山梨県甲州市出身で中学2年生の愛さんは、学校でクラス委員長を務めるほどのしっかりもの。「班をまとめたり、年下のメンバーの面倒を見るのも、別に苦じゃありません。」と、ごく自然に班長職をこなしています。 小学校6年のときに「B&G海洋体験セミナー」に参加するなど、体験活動が大好きで、「普段の生活では、あまりなじみのないことを、たくさん経験できることが楽しみ。」と、好奇心旺盛な一面も。 まだ2日目ですが、「いろんなことを話せる友達は5人くらいできました。一期一会を大切に、残り4日間、何事も楽しみながら多くのことを体験したいです。」友達をたくさんつくり、何事にも好奇心を持ち積極的に参加することが、このクルーズを楽しむ秘訣のようです。
今日は朝から雨模様なので心配しましたが、スポーツデッキに出て海洋観察IIを行う頃になると、時々太陽が顔を出すようになりました。爽やかな海風に当たりながらメンバーたちがデッキに腰を下ろすと、NPO法人オーシャンファミリー代表の海野先生が海洋生物と人間との深いつながりを説明してくださり、鳥島に住む貴重な生き物、アホウドリの話に進むと、ふじ丸の左舷に実物の鳥島が見えてきました。 「島の断崖をよく観察してください。アホウドリの飛ぶ姿を見つけることができるかもしれません」と海野先生が話すやいなや、大きな翼を広げたアホウドリが何度も、ふじ丸の上空にやってきました。「うわー、すごい!」、「あそこにもいるよ!」と、メンバーたちはそれぞれに声をあげながら、絶海の孤島でたくましく生きるアホウドリの姿に感激していました。
普段は、見ることのできないふじ丸の操舵室(運転室)を見学。見たこともないたくさんの機械のなか、航海士の方から車で言うアクセルやハンドルのほか、磁石などの説明を受けました。とくに男子メンバーから、海図の見方や現在地の測定方法などかなりつっこんだ質問も出ていました。やはり機械類は男子のほうが興味があるようです。
2日目に入り“見渡す限り海”の生活にも慣れ始め、班や組・部屋でのお友達も増えてきました。でもせっかく全国から500人近くのメンバーたちが参加しているクルーズ。もっともっと多くの友達をつくりたい。土井彰講師(東京都レクリエーション協会)によるレクリエーションでは、肩をさすったり、ほっぺをつねったり、仁王立ちのメンバーの足元をくぐったりと楽しく、やわらかい雰囲気で友達づくりができました。
デッキランチ 動画はこちらから
鳥島を後方に見ながら屋外での昼食は格別です。あいにく、お日様は照らしてくれませんでしたが、メンバーのエネルギーに天候は、お構いなしです。カレーにうな丼、ウィンナー、ピザと、メンバーの大好きなメニューはいつも以上に食欲が増します。メニューの一番人気はデザートのアイス!!長蛇の列にアイスをGetした時のメンバーの顔は自然に笑顔がこぼれます。
鳥島につづいて大海原に現れたのはソウフ岩。水深2500Mから海面100Mまで、孤独にそびえる不思議な姿に、雨の中にもかかわらず、「携帯電話の待ち受け画面にしよう!」などと、写真撮影に夢中になる姿が目立ちました。
16時30分からはパシフィックホールに集まり、明日に到着する小笠原についてのレクチャーを受けました。生鮮食料品や雑誌、新聞などは、6日に1便の「おがさわら丸」が東京から届けていることや、学校の教室にはエアコンが設置されていることなど、島の生活をいろいろな面から知ることができました。 また、寄港地活動で予定されているライフセービングの説明を、泉田講師(日本ライフセービング協会)から受けるとともに、小笠原で合流する島の子どもたちからのビデオレターも紹介され、「美しい島の自然を見てほしい」、「一緒に寄港地活動をして、たくさんの友だちをつくりたい」などいった声を聞くことができました。