【B&G職員リレートーク】我がふるさとの湖、霞ヶ浦
職員リレートーク事業課の櫻井です。
私の出身は茨城県かすみがうら市です。かすみがうら市は、市の名前にもなっている霞ヶ浦という湖に面していますが、皆さんはこの湖を知っていますか?
琵琶湖は日本最大の面積や鳥人間コンテストの会場として有名ですが、関東一、全国でも第二位の面積を誇る霞ヶ浦の知名度はさほど高くありません。そこで、地元出身の私から茨城県が誇る霞ヶ浦の魅力の一部についてお伝えしたいと思います。
歴史ある帆引き船を今に伝えたい
霞ヶ浦では帆引き船という船を観光用に運行しています。帆引き船は、船の側面に大きな帆を張り、真横に船を進めながら網を引いて漁を行います。この漁法は、図のように凧と同じ原理を利用しています。
帆引き船の漁法は、かすみがうら市(旧出島村)出身の折本良平氏により、明治時代に考案されました(1880年当時46歳)。
それ以前は、船足を止めた状態で投網をしては引き上げていたそうですが、折本氏が考案した漁法は船の真横に網を出し風の力で船を横に進ませながら漁をするため、少ない労力で漁獲量を増やす事が出来ます。折本氏は、この漁法をわけ隔てなく広く伝えたため、1897年に第二回水産博覧会褒状を授与されました。
ところが、動力船によるトロール漁(底引き漁)が普及した1960年代に入ってこの漁法を行う漁師がいなくなってしまったため、歴史ある帆引き船を残そうという声を受けて市が船を用意し、帆引き船に乗っていた漁師の方々にお願いして、1970年代から観光帆引き船が運行されるようになりました。
毎年、帆引き船のフォトコンテストが開催されているため、運航シーズン(7月末~11月末)に何回も乗船してシャッターチャンスを狙っている人も少なくありません。
期待したい海洋クラブの活動
関東で一番広い湖であることから、霞ケ浦では周辺の高校ヨット部が練習に励んでおり、アテネオリンピック470級男子で銅メダルを獲得したペア、関 一人選手(土浦日大高校)、轟 賢二郎選手(霞ケ浦高校)も、高校時代は霞ケ浦で腕を競い合うライバル校同士の間柄でした。
また、レクリエーションでカヌーを楽しむ人も多く、私の地元のお隣、土浦市にはカヌークラブがあって熱心に活動しています。
ところが、このようにヨットやカヌーが盛んな地域ではありますが、残念ながら我がかすみがうら市には、これまでマリンスポーツ、レジャーを楽しむ拠点がありませんでした。
こうした事情もあって昨年、かすみがうら市の坪井 透 市長が、「かすみがうら市も、霞ヶ浦をスポーツやレクリエーションに活用してもらいたい」と、海洋クラブの立ち上げを唱えました。
そこで、総合型地域スポーツクラブ(KSCエンジョイスポーツクラブ)会長の嶋田芳則氏の協力により、「B&Gかすみがうらエンジョイ海洋クラブ」が発足。結成当時は「KSCエンジョイスポーツクラブ」の会員による活動が中心でしたが、最近は他団体からの参加もあり、地区、団体を超えた交流が生まれています。
これまでは、霞ケ浦といえば帆引き船のイメージが最初に浮かぶ湖でしたが、同海洋クラブの活動を通じて地域の人たちが湖に親しむことで、今後は、かすみがうら市もカヌーなどを体験するスポットとしての魅力も高まっていくのではないかと思います。
魚が取れる(漁業)、遊べる(カヌー、ヨット、フィッシング)、観る(観光帆引き船)というポテンシャル溢れる霞ヶ浦の魅力を感じてもらうために、多くの人に我がまち、かすみがうら市を訪れていただきたいと思います。
茨城(霞ヶ浦)良いとこ、一度はおいで!
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