本土ではなかなか目にすることのできない、珊瑚の白砂。そしてジリジリと肌を焦がすように照りつける太陽。マリンブルーとエメラルドグリーンのコントラストが美しいここ沖縄の海で、子供たちはヨットやカヌー、沖縄独特の船サバニなど様々なマリンスポーツを体験しました。
まず、最初に子供たちが乗り込んだのは、沖縄で初の高速水中観察船「PIAZZA―1」(ピアザワン)。
今回宿泊先となったマリンピアザオキナワの周辺には、日本でも数少ないテーブル珊瑚が生息しています。その神秘の海ではエンゼルフィッシュ、ルリスズメといった色とりどりの熱帯魚や、珊瑚の間を縫うように泳ぐうみへびを発見。窓から覗くたくさんの顔に驚いたのか突然スミをはきながら逃げるイカなど、目の前に繰り広げられる今まで見たことのない幻想的な光景にみんなの目は釘付けでした。
さあ、いよいよ待ちに待ったマリンスポーツ。子供たちは早く海に入りたくていてもたってもいられないといった様子。でも、一見穏やかに見える美しい海も、時として突然荒々しくその姿を変えることもあります。
そこで指導者の方から、ライフジャケットの正しい着用方法や、2人1組になって常に相手の安全を確認しあうバディなど、自分の身の安全を確保するための説明を受けることになり、子供たちもはやる心を抑え、緊張した面持ちでいました。
さて、マリンスポーツの中でも子供たちに一番人気があったのが「バナナボート」。このボートはその名のとおりバナナが2本横に並んだような形のゴムボートです。これに10人位がまたがり、マリンジェットで引っ張る、といったもの。全速力で波しぶきを上げながら風を切って進むそのスピードとスリルに子供たちは手を振って「きゃーきゃー」という歓声をあげ、おおはしゃぎ!
これまで感じたことのなかった躍動感と臨場感に大喜びでした。
また2人で前後に乗る「ペアカヌー」は一見とても簡単そう。でも、お互いに声を掛け合いながら、息を合わせてパドルを操作しないと、同じところをぐるぐると回ってしまいます。そのため最初のうちは、行きたい方向へうまく進めずに、悪戦苦闘している姿も見られました。
そして、大きく帆を張って「風」という自然の力だけで進むヨット。これこそ、まさに海の醍醐味。風をはらんで、ぐんぐんと上がっていくスピードと爽快感に子供たちも大満足の表情。
機械の力でもない。人間の力でもない。本当の意味での"自然"を感じることができた瞬間でした。
沖にぷかりと浮かんでいるのが「浮っキーランド」。ここでは、海をもっと身近に感じてもらうために、水中が覗けるようにボディーボードにレンズを着けたような「アクアグラス」というものが用意されています。子供たちはそのボードにつかまり"ばしゃばしゃ"とバタ足をしながら自分の気に入ったポイントを探します。そこで見つかるのは美しい珊瑚礁や、いそぎんちゃくと戯れている黄色い熱帯魚。「うわーすごい!」「こっちももっときれいだよ」とあちこちから感嘆や驚きの声があがります。
今まで接したことのない新しい"海"という神秘の世界のとりこになってしまった子供たち。もう、背中を焦がすように照りつける沖縄の日差しもなんのその。少しも気にならないといった様子で、長い間、神秘の海の魅力に吸い込まれていました。
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