平成21年度「B&G指導員研修会」を開催
〜指導力の向上目指し、定員を大幅に上回る238人が参加!! 〜
平成22年1月15日(金)から16日(土)の2日間、平成21年度「B&G指導員研修会」を笹川記念会館(東京都港区三田)で開催しました。
この研修会は、B&G指導員の有資格者をはじめ、B&G担当者を対象に、財団事業や幅広い分野の新しい知識・情報の提供と指導者間の交流促進を目的に毎年実施しています。
今回の研修会終了後には、引き続き「B&G全国指導者会設立総会」が開催されることもあり、全国の海洋センター・海洋クラブから定員を大幅に上回る238人が参加
。参加者らは、2日間の研修で新しい知識や情報を得ると同時に、研修仲間との久々の再会を楽しんでいました。
定員を大幅に上回る238人が参加
「新しい知識や情報を得るとともに、参加者や財団職員との交流を深めてください」と挨拶するB&G財団広渡専務理事
研修会では指導者間の交流も楽しみの一つ
写真は久々の再開に盛り上がる第31期アドバンスト・インストラクターの皆さん
■「指導者の役割〜目指す夢のオリンピック 夢を夢で終わらせない〜」 久世 由美子 氏
〜「挨拶・返事・礼儀」をしっかりできる選手を育てたい〜
研修会は、北京オリンピック200mバタフライ銅メダリスト松田丈志選手を指導されている久世氏の講義からスタート。松田選手との深い絆で結ばれた師弟関係、挫折と栄光の道のりについて、数々のエピソードを交えお話しいただきました。
講義の中で久世さんは、「松田には、水泳の技術だけでなく“挨拶・返事・礼儀”をしっかりやること、故障の無い体をつくることをしっかり指導してきた。皆さんにも目先の結果にとらわれず、心の指導を大切にしていってほしい」と力強く話されていました。
「夢があっても努力しなければかなわない。コツコツと努力を重ね、松田とともにロンドンを目指していくので、今後も応援していただきたい」という言葉で講義を締めくくった久世さん。ぜひ、頑張っていただきたいと思います。
東海スイミングクラブコーチで北京オリンピック200mバタフライ銅メダリスト松田丈志選手を20年以上にわたり指導されている久世由美子氏
■「ライフスキルプログラムとコーチング」 東海林 祐子 氏
〜目標達成には自分で考え、分析し、行動することが大切です〜
続いての講義は、慶応義塾大学 総合政策学部 東海林専任講師による「ライフスキルプログラムとコーチング」についてです。
東海林さんは、1991年から2002年まで体育の教員として、高校生男子ハンドボール部を指導。現在は、スポーツコーチングを柱にした「ライフスキルプログラム」を研究されています。
講義では、「経験をそのままにしておくと思い出になるだけ。考えて分析し、行動することにより、目標に近づく。そのように自分なりの目標を達成するプロセスを持つことが重要」と話されていました。
また、「指導者としての選手に求める理想の姿」についてのグループディスカッションも実施するなど、盛りだくさんの1時間となりました。
男子高校生ハンドボール部を女性指導者として初の全国大会優勝に導いた慶応義塾大学 総合政策学部 東海林 祐子 専任講師
4〜5人組になり「指導者が求める理想の選手について」グループディスカッションを行いました

話し合ったものをポストイットに記入し、「最善の努力」「礼儀・マナー」「考える力」など10の項目の中から合致する項目に貼っていきます

グループの多くが指導者が求める理想の選手像について「礼義・マナー」の項目を選択。また「考える力」という項目では“振り返りを行う習慣をつける”という意見など皆さんがよく考えて指導されていることが分かる結果となりました
■「ビーチスポーツと環境」 朝日健太郎氏
〜裸足になって砂の感触を楽しもう!〜
初日最後に登場した講師は、プロビーチバレーボールプレーヤー朝日健太郎氏です。朝日氏には、「ビーチスポーツと環境」と題したご講演をいただきました。
講演では、ビーチバレーやビーチ相撲などのビーチスポーツの紹介、環境美化活動についてお話しいただきました。
朝日さんは、「初めてビーチバレーを体験する人には、まず裸足になって砂の感触を感じてもらう。そして、ボールをなげてみたら風でボールが流されてしまうことを経験してほしい。裸足になること。感じること。それがビーチスポーツの入口。私はそれをベースに世界へ挑戦していきたい」と199cmの大きな体で力強く語り、参加者の皆さんは、ビーチバレーをはじめとするビーチスポーツの魅力に引き込まれ、熱心に講演に聞き入っていました。
「ビーチバレーを始めて環境について考える機会が増えた」というプロビーチバレーボールプレーヤー朝日健太郎氏
■「海と船と人と」 帆船海王丸元船長の雨宮伊作氏
〜私のモットーは“海を先生に海王丸という教室で学ぶ”こと〜
2日目は、財団事業紹介、兵庫県姫路市家島B&G海洋センター関谷さんが海洋センター活動紹介を行った後、独立行政法人航海訓練所 帆船海王丸元船長の雨宮氏の講義が行われました。B&G財団では、平成19年度から、帆船海王丸で指導者フォローアップ研修として帆船研修を実施。雨宮さんは、記念すべき第1回帆船研修時のキャプテンでした。
雨宮さんは、帆船の魅力や現在の日本の船員の状況のほか、「帆船研修に参加したB&G指導者が、『この海王丸で訓練したことを海洋センターの子ども達に自慢したいし、見せてあげたい』と感想を話してくれたことがとても嬉しかった。できれば実現したいと思い、香川県B&G連絡協議会の子ども達を対象としたセイルドリル船上見
学会が実現した」と当時の思い出も語ってくださいました。
B&G財団では、来年度も
帆船研修を実施予定です。
皆さんのご参加をおまちしております。
「海を先生に海王丸という教室で学ぶ」をモットーに指導してきたと語る独立行政法人航海訓練所 帆船海王丸元船長の雨宮伊作氏

B&G財団総合推進チーム部長の細井より「ニュージランド視察報告」をさせていただきました

B&G財団事業部指導者養成課原田より中高年を対象とした「B&G元気はつらつ運動」を紹介
■ 参加者の感想
・どの講義についても内容が濃く考えさせられたものばかりでよかった。しいていえば、もっと時間が長くてもよかった。
・
それぞれの分野で高いレベルの話がきけた。広範囲で役立てていきたい。
ただ今回参加者が多かったので、もう少し会場に余裕があると良かった。
・ どの講義も大変勉強になった。とくに久世先生のお話は、同じコーチとして、共感できる部分や勉強になった部分が多くあった。
・
ライフスキルプログラムはいままで深く考えていなかったことを考えるきっかけになった。これからも子ども達に様々なことを伝えていきたい。
・
講演・講義についてはとても良かった。内容についても聞きやすかったし、非常に参考になった。海洋センターの子ども達にもこの内容を伝えていきたい。
「2日間の研修お疲れ様でした。今後ともB&G財団は皆様と一緒になって、地域住民の皆様のスポーツ・健康・人づくりを応援してまいりますので、.指導者の皆様のお力添えをいただきたい」と閉会の挨拶をするB&G財団大島常務理事
参加した指導者のみなさんは、多彩な講師陣による講演や講義から、色々なことを感じ、学ばれたようです。今後も高い志を持ち、さらなる飛躍を目指さし頑張っていきましょう。