B&G体験クルーズ

2004年3月31日土曜日
 小笠原クルーズもいよいよ最後の夜、地田博紀君(2組)に班長として過ごした5日間について話を聞きました。
 地田君が班長になることを知ったのは出発の数日前で、その時は班長の役割もわからず、務まるかどうか不安を感じました。出発してからの数日間は大きな声を出すことがはずかしかったそうですが、最後には慣れて、自信を持って声を出すことが出来ました。剣道部に所属する地田君は厳しい訓練にはなれているものの、朝起きてから夜寝るまでの集団生活に始めは戸惑いもあったようです。しかし今振り返ると、和気あいあいとした楽しい5日間だったそうです。
 班長として班員をまとめるのは大変だったと話す地田君ですが、低学年のメンバーの面倒を良く見て、一生懸命働いてくれました。最後に「班長をやってよかった?」と聞いたところ、「大変なこともたくさんあったけど、楽しいこともいっぱいあったので班長をやって良かった。」と話してくれました。
 昨日父島の丘の上から見た島の風景が心に残っているという地田君が、大きくなったらまた小笠原を訪れることを、心から祈っています。
今日のスケジュール
時間 研修内容 場所
 7:00 起床・朝のつどい スポーツデッキ
 7:30 朝食 ダイニングルーム
 9:30 船長さんのお話し パシフィックホール
 9:30 ワークショップ学習 各班ごと船内各所
15:00 ワークショップ学習発表 パシフィックホール
16:30 入浴 大浴場
18:00 フェアウェルパーティー ダイニングルーム
21:00 夕べのつどい パシフィックホール
ふじまる現在地

クリックすると現在地が拡大表示されます。
今日の様子
朝のつどい

 3月31日、久しぶりにスポーツデッキでの朝のつどいが行われました。やっぱり、外は気持ちいい!メンバー達の「おはようございます。」の声も、一段と大きく聞こえます。

 周りを見渡せば、島1つ見えない太平洋で、元気にラジオ体操を行いました。今日は最後の研修の日、みんな元気に頑張ろう!

船長さんのお話し
船に乗って33年、これまで70カ国200以上の港を回った畠村船長。子どもの頃、世界を旅してみたいと思って船乗りを志したそうです。その長い経験談をいろいろ語っていただいた後、子どもたちからたくさんの質問が出されました。
「船に乗っていて一番怖かったことは?」の問いには、「北太平洋でシケに遭い、船が左右に40度も傾いたことです」このときは、もう船乗りを辞めようかと思ったそうですが、無事帰港すると仕事をやりとげた充実感がみなぎって、再びファイトがあふれたそうです。
「辛いことの後には、かならず喜びが待っているものです」と畠村船長。辛抱することや諦めないことの大切さを教えてくださいました。
ワークショップについて・学習発表

 このワークショップ活動は、グループごとのテーマに沿って調べたり、話し合ったりして、新しい知識の吸収や問題意識を高揚させることが目的です。

 活動は昼食をはさみ、午前10時30分から午後4時30分までの長丁場ですが、どのグループもメンバー達は一生懸命取り組んでおりました。

 午後3時、半日かけて行われた各ワークショップの内容をそれぞれのグループごとに発表します。ポスターを作成した組、クイズ形式に発表する組、創作ダンスを披露する組などなど。

 発表会を見学した船長や講師の人たちも、「短時間でよくここまでまとめられた」と驚きと感心の声が聞かれました。
 天候は下り坂、海が荒れだし、船の揺れも大きいなかで行われた発表会にとなりましたが、みんなが協力し必死に発表している姿はとても感動的でした。メンバーは最後には自分自身に拍手を送り、ワークショップ活動が終了いたしました。

ワークショップ学習(詳細)

◆ライフセービング
それぞれがペアをくみ、ライフセーバー役、けが人役に分かれ、心配蘇生法や、救助法、運搬法などを体験しました。運搬法では、講師のデモンストレーションに「お〜」と歓声を上げるものの、実際に体験してみると、その難しさに四苦八苦。体験することによって、人命救助の大変さ、意義がわかってくれることでしょう。

◆俳句コンテスト
今回のクルーズでの出来事や感じたことを俳句で表現します。「海」「船」「自然」をテーマとして、俳句コンテストが行われました。クルーズ参加者に一番良い作品を投票してもらい、見事1位を獲得した作品は、小笠原の友達との別れを詠んだ〔晴れの日に 友を見送る 赤の花〕です。
◆客船で働く人々
「ふじ丸」乗組員の仕事は様々。料理部門や客室部門など各部門を取材し新聞にまとめます。取材には実体験が一番と
ベッドメーキングや花毛布づくり、デッキウォッシュを体験し、改めて船の仕事の大変さを肌で感じました。
◆太平洋を旅するゴミ、その現状と影響について
北太平洋を渡るゴミ;海洋漂着物の種類や割合の変化、太平洋を渡るプラスティック製品、とくに遺棄魚網の影響について、スライドやグループワークを通じて理解しました。
◆旬の魚を知ろう
 魚の種類はたくさんあります。みんな魚の名前はどのくらい知っている?今小笠原近海の旬な魚は?など「魚」について勉強します。魚編の漢字を読むゲームや春夏秋冬のそれぞれの季節ごとに"旬の魚のポスター"づくりなど、活動終了後は魚博士?の誕生です。
◆陸の生物・海の生物、同じこと違うこと
陸の動物、海の動物には、どのような種類があるか、それぞれどのような特徴がるかなどを発表し、具体的な体の特徴や、運動方法の違い、食物連鎖などについて、講師からのアドバイスを加えながら、グループに分かれ考えました。
◆エコツアーを企画しよう
 エコツアーは自然を保護したり生物を守ったりするための旅行、ツアー先の食べものや見学地を決めるのもツアーの企画です。今回のクルーズ体験をもとに、色々な意見が飛び交います。子どもならではの発想力で、楽しい企画が生まれていました。
◆海の中を覗いてみよう
海中で写した"貝"や"エビ"、"魚"などの生き物の写真パネルを見ながら、撮影した場所や周辺の環境、その生物の大きさや特徴など、生物の生態について勉強しました。
メンバーも紹介される写真を見ながら、“いつしかダイビングの資格をとり、実物をこの目で見たい”と感じたことでしょう。
◆海の生き物から考える
 最初に、先生のお話や映像を見ながら、生物が生きていくために必要なことを学びました。その後でメンバーグループに分かれて、それぞれのグループごとに生き物のテーマを決め、その生物にとって、"海とは何か"、"その生物と人がどうかかわっているか"、"その生物を通した地球環境"についてディスカッションしました。難しいテーマでしたが皆すごく勉強になりました。
◆レクリエーション
メンバーが自作自演で「海」を体全体をつかって表現します。講師からアドバイスが与えられるものの、全体構成や細かな表現方法は、メンバー自らが話し合い、つくりあげました。
フェアウェルパーティー
 

長いようで短かった5泊6日の「B&G体験クルーズ」もいよいよ明日で終了です。明日、晴海ふ頭に着いたらメンバーはそれぞれの地域に帰って行きます。みんなと過ごせる最後の夜に「フェアウェルパーティー」を開催しました。ふじ丸は前線通過の真っ只中、時折くる大きな揺れに船酔いをぶり返すメンバーもいましたが、皆んな最後の夜を新しい友だちと過ごそうと頑張る姿が印象的でした。

  第1部は船長さん主催の立食パーティー。5日前のウエルカムパーティーとは別人に見えるメンバー達、いまではすっかり仲良くなった友達と、楽しかったこと、つらかったことなどの話し、写真撮影などで大いに盛り上がりました。なかには「絶対ボランティアリーダーになりたい!」というメンバーもいて、リーダーにどうしたら参加出来るかを真剣なまなざしで話しを聞いていました。

 引き続いて、場所をパシフィックホールに移し、第2部の開催です。これまでの5日間にわたる活動の写真がナレーションとともにホール正面のスクリーンに次々と映し出される中、13組26班の栗山春香さん(小学5年生)がメンバーを代表して別れの言葉を述べました。そして、メンバーが一番お世話になったリーダー・ボランティアリーダーが、自分の組のメンバーに別れのメッセージを贈ります。感極まって涙を見せ、言葉に詰まるリーダー達、このクルーズの想い出はリーダー達にも貴重な財産となりました。

 リーダー全員が肩を組み、スマップの"世界に一つだけの花"を合唱すると、メンバー全員も総立ちとなり大合唱、りホールは感動の渦に包まれました。

 最後にパーティーを締めくくる"全員握手"が行われました。メンバーの頭の中は走馬灯のように思い出が駆け巡ります。皆涙を浮かべながら別れを惜しみ、再会を約束する固い握手がいつまでも続いていました。

 このクルーズで芽生えた友情、数々の体験や感動は、きっとメンバー達を大きく成長させたことでしょう。これからのメンバーひとりひとりの活躍を期待しています。

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