長の珍しい体験談に耳を傾け、見果てぬ世界に思いをめぐらせていたようです。
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