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◆ お父さん、お母さんの声援を追い風に、78名のジュニアセーラーが腕を発揮!
「2006B&G OP級ヨット大会」西日本大会 開催

 先週行われた東日本大会(開催:7月8日〜7月9日於:蒲郡市海陽ヨットハーバー)に続き、7月16日(日)〜17日(月/海の日)の2日間、大分県杵築市住吉浜リゾートパークを舞台に、主催:B&G財団、共催:B&G別府海洋クラブ、大分県セーリング連盟による、「2006B&G OP級ヨット大会」西日本大会が開催されました。

 参加したのは、近畿〜九州地区にあるB&G海洋クラブや地域ジュニアヨットクラブで、日頃、セーリングの腕を磨いているジュニアセーラー78名(小学1年生〜中学3年生までの男女)。競技は、上級者対象のAクラス、中級者対象のBクラス、そして初心者対象のCクラスと、レベルに応じて3つのクラスが用意されました。 

  この大会は、ヨットレースを通じた子どもたちの相互交流と、国際クラスでもあるOP級ヨットの普及を目的に昨年度から開催されており、上級者Aクラス上位3位までに入った参加者には、日本OPディンギー協会の協力によって全日本選手権大会(11月に広島県で開催予定)の出場権が与えられます。


シフトする弱い風に悩まされ続けましたが、選手たちは腕を発揮してすばらしいレースが展開されました

レースの展開

 昨年のこの大会(開催場所は同じ住吉浜)は、強風が吹いて迫力あるレースが展開されましたが、今年は軽風のもとで微妙に変化する風向きにどう対応していくかが、勝敗を決める1つの鍵になりました。
 大会初日の7月16日(日)は、全4レースを実施。Aクラスでは、昨年の覇者、稲葉幸平君(中3/B&G虹の松原海洋クラブ)をはじめ、いつもレースで顔を合わせている年長のベテラン勢が激しい上位争いを展開。そのなか、第1レースは5位とふるわなかったものの、残る3レースを2位、1位、3位と手堅くまとめた岡田奎樹君(小5/B&G福岡ジュニアヨット海洋クラブ)が、第4レースを終えた時点で首位に立ちました。
 続く大会2日目は、風が吹かずにスタートが切れない状態が延々と続き、ようやく始まった第5レースも弱すぎる風が考慮されてコースが短縮されることになりました。
 結果、第5レースをもって大会は終了し、このレースを4位で走り抜けた岡田君がAクラス総合1位の座を手にしました。


弱い風を必死に捉えながらマークに向かう選手たち。神経をすり減らすメンタルな勝負が続きました

「全日本選手権でも、良い成績をめざしたい!」
Aクラス1位の岡田奎樹君(小5/B&G福岡ジュニアヨット海洋クラブ)

 今回、8名のクラブ仲間と大会に臨んだ岡田奎樹君。いつも大勢の仲間と楽しく練習に励んでいますが、ときには辛いこともあるそうです。
「夏の暑い日や木枯らしが吹く日の練習は、いやだなと思うときもあります。でも、今回のように大会に出て良い成績を収めることができると、練習の辛さが一気に吹き飛んでしまいます」
 勝利を手にしたときの喜びは例えようもなく、次に向けて意欲が湧いてくるそうです。「今回の第1レース(5位)と第5レース(4位)はちょっと悔しかったけど、全体的に見ればランニング(追い風航行)で良い走りができました」
優勝を果たしたものの、冷静に自分のセーリングを反省していた岡田君。秋に控えているOP級全日本選手権でも、今回の調子を維持しながら良い成績を収めたいと、はりきっていました。

安定した走りの岡田君
終始、安定して上位を守り抜いた岡田奎樹君の走り

アフターレースで盛り上がった大人たち
小松一憲さん(アテネオリンピック監督)をまじえた、夜のヨット談義

 レース初日の夜、子どもたちの活動を陰で支える親御さんたちが、小松一憲さんをまじえてヨット談義に花を咲かせました。
 「親子で力を合わせてヨットをクルマに積むなど、OPは家族ぐるみで楽しめます。だから、自然に親子の輪ができるようになります」などと、親御さんたちが口々にOPヨットの楽しさや親子ふれあいについて語り、「Aクラスの子どもたちには大いに世界をめざしてもらおう。そして、我々は皆でB、Cクラスの子どもたちをしっかり育てていこう」と声を揃えて大合唱。そんな盛り上がりのなかで、小松さんも「これが本当の意味のコーチミーティングですね」と感心していました。

盛り上がる保護者たち
乾杯で盛り上がる、お父さんたち。もちろんヨットの意見交換でも盛り上がりました

「自然が残る住吉浜のすばらしさを、再認識することができました」
浜から子どもたちにエールを送り続けた、地元、杵築市の八坂恭介市長さん
 
 昨年の大会に続き、今回もレースの観戦に訪れた八坂市長さん。子どもたちのヨットが沖を走る光景を眺めながら、自然が残る住吉浜のすばらしさをあらためて認識されたそうです。
 「最近は、コンクリートで固めてしまった海岸を人工海浜に作り直しているところも増えてきましたが、住吉浜には自然のままの浜辺が広がっています。素足で海に入ったことのない大人も多いと聞きますが、このようなヨットの大会を開催することで、多くの人が自然の浜の良さを再認識することができるのではないでしょうか」
杵築市は山間地域と合併しましたが、OPヨットの大会は山のまちの人に海のすばらしさを知ってもらう絶好の機会になっていくと、八坂市長さん。来年以降の開催にも、大きな意欲を示していました。

杵築市長と真砂さん
杵築市八坂市長(右)とB&G財団に出向している市職員、真砂さん(左)

■ 「笑顔こそが、OP級ヨットの財産です」
レース総評:小松一憲さん(アテネオリンピック・セーリング競技 日本代表監督)

 今回のレースをすべて観戦した小松一憲さんが、閉会式で総評を述べてくださいました。 「今回は風が弱く、風向も変化するむずかしいレースでした。風の変化は雲の流れによって予測することができます。黒い雲が多い場所は風があるということを覚えておいてください。また、スタートでリコールする選手が多くいましたが、スタートラインで振り返り、周囲の状況を把握する練習を心掛けてください。これは大学生にもアドバイスしていることなのですが、簡単そうに見えてなかなかできないものです。そして、7年前のヨーロッパ選手権で一緒だった、地元の山田なぎささんが、今回はCクラスの子どもたちを笑顔で指導してくれました。この笑顔こそがOP級ヨットの財産です。大人も子ども一緒になって、このすばらしいヨットを盛り上げていっていただきたいと思います」

 

小松さん
総評を話す小松さん

入賞おめでとう!

Aクラス入賞者の顔ぶれ
Aクラスで入賞した皆さん。左端が1位の岡田君。その右隣は、「しっかり自分で判断するレースができました。目標は2位だったので満足です」と語った、2位の高原祥伸梧君(小6/B&G別府海洋クラブ)
Bクラス入賞者の顔ぶれ Bクラスで入賞した皆さん。今回は29名が参加してレースを盛り上げてくれました

Cクラスで入賞した皆さん。将来のOPヨットを担う選手たちです


結果ダイジェスト版
クラス 順位 名前 学年 所属クラブ
Aクラス 1 岡田 圭樹 小5 B&G福岡ジュニアヨットクラブ
Aクラス 2 高原 省梧 小6 B&G別府海洋クラブ
Aクラス 3 稲葉 幸平 中3 B&G虹の松原海洋クラブ
Bクラス 1 鄭 悠 小6 兵庫県S連盟ジュニアヨットクラブ
Bクラス 2 森田 正太郎 小4 熊本ジュニアヨットクラブ
Bクラス 3 高山 大智 小3 B&G別府海洋クラブ
Cクラス 1 永江 威一 小2 B&G福岡ジュニアヨット海洋クラブ
Cクラス 2 濱田 航太 小5 B&G佐世保海洋クラブ
C クラス 3 鄭 愛梨 小4 兵庫県S連盟ジュニアヨットクラブ