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「野外体験活動指導者養成セミナー」を開催(日本財団助成事業)
〜小野田自然塾の協力を得て、親子を対象とした自然体験プログラムの普及を目指す〜

  7月12日(木)から15日(日)までの4日間、福島県塙町にある小野田自然塾キャンプ場で『野外体験活動指導者養成セミナー』が行われました。

 このセミナーは(財)小野田自然塾の協力を得て、「青少年及び親子を対象とした自然体験プログラムの普及の担い手となる指導者を養成すること」を目的としています。

  全国から海洋センター担当者ら18名が参加し、様々なプログラムやノウハウを体験を通して学びました。

 


小野田さんから直接ロープワークを習います
広渡専務 B&G財団 広渡専務理事

小野田氏 (財)小野田自然塾 小野田理事長

菊池町長 福島県塙町 菊池町長

 ■1日目 7月12日(木)

  参加者18名が集合し、13時から開講式が行われました。開講式では、B&G財団 広渡英治 専務理事が、「平成19年度からの新規事業である、この親子ふれあい事業は、親と子が協力し、話し合い、お互いが成長する機会として、日常では体験できない多彩な自然体験プログラムを提供し、“親と子の絆”への取り組みとして実施するものです。このプログラムを全国10ブロックで展開するため、プログラム普及の担い手となる指導者を養成していきたいと考えています。参加された皆さんは、このセミナーでより多くのことを学び、参加者同士の情報交換をしっかりしていただき、今後の事業展開のためのネットワークをつくってほしい」と挨拶。

  つぎに、(財)小野田自然塾 小野田寛郎 理事長が、「日常を離れ、大自然の中での体験プログラムを通して、次代を担う子どもたちが新しいことに挑戦する勇気を持ち、目的や夢を持って生活を送ることができるようになればいいと思っている」と挨拶されました。続いて、開催地である塙町 菊池基文 町長から歓迎の挨拶がありました。

 セミナーの最初はテントの設営。「10張のテントを縦横等間隔で揃えて張ります。そうすることで、“この集団はしっかりしている”と見られ、防犯にもつながる」とのこと。また、紛失しやすいペグには、ビニール紐をつけるなどの工夫がされていました。

 次に、今晩行われる“ナイトウォーク”を実施する際の注意点について、実際のコースを歩きながら説明を聞きました。“ケミ蛍”と呼ばれる豆電球ほどの小さな灯りをつける位置、目の高さにある枝やコース上の落葉を事前に排除しておくなど、たくさんの配慮がされていました。

  その後、キャンプ場に戻り、夕食の準備に取り掛かります。炊事場では、まず“火のおこし方”の説明。風向き、薪の選定や組み方、ナタの使い方などを習いました。また、調理には水道水は一切使用せず、飲料水も傍を流れる川から汲みます。この日の夕食はシチューです。もちろん、食器などを洗うときにも洗剤は一切使用しません。

 この日、最後のプログラムはナイトウォーク。出発15分前からキャンプ場のすべての明かりを消し、暗闇に目を慣らします。全員でスタート地点まで移動し、1分間隔で1人ずつ出発します。日中1度、歩いているコースとはいえ、まったく勝手が違います。

  30〜60m毎に設置された、ケミ蛍だけを頼りに五感を駆使して、500m先のゴールを目指します。暗闇の中、ゴールした参加者の顔はまったく見えませんが、参加者の安堵した表情が息づかいや足音から伝わってきました。

小野田さんからテントの張り方の説明を受けます
縦横ラインをあわせてテントを設営します
飲料水も川に汲みにいきます

薪を割り火をおこして飯盒をのせます
飯盒といっしょに鍋ものせてシチューをつくります
ナイトウォークを終え笑みを浮かべる参加者。後続を待ちます


■2日目 7月13日(金)

 6時から朝の集いを行い、朝食の準備に取り掛かります。朝食はスープとパンですが、飯盒でご飯を炊き、昼食のおにぎりも一緒に用意しました。

 この日、最初のプログラムはロープワーク。小野田理事長から直接指導を受けました。つぎに、マスつかみをするため、約10分ほど歩いて川まで移動。参加者は悪戦苦闘しながらマスを捕まえます。捕まえたマスは自分でさばき、塩を付け、自作の竹串に刺し釜戸で焼きます。マスの塩焼きとおにぎりの味は格別でした。

 昼食を済ませ、午後からはいよいよ山へ。ビバーク(野営)ポイントまで、各自が寝袋、ブルーシート、薪、食材、調理用具など、たくさんの荷物を担いで、約2.5km.の山歩きに汗を流しました。

 樹齢数百年といわれる、樹高30mを超すミズナラの大木。ポイントに到着。到着後すぐに、担いできたブルーシート2枚とロープ2本を使って各自テントを作りました。その後、久慈川源流の「天女の泉」まで、水を汲みに行きました。源流の水はとても冷たく、とても美味しい。参加者はのどの渇きを癒し、ビバーク中に飲む水をペットボトルいっぱいに詰め込みました。

 源流から戻り、夕食の準備。2つの大きな鍋で全員分の豚汁を作ります。豚汁ができるまでの間は、夜通し焚き火をするための薪を拾いに行きました。7月とはいえ、日が沈むとやはり寒く、参加者は少し早めの夕食を済ませ、各自、談笑しながら焚き火で暖をとって就寝。夜中には、あいにくの雨が降ってきました。ブルーシートに落ちてくる雨音と焚き火の灯りしかない暗闇がとても印象的な夜でした。


ビバークポイントに到着!
(樹齢数百年の大きなミズナラの木が迎えてくれました)

 マスつかみに挑戦
見事にマスをつかまえました
自作の竹串に刺し釜戸で焼きます

ビバークへ出発
ブルーシートとロープでテントをつくります
久慈川源流“天女の泉”で、のどの渇きを癒します

 
  ■3日目 7月14日(土)


 朝の集いを行った後、ビバークを撤収し下山。キャンプ場に戻り、朝食に用意された温かいうどんを食べた後、ビバークで使用した器材の片付けを行いました。

  約20分間の休憩をはさんで、つぎに“燻製づくり”を行いました。この燻製は、小野田さんがサバイバル生活の中で編み出した保存食です。小野田さんから、ナイフの使い方、肉の切り方を教えてもらいました。肉を短冊状に切り分けた後、串に刺し、約60〜70度の火で炙り、燻製にしていきます。

 つぎに、参加者はブロック別に分かれ、各地域で実際に“親子ふれあいキャンプ”を実施する際の活動場所、プログラム内容などについてグループディスカッションを行いました。その後は“サバイバルゲーム”。班ごとに分かれて、草むらの中に隠された食材を探して獲ります。獲った食材だけで夕食を準備しなければならないので、みんなかなり真剣に探していました。

 夕食後のグループディスカッションでは、親子ふれあいキャンプのプログラム案について、グループ毎に発表を行いました。

小野田さんから肉のさばき方を習います
短冊状に切り分けた肉を串に刺します
約60〜70度の火で炙り、燻製にします

サバイバルゲーム、スタート!
班ごとに獲った食材をならべます
グループ毎にプログラム案を発表します


 
  ■4日目 7月15日(日)


 この日は、雨が強く、テントの撤収ができず、台風4号の接近もあったため、参加者に所感・意見アンケートを記入してもらった後、時間を早めて閉講式を行いました。閉講式では、小野田理事長から参加者全員に修了証が手渡され、充実した4日間のセミナーが終了しました。

 


セミナーへの意見、感想を記入

閉講式(小野田理事長 挨拶)

小野田さんから修了証が手渡されます



参加者から

 “リーダーとしてやらなければならいこと、やらせなければならないことの区別を教わったことはたいへん勉強になった”

 “人間のもっている五感のすごさを改めて知ることができた”

 “いまの子どもたちに、自然を体全体で感じてもらいたい”

 “何もない中にこそ、たくさんの可能性があると強く感じた”

  などの感想が数多く聞かれました。

 
  参加された皆さん同様、たくさんの親子に大自然を体いっぱい感じてもらえたらいいですね 。


参加者・スタッフの皆さん(大きなミズナラの木の下で)
日本財団助成事業 ありがとう競艇