水辺を学ぶ カヌー講座

持田雅誠のカヌー講座 11年連続カヌー日本代表 アトランタンオリンピック日本代表

Lesson5 フォワードをマスター

Chapter13 フォワードストロークで前に進んでみよう!

 準備完了!さぁ、カヌーを自由に動かすテクニックを練習してみましょう!
 まずはカヌーを前に進めてみましょう。え?前じゃなかったらどっちに進むのかって? カヌーは後ろにも横にも進めるし、ぐるぐる回ったり、うまくなれば垂直に立ったりもできるんです!
 でも基本は前にまっすぐ進むこと。意外と難しいけれど、がんばりましょう!

フォワードストロークのフォーム(姿勢)

 Chapter10で習ったように、ひざを胸に近づける意識で持ち上げて、なるべく前傾姿勢をとります。猫背になって、背中が丸くならないようにしましょう。
 Chapter7で習ったように、シャフトの握り幅に気をつけてパドルを持ちます。

フォワードストロークの動き

 フォワード ストロークの動きは、Chapter7の通りです。
 気をつけるポイントは、

<引き手側>

1:手はなるべく前に伸ばす。ただしヒジは伸びきらないように。
2:ブレードはネックまで水の中に入れる。
3:シャフトをギュッと握らないで、指の第2関節に引っ掛けて引く。
(親指を輪のように掛けておけば、シャフトは外れない)
4:手で引かずに、ヒジを水面と平行にして、前から後ろに引くこと。ヒジから前はフックのような気持ちで!
5:ブレードを体の後ろまで引かない。体の横でフィニッシュすること!

<押し手側>

1:押し手はパンチではなく、手のひらを前に押し出すように押すこと。
手の甲が自分を向くように!
2:シャフトはギュッと握らないで、手のひらに押し付けるようにして押す。
3:押し手のげんこつは、おでこから目の高さで前まで押す。
4:ヒジが肩より高くなると疲れてしまうので、肩の高さと同じか、やや低い位置にする。押している間はヒジの高さを変えないこと。
5:押し切ったときに、ヒジを伸ばしきらないこと。

<フェザリング>

1:フィニッシュした後、ヒジをはね上げると同時にフェザリングする。
2:左右どちらのブレードも、右手、右ヒジの動きで角度を変える。左手は使いません。

動画 前から (1.9MB)


動画 後ろから (1.68MB)


動画 横から (1.43MB)


まっすぐ進むためのポイント

 カヌーを漕いでみてどうでした?クルクル回っちゃいますよね?
 カヤックは艇の真下ではなく、横をパドルで漕ぎます。だから、右を漕ぐとバウが左を向き、左を漕ぐと右を向いてしまいます。
 どうしたらいいかって?
 どんなにうまい人でも、バウは必ず左右に揺れます。ただ、左右のパドリングの調節がうまいのでカヌーが真っ直ぐ進むのです。

<ポイント>
  • なるべくカヌーに近い場所を、パドルを立てて引く。
  • カヌーが曲がる前に、左右のちから加減や、引く長さを調節して真っ直ぐ進める。

フォワード ストロークはカヌーの基本でいちばん大事なテクニックです。フォワードがうまい人は必ずカヌーがうまくなります。何度も練習して身につけましょう!

Chapter14 ストッピングでカヌーをとめる!

 進み方と同時に、止め方も覚えましょう!
 バウを同じ方向に向けたまま止まる場合は、進んでいるときにブレードのカーブの外側を使います。ブレードを寝かせて、艇が曲がらないように右・左・右・左と少しずつブレーキをかけていきます。入れる場所は、体の真横あたりで良いでしょう。

Chapter15 スターン ラダーを使ってみる!

 どうしてもカヌーがまっすぐ進まないとき、方向修正のストロークでカヌーの進行方向を調整します。なかでも簡単で強力なのがスターン ラダーです。

スターン ラダーのフォーム(右の場合)

  • 右のブレードを立てて体の後方に入れる。カーブの内側をカヌーの方に向ける。
  • 左手を体の正面か、もしくはもっと右の方に持ってくる。

スターン ラダーの場合、艇はブレードを入れているほうに曲がりだします。
フォワード ストロークの方向修正で使う場合は曲がりたくない方にブレードを入れます。
(例えば、左に曲がりそうなときに右にスターン ラダーを入れる)
 また、直進しながらカヌ-を曲げるときにも使います。

スターン ラダーは艇が進んでいるときだけ効果があります。止まっているときにしてもカヌーは動きませんよ!

動画はこちらから (1.64MB)

Chapter16 リバース ストロークで後ろに進んでみよう!

 今度は、カヌーを後ろに進めるリバース ストロークに挑戦してみましょう!
 長い距離を漕ぐときは使いませんが、狭い水面で小回りを効かせて動くときに活躍します。

リバース ストロークの動き

1:ブレードを体より後方に入れる。ヒジは曲げたままでOK。
(体をひねると後ろにブレードを入れやすい)
2:ブレードのカーブの外側を、前の方に押し出す。
3:何度かに一度は振り返って後ろを確認する。

狭い水面で練習するときは、進んでいる方向に友達がいないか気をつけよう!
カヌーは後ろが見にくいよ!

動画はこちらから (847KB)