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世界最大級の帆船「海王丸」に乗って5日間の体験航海
平成22年度「帆船研修(指導者フォローアップ事業)」を実施!



■練習帆船での航海を通じて海や船への理解を深める


 平成22年10月18日(月)〜22日(金)の期間で、B&G指導者フォローアップ事業「帆船研修」を実施しました。
 この研修は、世界最大級の帆船「海王丸」での航海と船内研修を通して、海や船への理解を深めるとともに、指導員の資質向上を図ることを目的として、(財)海技教育財団の協力により行われています。

  4年目となる今年は、北海道室蘭港から石川県金沢港への航路に乗船。 全国の海洋センター・クラブから集まった11人の参加者は、4泊5日間の航海中、将来の船長・機関長を目指す実習生(商船船員教育機関の学生)が行う訓練の一部や船内生活を体験しました。

  研修の詳しい内容についてはB&Gブログで報告していますが、ここではブログで掲載できなかったたくさんの写真とともに5日間の航海の様子をご紹介します。

帆船「海王丸」
室蘭港で出港を待つ、世界最大級の帆船「海王丸」



■1日目

 「帆船研修」の参加者は研修生として海王丸に乗船します。乗組員、実習生らが見守るなか、船上で乗船式が行われました。その後、海王丸は室蘭港を出港し、研修生は「船内各所の案内」や「参加者自己紹介」、「航海概要説明」などの課業に取り組みました。

1日目の詳しい様子はこちらから

乗船式で船長あいさつ 甲斐船長「乗船を許可します。皆さんの航海が実りある素晴らしいものになることを祈ります」
乗船式で大島常務あいさつ B&G財団大島常務「海や船への理解を改めて深め、これからの活動に生かしてほしい」
乗船式の様子 未来の船長・機関長を目指す実習生との初対面。よろしくお願いします!


室蘭港を出港 室蘭港を出港していく海王丸。岸壁には地元の保育園児など、多くの市民が見送りに来ていました。
セールロッカーを見学 船内見学では「セールの1枚1枚をすべて乗組員と実習生が手作りしている」という説明に、皆が驚き感心していました。
教室での講義 教室では、船内での日課の説明や、金沢港までの航海の概要を説明していただきました。


■2日目

 海王丸は前夜のうちに津軽海峡を抜け日本海を航行中。この日の課業は「機関室や船橋(せんきょう)当直の見学」、「ロープワーク」などが行われました。夕方には錨泊予定地の佐渡島両津沖に到着し、実習生が行う投錨作業を見学しました。

2日目の詳しい様子はこちらから

デッキウォッシュ 朝別科の甲板清掃。椰子の実を使ってデッキをこすります。研修生からは「足が張ってパンパン」と悲鳴も。
船橋見学 船橋や機関室で実習生の当直作業の様子を見学しました。
ロープワーク 船乗り流ロープワークを習いました。はじめて知る結び方もあり、皆興味津々・悪戦苦闘です。

セールの取り付け作業 メインマストのヤードへのセール取り付け作業。セールの大きさ、重さが伝わるでしょうか。
セールの取り付け作業 ヤードまで引き上げたセールは、横1列に並んだ実習生が位置を調整し巻きつけて固定します。
佐渡島両津沖 西日が射すなか、船首の目の前に佐渡島が迫り、実習生により投錨作業が進められます。


■3日目

 錨泊地の佐渡島両津沖で過ごす3日目。この日(10月20日)は平成16年の同日に起きた海王丸座礁事故を教訓とするため「海王丸海難事故の日」と設定されていて、緊急対応能力強化のための「流出油防除部署操練」が行われました。また、研修生がチャレンジを楽しみにしていた「登しょう訓練」も実施されました。

3日目の詳しい様子はこちらから

甲斐船長のあいさつ 「海王丸海難事故の日」の朝、乗組員と実習生を前に甲斐船長が「事故のない海王丸を目指します」とあいさつされました。
流出油防除部署操練の説明 「流出油防除部署操練」がどのように進められるか、教官から説明を受けます。
操練の様子 流出した重油の拡散を防ぐため、「オイルフェンス」で船の周囲を囲う作業です。

バウスピリット登しょう訓練 「片手は船のため、片手はおのがため」安全上の注意を思い返し、バウスプリットでの登しょう訓練に挑みます。
登しょう訓練集合写真 全員が1度目を渡りきったあと、今度は一斉に渡り記念撮影。足下に海が広がり気持ちいい!けどロープがくいこむ足裏は痛い‥
多くある練習船のなかでも「最高!」と評判の海王丸の食事。美味しいのはもちろん、ボリューム満点、バリエーション豊富で、研修生も毎回楽しみにしてました!


■4日目

 海王丸は錨泊地の佐渡島両津沖をあとにして、金沢港へ向かいます。前日のバウスプリットに続き、この日はメインマストのトップボードへの登しょう訓練を行いました。また、午後には実習生による「展帆作業、操帆訓練」が行われ、私たち研修生が楽しみにしていた「帆走(帆を広げ風力を利用して航行する)」を体験することができました。

4日目の詳しい様子はこちらから

登しょう訓練説明 メインマストトップボードへの登しょう訓練。教官の手本を真剣な眼差しで見つめます。
メインマスト登しょう訓練 約20メートルの高さに1人ずつチャレンジ!最後トップボードに上がるときは、体を反らせてのオーバーハングになります。
メインマスト登しょう訓練 達成感とともに、トップボードからの眺めを目に焼き付けます。

展帆作業 こちらは実習生の「展帆作業」。トップボードのさらに上まですいすいと駆け上がる実習生の姿は、頼もしく生き生きと感じました。
展帆作業 「せーの、わっしょい!」甲板上には実習生の力強い声が響きわたり、帆走の準備が進められます。
風を受けたセールのふくらみ 海王丸は帆走状態に入り、私たち研修生の目の前で、セールが風をいっぱいに受けてふくらみます。思わず手を出すと、とても柔らかい肌触り。


帆走している海王丸 楽しみにしていた帆走に、喜びいっぱいでメインマストと記念撮影。
セールの解体作業 古くなったセールの解体作業も見学しました。
乗組員の皆さんとの交流会 夕食後には乗組員の皆さんと研修生との「懇親会」を開いていただき、甲斐船長や三好機関長が質問に答えてくださいました。


■5日目(最終日)

 海王丸は順調に航行し、無事に金沢港に入港。「金沢港開港40周年記念」事業で招待を受けての寄港のため、「入港歓迎式」も行われました。

 午後には、お世話になった乗組員や実習生の皆さんに見守られるなか、研修生11人の「下船式」が実施され、「B&Gの皆さんは子どもたちに、私たちは実習生に、お互いに海や自然の厳しさと安全、そして美しさ・素晴らしさを伝えていきましょう」と話された甲斐船長の言葉に、参加者は海王丸で改めて知った、または感じた「船と海の素晴らしさ」を、地域での活動でも伝えていきたいと目を輝かせていました。

5日目の詳しい様子はこちらから

入港作業 いよいよ金沢港へ入港。甲板上は朝から慌しく、実習生により作業が進められます。
近づく金沢港 出迎えの市民で賑わう金沢港。歓迎の太鼓演奏も鳴り響くなかの入港となりました。
指示を出すパイロット 入港に際し、港の地理に詳しいパイロット(水先人)が乗船し、指示を出します。

歓迎式に向かう実習生 入港後に行われた「歓迎式」では、実習生は制服に着替え凛々しい姿に。
下船式前の研修生 いよいよ下船のとき。下船式を前に、海王丸との別れが惜しまれます。思わずタラップに整列。
下船式 研修生を代表して、静岡県掛川海洋クラブの豊島駿さんが、甲斐船長から認定書を受け取ります。




平成22年度「帆船研修」参加者

集合写真
帆船研修で感じた海や船の素晴らしさを、地域の活動で伝えていきたい!