平成19年度「B&G海洋性レクリエーション指導員研修会」を開催
〜 全国民の“スポーツ・健康・人づくり”を目指して 〜
■ 海洋センター運営に“B&G指導員”は必要不可欠
平成20年1月24日(木)から25日(金)までの2日間、海洋船舶ビル10階会議室にて、「B&G海洋性レクリエーション指導員研修会」が実施されました。
この研修会は、B&G指導員の資格取得者や指定管理事業者職員などを対象に、各種の財団事業プログラムや安全管理を中心とした最新の知識・技術・情報を提供するとともに、指導員相互のネットワークを深めることを目的としています。
この研修会に、全国の99海洋センターから106名の指導員が出席し、最新の知識と技術を学びました。
開催にあたり、B&G財団広渡専務理事は、『日頃から、海洋センターを通じた青少年の健全育成、地域住民の健康づくりに対する皆さまのご努力に感謝申しあげます。この研修会は、指導員のフォローアップ研修の一環として、安全管理をはじめとした各種の最新情報を提供するとともに、指導員間のネットワークを拡大することを目的に開催するものです。
今回は、昨今の流水プール等で発生している重大事故の実情を鑑み、「プールの安全管理」についての講義、今年7月に施行した「海洋基本法」や「メタボリック症候群」についてなど、社会的に関心を集めているものを取り入れた内容となっております。
昨日開催の「第4回市長会議」においても、50名の現職の市長様をはじめ、120市を越える市関係者の方々に、“B&Gプランの推進”についてご賛同をいただいたところです。この研修会でたくさんのこと学んでいただき、今後の海洋センター運営に活用してもらいたい』と挨拶しました。
研修会の様子
全国の99海洋センターから106名の指導員が出席
B&G財団 広渡 英治専務理事による開会のあいさつ
■ “忍耐は苦しいけれどもその実は甘い”谷川 真理さんが基調講演
続いて、マラソンランナーでスポーツキャスター・タレントとしても活躍中の谷川 真理さんによる基調講演が行われました。谷川真理さんはB&G財団評議員にもご就任いただいています。谷川さんは講演の中で「私は中学生のときは日々の練習があまりに厳しかったため、さぼりがちになることもありました。それで、高校生の3年間だけはしっかり陸上を続けようと中長距離を専門にやってきましたが、実業団などには進まず、専門学校に入学して、卒業後は一般企業に就職しました。
今振り返ると、この頃はただ一生懸命走ることだけで、目標や目的を見出せないでいたように思います。私は身体を動かすことは大好きでしたので、OLをする傍ら、たくさんの市民マラソン大会に出場しました。出場したレースの大半は優勝することができ、優勝することの喜びとその都度、副賞としていただける海外旅行にも数多く行かせてもらいました。“優勝するためにどのように練習すればいいのか、次のレースも優勝したい”という目標が明確になってきたのです」
“目標や目的をもって行うことの重要性”を改めて強調する谷川さん。谷川さんは、この頃から市民ランナーの星として一躍注目を集めるようになり、24歳で資生堂と契約。プロとしてのスタートを切り、91年の東京国際女子マラソンで優勝。94年のパリマラソンでは大会新記録での優勝を成し遂げます。いまは“マラソンの楽しさを多くの人たちに伝えること。そして、たくさんの人が走るためのお手伝いをする”ことをライフワークとしています。
また、谷川真理さんは現在、毎年1月に開催される“地雷撤廃ハーフマラソン”を主宰し、毎年1万人を超えるランナーが参加しています。過去8年間で1,000万円を超える募金を集め、地雷撤廃のために寄付をされています。

谷川 真理さんによる基調講演
「忍耐は苦しいけれどもその実は甘い」
■ “気づく力”と“見守る目”を養うことが大切 東京大学大学院 武藤 芳照 教授
初日最後の講義は、東京大学大学院の武藤 芳照 教授による「プールの重大事故 その実態と予防」についてです。
講義では、過去のデータや事故の判例を基に「本来あるべきことやなすべきことが守られないまま、放置され、改善されなければ、どのような分野・領域でも重大事故は発生する。危険箇所や要因などに“気づく力”と“見守る目”を養わなくてはいけない。水泳は最も安全で安心して実践できるスポーツの代表格であるが、水を媒体としているがゆえに生まれるリスクがあり、それが重大事故に結びつくことを認識し、その都度、具体的な予防策を講じていくようにしてほしい」と説明されました。
参加者からは、「これまで大きな事故が無かったのは、運が良かっただけ。改めて施設管理の重要性を知ることができた」「日頃から細部まで心配りをし、日常とのわずかな違いも感じとり、事故を未然に防ぐよう心がけなくてはならないと改めて思いました」「“気づき”がとても大切だとわかった。事故は起こりうるものだが、事故のないように努めていきたい」との感想が数多く聞かれました。

東京大学大学院の武藤 芳照教授による講義
「プールの重大事故 その実態と予防」
■ 「海洋基本法について」 海洋政策研究財団 寺島 紘士 常務理事
2日目、最初の講義は、海洋政策研究財団 寺島 紘士 常務理事による昨年7月20日に施行された「海洋基本法について」の講義です。
講義では、海洋基本法制定の経緯、海洋国日本を取り巻く環境、海洋をめぐる各国の取り組み、排他的経済水域など、海洋基本法の概要や今後策定される海洋基本計画について説明をいただきました。
参加者からは、「“海洋に関する国民の理解の増進”が条文化されていることを初めて知りました。改めて、海洋性レクリエーションの普及等をしっかりやっていきたい」との感想が聞かれました。

海洋政策研究財団の寺島 紘士常務理事による講義 「海洋基本法について」
■ 「脱メタボ 健康づくりの日常エクササイズ」健康運動指導士 橋爪 明子 氏
続いて、健康運動指導士の橋爪 明子 氏による「脱メタボ 健康づくりの日常エクササイズ」と題する講義が行われました。特に、最近の社会的な関心事となっているメタボリック症候群について、2006年に出された「健康づくりのための運動指針2006」に基づき、講義と予防エクササイズを中心に、実技を交えながら説明いただきました。
橋爪さんは「受講者の前に立つ指導者は、ある程度の体型をキープするのは当たり前。脱メタボに運動は不可欠。運動は継続することが大切です」とキッパリ。参加者は、実際に体を動かしながら、脱メタボのストレッチやエクササイズについて、熱心に聴講していました。
参加者からは、「メタボ解消のエクササイズは、地元でもニーズが高く、教室の数も増えてきている。今回習ったことを、次回以降の教室に取り入れていきたい」との感想が聞かれました。

健康運動指導士の橋爪 明子氏による講義 「脱メタボ 健康づくりの日常エクササイズ」
■ 研修会を終えて
“B&G指導員”の皆さん、これからも頑張ってください!