活かしてますか?まちの地域資源(温泉編)

1キロ離れた温泉と体育館を連携!施設改修と器材配備で「住民の健康づくり」の拠点化を進めるB&G海洋センターの手法(大分県竹田市との取り組み紹介)

日本財団助成事業

社会体育施設に「健康寿命延伸」の要素を取り入れる!
体育施設の担当が行う「B&G海洋センター体育館」の新たな活用に向けた基盤づくり

温泉施設「御前湯」と運動施設「B&G海洋センター」を一体的に運営することを前提に、2017年7月に厚生労働省から「温泉利用型健康増進施設(連携型)」の認定を受けた竹田市では、運動の拠点となる「B&G海洋センター」の施設・器材整備や市民の健康づくりに向けた新規事業のスタートが急務となりました。

そこで、事業を進めるパートナーとして連携協定を結んだのがB&G財団。

B&G財団が過去に3カ所の地方自治体と連携し、海洋センター施設の新たな活用を通じて「地域コミュニティの再生・活性化」のサポートを行ってきた実績と、竹田市が目指す斬新な「温泉と運動による健康づくり・観光振興」が、地域に活力を呼び戻すための新たな付加価値づくりの取り組みとして合致した結果、社会体育施設の担当(竹田市教育委員会)がB&G財団との連携の窓口となり、主として「B&G海洋センター体育館」の活用を進めていくことになりました。

 

行政(社会体育施設担当)の取り組み

(1)施設改修(実施済み)
「温泉利用型健康増進施設」の認定基準を満たすB&G海洋センター体育館の改修と器材整備
※B&G財団が3000万円を支援

①会議室を改修しトレーニングルームを増築。
施設認定のための器具だけでなく、健康づくり事業に活用できる各種のトレーニング器具や測定器を選定し導入。

②住民の集いの場とするためのロビー改修、バリアフリー化、医務スペースの設置。

上記改修でリニューアルした海洋センターの様子はこちら

 

(2)各種の新規イベント・教室の推進(実施中)
改修した施設を活用し、温泉と運動を関連付ける新たな事業を推進

①B&Gフォトウォークラリーinながゆ
B&G海洋センターをスタート・ゴール地点にして、制限時間の3時間以内に、「長湯温泉街」周辺に設定されたチェックポイント(観光・歴史スポット)をめぐり写真を撮影。ルートを工夫して、どれだけ多くのチェックポイントで撮影できるかを、ウォークラリーの形式で競います。
ゴールの後には撮影でめぐった温泉やグルメを楽しめ、「健康づくり」と「観光」で二度楽しめるイベントです。市の広報はもちろん、イベントサイト等への情報発信を通じて市内外から約100名の参加者を集めるなど、PRにも力を入れています。

②自分のカラダ測定・分析会
“あなたの体力年齢は?”などと言われると、誰しも自分の健康や体力のレベルが気になると思います。
健康づくりは自分の体を知ることがはじめの一歩です。
地域住民の皆さんに向け、B&G財団との連携事業で新たに購入した「体組成計」「運動機能分析装置」を活用して、体脂肪率や筋肉量の測定会を実施。体力テストも同時に行って体力や筋力を把握していただき、定期的な運動習慣に繋げようという試みで、反響は上々です。

③B&G親と子の健康教室
住民意識調査により、若年層は「スポーツ力向上・競技志向」が高い一方で、子供たちの親世代には「子供向けの正しいスポーツ知識」を知りたいとのニーズが浮かび上がりました。
子供のスポーツ意識とそれをサポートしたい親御さん達、双方への情報提供が大事です。
そこで、小学生の子とその親御さん向けに、スポーツ障害予防やトレーニング理論、実技を学ぶ教室を新たに開催したところ、親子70人の参加がありました。健康づくり・競技力向上のために、正確な知識が必要とされていることが改めて分かりました。

④高齢者大学B&G学級
“健康づくりを推進したい”、しかし、あまりにもその目的を押し出してしまうと利用者の方には重荷に思われる心配があります。健康づくりは、皆さんが楽しめる範囲で進めることが大事です。
そこで、地域の高齢者の方々を対象に、温泉と運動についての学習会を実施。温泉施設での「湯中運動」、B&G体育館での「マシーントレーニング」を組み合わせたプログラムの見学会を行いました。
飽きさせず、長続きする活動を目指していきます。

⑤B&G放課後子供教室
地域の魅力を外部に向けて効果的に広報する手段、その一つは、やはり住民の皆さんからの口コミだと思います。
市外に魅力を伝えるなら、まずは住民の皆さんに地域の魅力を知ってもらう必要があります。
ただ、地域での海洋センターの認知度が低いことが意識調査でわかりました。そこで、海洋センターから離れた、放課後子ども教室に出向き、水辺の安全教室紙芝居を実演。海洋センターのPRを行いました。
その結果、海洋クラブ員の人数が増えるという、計算外の成果もありました。

 

担当者(社会体育施設担当)の感想

  1. 松田 尚也氏の画像

    大分県 竹田市教育委員会
    生涯学習課スポーツ振興係
    松田 尚也 さん(B&Gセンター・インストラクター)

2018年、竹田市の「地域の健康づくり」への更なる注力とあわせ、「B&G地域コミュニティの再生に関するモデル事業」として海洋センター体育館の改修・温泉と運動の連携を行うこととなり、事業着手から海洋センターの運営や事業の企画・実施を担当しています。

竹田市では、「温泉を活用した地域の健康づくり」をキーワードに、地域資源の「日本一の炭酸泉」を活かして、介護予防対策や観光振興に力を入れ、様々な取り組みを行っていましたが、やはり健康づくりには、運動やスポーツ活動の効果というものが見逃せません。そして「運動」の実施においては、もちろん温泉施設での湯中運動の効果も素晴らしいですが、気軽に利用できるという部分では設備の整った体育館に利点が大きいと思います。

お蔭さまで、空調やトイレの整備をはじめ、トレーニング器材や体力測定装置の導入を通じて海洋センター体育館がリニューアルされ、住民の皆さんを受け入れる環境は万全となりました。
ただ、市内中心地から海洋センターまでは距離があり、イベントなどの集客には苦労しています。また、海洋センターのある地区以外での認知度向上のために、これからのPRが重要だと感じています。

温泉や各種団体と連携した事業を展開し、竹田市の「健康づくり拠点」として多くの方にご利用いただきたいと思います。

 

次回は、行政(保健健康部門)の取り組みや感想を紹介していきます!

竹田市の取り組み事例(概要)はこちら

 

B&G財団は、まちの「B&G海洋センター」と連携した地方創生のアイデアを応援します!

「温泉」と連携したB&G海洋センターの活用は一つの取り組み事例です。

各自治体の、地域資源を活かす新たなアイデアがありましたら、ぜひB&G財団にご相談ください!

【お問合せ】
B&G財団事業部事業課 TEL:03-6402-5313

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