メンバーのときは船酔いで横になって休んだりもしましたが、リーダーとして参加すると酔っている暇なんてありません。自分の心配をする前に、まずは船酔いに苦しむメンバーの世話をしたいと思うからです。今回も船が揺れ始めると、歩き回ってメンバーの様子をチェックしました。
メンバーの知らないところで次の行動の準備をするなど、裏でメンバーを支える仕事に大きなやりがいを感じるからです。メンバーが寝た後に軽い夜食が出たりすると、働いている実感が湧いて気持ちが充実します。
また、こうした船上生活を共に過ごしながらジュニアボランティアリーダー同士の交流が日増しに深まっていくことも大きな楽しみです。
一昨年にメンバーとして乗船した際、私の組を担当してくれた女性のジュニアボランティアリーダーがとてもやさしくて頼れる存在だったので、私もその人のようにクルーズのお手伝いをしてみたいと思いました。
■ 今回の乗船について、家族はすぐ賛成してくれましたか。母はボランティア活動に関心が高く、私がジュニアボランティアリーダーを務めることについても、「B&Gの体験クルーズは社会性を育むよい機会だ」と言って背中を押してくれました。
■ これまでを振り返って、ジュニアボランティアリーダーの仕事はいかがでしたか。リーダーは、いつどこで何をするのか正確に把握していなくてはいけませんし、常にメンバーたちの体調管理にも気を配ります。ですから気を張りながら行動し、子どもたちの命を預かっているのだという実感をすごく抱きました。
私の町は小さいので、友だちといっても幼稚園から中学まで一緒のクラスで過ごした仲間が少なくありません。ですから、メンバーとして参加したときも含め、クルーズを通じて全国に友だちができたことはとても大きな財産です。
また、メンバーで乗ったときは気の合う子同士で動くことが多かったのですが、リーダーとして参加した今回は他の組の子にも声をかけて世話をしたので、自分としてはより積極的な人間に成長できたような気がします。
将来は学校の先生になりたいと思っているので、クルーズでジュニアボランティアリーダーを務めた体験は、これからきっと役に立つと思います。
普段遊びに行く海とはまったく違う景色の大海原を船で進み、小笠原に着いてもすごくきれいな海が待っています。そんな船旅がとても感動的で、しかも船の生活を通じていろいろな地方の友だちと出会うところに魅力を感じます。
■ 今回はメンバーではなく、ジュニアボランティアリーダーとしての参加です。これまでとは、また違った体験だったのではないでしょうか。メンバーで参加していた頃は、自分たちの知らないところでリーダーたちがいろいろな仕事をしていることを、ある程度は想像していました。しかし、実際に自分がリーダーを経験してみると、思った以上にたいへんな仕事でした。
でも、メンバーのために動けば動くほど彼らから頼られるようになっていったので、仕事は忙しくたいへんでも充実感を得ることができました。もともと人の世話が好きなので、メンバーたちから頼られるほどにうれしくなっていきました。
日が増すにつれて、メンバーたちと心が通じ合っていきました。年齢も出身地も異なるメンバーたちとコミュニケーションを取ることができたのは、とても貴重な体験です。
また、メンバーの見ていないところで彼らのためにいろいろ働くところに満足感を覚え、それが楽しさになっていきました。加えて、メンバーと接しながら彼らの幼さや無邪気さを感じる場面もあり、そんなときはちょっと年長になった自分を実感することができました。