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■11月10日(1日目) 「どうしても参加したかった」
10日(火)10時、参加者12名は名古屋港・海王丸タラップ前に集合。「どうしても参加したかった」「一大決心をしてきた」など、それぞれが大きな期待を胸に、研修生として海王丸に乗り込みました。
乗船後、用意された作業服に着替えを済ませ、乗船式に臨みました。乗船式では、乾船長から「安全で有意義な航海を体験してもらいたい」と歓迎の挨拶をいただきました。
昼食後の出航時には、実習生全員が一斉にマストに登り、「登しょう礼」で名古屋港に別れを告げました。帆船最高の儀式に、研修生の気分も最高潮に盛り上がり、いよいよ航海の始まりです。
その後、研修生は教室に移動。スケジュールや船内での諸当番の説明を受けた後、夕食となりました。夕食後には、研修生ミーティングが行われ、自己紹介やこの帆船研修に参加した動機や抱負などについて話し合い、交流を深めました。
1日の終わりに行うのは「巡検諸当番」。通路、教室、トイレなど各自割り当てられた清掃箇所を実習生と研修生がいっしょになって掃除します。研修生にとっては、船員を目指す実習生と情報交換できる貴重で楽しい時間となりました。
憧れの帆船での1日目の研修が終了。興奮覚めやらぬ中、22時30分に就寝しました。
低気圧の影響で強い風が吹き、海が荒れ、船が揺れています。予定されていた帆走訓練や登しょう訓練は中止され、船内での研修を行いました。
研修生は10時に教室に集合し、帆走艤装の講義を受講。ほとんどの研修生が船酔いをしていましたが、「これもいい経験」と頑張って講義に出席しました。
続いて、ロープを使ったコースター作りを行いました。船内では、ロープを使用することが多く、特に帆船ではロープの取扱いに習熟していることが極めて重要だそうです。「雨プログラムで海洋センターでも実施したい」との声も聞かれ、海洋センター担当者にとってすぐに役立つプログラムだったようです。
午後は、見張りや操船などの作業見学やその一部を体験。
また、その後行った船内見学では、士官サロン、医務室、食料庫など普段なかなか見ることのできない箇所を見学し、船内生活の理解を深めました。
15時、無事大阪湾に到着。船を停泊させるために錨をおろす作業(投錨作業)を、ブリッジから見学しました。
2日目は、投錨作業見学以外は、ほとんどが船内での研修でしたが、教官の皆さんや実習生と話せる時間が多く、海王丸での実習内容や海での体験談をいろいろ聞くことができた一日となりました。
■11月12日(3日目) ついに太陽が!憧れの登しょう訓練実施
航海3日目、太陽が顔を出し、椰子の実を使ったデッキウォッシュを行うことができました。やっと出会えた太陽に応えるように、研修生は力強く「ワッショイ、ワッショイ」と掛け声をかけながら長い甲板を磨きあげました。
続いて、無線室の見学を行った後、待ちに待った登しょう訓練の時間です。シュラウドと呼ばれる縄梯子を登り、メインマストの高さ20mのトップボードまで登ります。
研修生は、素手素足でシュラウド(縄梯子)を登り、なんとかトップボードまで上がったものの、景色を見る余裕はありません。全員無事に1回目を終えた後、すぐに2回目がスタート。2回目は少し余裕ができ、トップボードから四方を囲む海、左手に明石大橋、右手に関西空港を眺めることができました。
午後は、船長講話からスタート。船内の情報共有の方法や航海計画の立て方などわかりやすく説明していただきました。「危険無謀は海の上では命とり」と話す乾船長は、予報より1.5倍を予測し、航海計画を立てるそうです。水上でのイベントを行っている研修生にとって、「イベントを実施するうえで参考になる話ばかり」との声があがる程、中身の濃い船長講話でした。
また、夕食後には船長や機関長、教官との懇談の場を設けてもらい、課業や船内生活での疑問などに直接答えていただくなど、盛りだくさんの一日となりました。
■11月13日(4日目) この体験を地元に戻って子どもたちに伝えてほしい
心配されていた雨もなんとか降らず、甲板に出て朝を迎えることができた最終日。ブリッジから錨をあげる作業(抜錨作業)を見学後、大阪湾天保山での入港作業を見学しました。
入港作業終了後、13時から下船式が行われ、乾船長から「指導者である皆さんの役に立ったなら嬉しい。この海王丸での体験を地元に戻って、たくさんの子どもたちに伝えてほしい」と激励の挨拶をいただき、すべての課業が無事終了しました。
4日間の航海を終えた研修生たちからは、「あっという間の3日間でした。とても楽しかった。子どもたちにも体験させたい」「船酔いがつらかったけれどいい経験ができた。船員を目指す実習生たちと触れ合うことが刺激となった」などの感想があがりました。
乾船長から認定証を授与される静岡県掛川海洋クラブ永井さん
「海王丸」という大きな教室で学んだ4日間は、12名の参加者にとって貴重な体験となりました。お世話になった(財)海技教育財団の皆さん、実習生の皆さん本当にありがとうございました。皆様の今後の航海の無事を祈っております。