水辺を学ぶ カヌー講座

持田雅誠のカヌー講座 11年連続カヌー日本代表 アトランタンオリンピック日本代表

Lesson9 バラウダーに挑戦!

Chapter26 バラウダーでターンしてみよう!

 このカヌー講座ももう少しで終了になります。ここまでのLessonでは、前進(フォワード)、後退(リバース)、回転(スウィープ)、横移動(ドロー、スカーリング)といった基本的なカヌーの操作方法を習ってきました。今回は次のステップということで、カヌーを進ませながらの方向転換を練習してみましょう。カヌーは小回りが効く艇なので、このようなテクニックを使えると、もっと自由にカヌーを動かすことができます。バウラダ-は艇のバウ(前方)でラダー(舵を入れる)するテクニックです

バウラダーのフォーム(右側にターンする場合)

1:パドルを立てて、右側のブレードを右ヒザの横の水面に差す。ブレードのカーブの内側を艇に向け、カヌーと平行にする。
2:右ヒジの角度を120°~150°にする。
3:左ヒジは目の高さに持ってくる。

バウラダーの動き(右側にターンする場合)

1:まずはフォワードで直進する。
2:ブレードを右ヒザの横に差す 。
3:ブレードを前に30°くらい開く。(Chapter25のスカーリング参照)。
4:カヌーが右へゆるやかに曲がるので、行きたい方向にバウが向いたらすぐにフォワードをはじめる。

ポイント
  • バウラダーは前進しているときにしか艇が曲がらない。
  • カヌーをピタっと平らにする。傾けたり、グラグラさせない。
  • 左側にターンする場合、左手首を使ってブレードを開かないようにすること!

動画 partⅠ (683KB)


動画 partⅡ (772KB)

Chapter27 バウドローでターンしてみよう!

 バウドローは艇のバウ(前方)でドロー(ブレードを艇に寄せる)するテクニックです。バウラダーと違ってカヌーが止まっているときでも回転でき、より速く方向を変えることができます。

バウドローのフォーム(右側にターンする場合)

1:パドルを立てて、右側のブレードを体の横の水面に、少し距離を置いて差す。ブレードのカーブの内側を艇に向け、カヌーと平行にする。
2:右ヒジの角度を90°~120°にし、体の後方に持ってくる。
3:左ヒジは目の高さに置き、左肩をバウのほうに持ってくる。

バウドローの動き(右側にターンする場合)

1: 体を右に大きくひねり、パドルを体の横の水面に差す。
2:ブレードを前に30°くらい開く。
3:右ヒザの横に向かって、開いたブレードを、半円を描くように引き寄せる。

ポイント
  • 寄せる前にしっかりと体をひねること!バウに対して体が45°くらい右を向くように!
  • カヌーをピタっと平らにする。傾けたり、グラグラさせない。
  • 左側にターンする場合、左手首を使ってブレードを開かないようにすること!

動画 partⅠ (2.22MB)


動画 partⅡ (867KB)

Chapter28 スウィープ&パウドローで素早くターンしてみよう!

 バウドローができるようになったら、次はスウィープと組み合わせてみましょう。前に進みながら、素早く方向転換することができます。狭い水面でカヌーをするときには必要なテクニックになります。

スウィープ&バウドローの動き(右側にターンする場合)

1:左側にスウィープを入れる。このとき一番後ろ(スターン)までブレードを引ききってしまうと、右側にバウドローを入れるのが遅れてしまう。そのため、ここではスウィープは体の後ろくらいで終わらせる。
2:左スウィープのブレードを抜いて、右のバウドローを入れる。

ポイント
  • カヌーをピタっと平らにする。傾けたり、グラグラさせない。
  • スウィープを引き終えてバウドローのブレードを入れるには、体を逆に大きくひねらなければならない。あわてずにしっかりと体をひねること!
  • 体を大きくひねるためには、パドルを入れている側の肩を引くだけではなく、押し手側の肩を大きく前に出してみよう!
チャレンジ

 スウィープ&バウドローを使ってその場でターンができるようになったら、次はブイや柱を目標にして、進みながらのターンをしてみよう!360°ターン、180°ターン、90°ターンなど、次に向かう方向によって色々なパターンができるよ。

Chapter29 スラムロールに挑戦!

 カヌーのテクニックの説明は以上です。上手にカヌーを動かすために、後はたくさん練習してみましょう!目標となるものをいくつか作って、ジグザグに進んでいくことを「スラローム」といいます。スキーやインラインスケート、自転車などでやる練習方法ですが、カヌーでも水面にブイを浮かべたり、ポールを紐で吊ったりして目標物を作ることができます。スラロームをすることで、自然とフォワードやターンが上手になってきます。ぜひ練習してみましょう!